心霊なんでも相談室

地獄の淵に落とされた魂の救済


地獄の淵には怨霊から落とされるのだが、万一落とされたら二度と助けられることはない。

と言っても、実際には怨霊とは何か?と殆どの人が前世の因縁である怨霊を知らない。

故に、前世の因縁である怨霊も知らない方々に、地獄の淵などと書いても、誰も理解できないであろう。

地獄の淵とは、所謂、地獄の入口なのである。

この地獄の淵に落とすのは先に記述した前世の因縁,怨霊なのである。

怨霊の、復讐の最終仕上げとして落とすところなのである。

地獄の淵を知るには、まず、怨霊を知ってから、という事だ。

だが、地獄ではなく地獄の淵に落とされるとは?

人間界に肉体が誕生している魂には頭の上にほそーい紐がご先祖さんや人間界に誕生している身内へと繋がっている。

故に、この紐があるうちは中に落ち込む事はないのである。

が死後、紐が切れるとそのまま地獄へと落ちてしまう。

しかし、生存中、たとえ淵で止まるとは言え、地獄に落とされた魂は、なぜか両手を後ろ手に縛られており、しかもクビまで吊られ身動きできないようにされているのだ。

そして、そこに屯する化け物の餌食となり、精神的・肉体的にも悲惨な結果を伴うのである。

これらの化け物は多種多様の姿をしている。

これは決して御伽噺の世界ではない。

実際にこの化け物にとり憑かれていた方の魂をつい最近、天国の入り口まで引き上げたのだ。  

引き上げた魂の方とは、福岡県にお住いの40代の女性の方で、病院で”うつ病”と診断され、実姉(50歳)とご一緒に当相談所にお見えになったのである。

 この方には、怨霊はもとより地獄に屯する多くの化け物がとり憑いていた。

先ず、怨霊を一つ一つとり除き、最後と思われた5番目の怨霊をとり除いた帰り際、突然苦しみだしたのだ。  

また、てっきり6番目の怨霊が出たのかと思い、再びご相談者のお名前を呼び魂を呼び込む。  

そして、入ってきた霊に「おい、お前は誰だ!」と一喝したが無視。

無視をすると云う事はご相談者の魂ではないと云う証でもある。  

そこでまた何時もの様に念を入れる。

だが、怨霊のように”タスケテー”などと悲鳴を上げる事は無かった。  

と言う事は、念の力が殺されているのか、うんともすんとも云わない。

それどころか全く効いていないようなのだ。  

この後、この”ナニモノ”かと7時間に渡って悪戦苦闘の戦いを続けたが、最後まで音をあげさせる事はできなかった。  

後に分かった事だが、これが地獄の淵に屯(たむろ)する化け物だったのだ。  

そして、その翌日からこの化け物と11日間に渡って死闘を繰り広げる事になった。  

死闘とは、この化け物を一日中、24時間私の中に閉じ込めたままの状態にして苦しめる事なのだ。  

更に、午後1時間、夜2時間と時間の許す限り念で攻撃を続ける。  

夜の攻撃が終わり就寝する前には私の中に入っている事を確認して休むのだ。  

私の中に入れるとは、別に体に入れる訳ではない。

霊的世界に於いての”入れる、降ろす”とは普段使われている霊界用語にすぎない。  

実際には私の魂が捕まえている、或いは照らしていると云ったほうが良いのか。  

照らすとは、化け物の頭上から光を当てる事を言う。

私の魂は”光”であるから、このような照らすなどと云う言葉を使うのである。  

その光である魂が”化け物”の頭上から、ひと時も離れず輝き続けていたのだ。

当然、闇に潜む化け物は暗闇の中では絶対的な力を発揮できるのであろうが、光に晒されていてはその能力の半分も出す事は出来ない。    

ただ哀れにも光に晒され体力を消耗し憑いているだけの存在になり果てるのだ。  

そして、私自身がたとえ就寝中でも魂は休みなく戦い続ける。  

その為、目覚めても起き上がれない。

例え起き上がれたとしても体がフラフラしてまともに動く事さえ叶わない。  

其れほど体力を消耗していたと云う事だ。

ただ、目を開けているだけでも後頭部がのぼせたようにきつくなる。  

何時倒せるとも分からない相手に体力の限界を感じ少々焦り始める。  

が私がきついと言うことは、この化け物も相当きつい筈だと思い直し攻撃の手を緩める事はなかった。  

だが、正体不明の化け物では戦いの終わりを予測する事さえ難しい。  

ナニモノだ?と思うが残念な事に私は向こう側のモノは、何一つ視る事ができない。

だから化け物の正体を見破る事ができない。  

そこで、思いついたのがご相談者の家に潜んでいるであろう、数百年前の土地の持ち主(怨霊)の事だ。

この持ち主を私の中に呼び込正体を暴いてやろうと。  

早速、ご相談者のご住所を読みあげる。

すると案の定数百年前の土地の持ち主が入って来た。

やはり潜んでいたのだ。  

この、入って来た土地の持ち主に念を掛け、私に逆らう事ができないよう従順にさせ、化け物の正体を尋ねた。

すると土地の持ち主が言うには”大変大きな大蛇”ですという。  

何と云う事か、ご相談者には大蛇が巻きついていたのだ。   

それで幾ら念を入れても”風に柳”の如し倒れなかったのだ。  

通常、霊や魂の破壊に要する時間は1時間少々。  

除霊は15分から30分。怨霊が音をあげる時間は数秒。  

11日間とは、如何に桁外れに強い化け物かお分かり頂けるだろうか。

 この化け物の正体が大蛇だと判明して腰をすえ戦いに望んだ。

すると戦い始めて11日後にやっと『うちゅうそうすい様、もう私は離れます。

さすがに負けました・・・凄いお力で』と完敗の言葉を言い放ち、一瞬で去って逝った。  

倒すことは出来なかった、が離す事は出来た。  

だがこの戦いの余韻も覚めやらぬうち、また新たな戦いが始まろうとしていた。

 大蛇が離れた事のご報告を兼ね福岡にご連絡を入れる。

と<まだ体がおかしいんですよ>と云うのだ。

”えっ、なぜ?”と唖然とする。

タオシタハズナノニ?そこで”大蛇”が去った事は分かりましたか、とお尋ねすると

<それは分かったのですが、まだ何かおかしいのです>という。  

そこでまたご相談者のお名前を呼び”ナニカ”を探るべく私の中に呼び込む。

すると今度は怨霊が出てきた。  

大蛇の次に6番目の怨霊、この怨霊は何時もの様にキズを治し殺された記憶まで消し、そして去らせた。  

がまだ”おかしい?”というのだ。

更に次を呼び込む、すると直ぐに入っては来たのだが・・・・やはり何か違う。  

今度も怨霊か?

と思いきや、さにあらず、そうではないようだ。  

一応念を入れ確かめる事にした。

だが幾ら念を入れてもまたしても音をあげない。  

・・・・念が効いていないのか?

そこでまた土地の主(怨霊)を呼び出し

『何が憑いているのだ?』と聴くと

≪体中毛だらけで、何かは分からない・・・得体の知れない動物のようにもあるが?≫と云う。  

怨霊の次が毛だらけのモノ、怨霊と化け物が交互に入ってくる。

このように入り混じって憑くなどと言う事があるのだろうか?

闇の世界には人知を超えた妖怪や”イキモノ”、また人間の範疇では理解しがたいあの世の仕組みがあるようだ。  

だがこの毛だらけのモノは予想に反してあまり大した事はなかった。

僅か4時間ほどで逃げていった。

(この時は4時間もの戦いを”僅か”、と一言で切って捨てるまでになっていた。それだけ過酷な戦いに慣れてきたと云う証でもあるだろう)  

そしてまた・・・次がいたのだ。

この時はまだ分からなかったが、今度の”ヤツ”は何か大物のような気配がヒシヒシと伝わってきた。  

その気配とは、念を入れてもはじき返すように、私に返ってくるのだ。  

もう次から次へと、どうなっているのか?

これではキりがない。

私を試しているかの如き波状攻撃だ。  

だが、何としても負けるわけにはいかない。

絶対退く事は出来ないのだ。

 この戦いの少し前に兵庫県の女性の方がご相談にお見えになっていた。

この方に憑いていたのが白大蛇。

それを倒した数日後。

まるで、その方が今回の一連の大蛇との戦いを予感させるように突如現れたのだ。

 が、この白ヘビは難なく、とは言っても4,5日は懸かったと思うが、その直後からこの戦いが始まった。  

ヘビ、ヘビ、蛇だ、ヘビとの戦いあるのみ!。

そこで、今回新たに出てきた化け物の正体を早急に暴かなければ、とまたもや土地の主に登場願おうと思ったがこの時は既に上にあげていた。  

あげた理由は、前回、前々回と私の頼みを聴きいれた褒美としてだが。  

この怨霊をあげるのが少し早すぎたようだ。

もう少しおいておけば良かったと後悔しきり。  

一人の人間に怨霊から化け物まで、まるで遊ばれているかのように、これほど手を焼くとは思ってもいなかったからだ。

先の数百年前の土地の持ち主は私にとって大変使い勝手が良かった。  

数百年前の土地の持ち主とは人間が住んでいたと思われる土地には何処にでも潜んでいる。  

そして、私の知りたいあらゆる情報を教えてくれる貴重な情報源なのである。  

まるで透明人間のように、ご相談者のお宅に居座って、一挙手一投足、何から何までご相談者のご家族の動きを注視している。

更に今回のように人間に憑いている”化け物”の事まで教えてくれる。  

その情報を聞く相手がいなくなったため、今度はご相談者とご一緒にお見えになっているお姉さんの魂を私の中に呼び込み妹さんに憑いている”ナニカ”を視て頂く事にした。  

”敵を知り己を知れば百戦危うからず(孫子)”だ。

相手さえ分かれば戦いようもあると云うもの。  

それにはまず、妹さんに憑いているモノを姉の方に”入れる”そしてその姉の魂を私の中に呼び込み、妹さんに何が憑いているのかを聴くと云う方法だ。  

その結果、姉の魂が云うには”大蛇が憑いている”と云うのだ。

またしても私の前に立ちはだかったのは大蛇だ。

だがこの大蛇は前回憑いていたものとは別物。  

しかし、大蛇である意味良かった。

時間さえ懸ければいずれ去っていく事が分かっていたからだ。

既に大蛇の手のうちはみえている。

まぁ10日もすれば離れていくだろうと安易に考えていた。  

ところが案に反して、これが戦い始めて僅か4日程で

『もう駄目です。お許しください。うちゅうそうすい様・・・もう離れます』

と音をあげたのだ。

今回の大蛇はこのような結果に陥る事をある程度予見していた節がある。

それは4日で退散したところをみてもお分かりだろう。

前回の死闘を、これまでに戦ってきた大蛇から聞いていたのだろう。  

そして、今度こそもう終わりだろうとご相談者にご連絡を入れると”いや、まだ何かおかしい”と云う。  

どうなっているのだ・・・?

ともはや今後の事について、ご相談者とジックリ話し合わなければ”獲っても獲ってもキリがない”果てしなき戦いに危惧したのだ。  

そして、お見えになったご姉妹に、これから妹さん(ご相談者)の魂を私の中に呼び込み、今どのようなところに居るのか、先ず、魂の居場所から聴いてみたいと告げ、妹さんの魂を呼び込む事にした。  

そこでお名前を呼び私の中に呼び込んだ。

ところが入ってきたのは、妹さんの魂ではなく、またしても怨霊が入って来た。

なんと、これで怨霊だけで7人目だ。  

大蛇の次は怨霊、その次は毛だらけ・・・?

もう考えるのは止めよう。  

さすがに、気の強い筈の妹さんの目に大粒の泪が・・・そして声をあげて泣きじゃくる。  

果てしない絶望感に襲われているのだろう。

 ”気が強い”とは前世の怨霊が7人いただけでも普通ではない。

7人いたと言う事は、7人殺したという事なのだ。  

殺した人数だけみても気性の激しさが予測されようと云うものだ。

私の中に入った怨霊に

「お前はどいていろっ!!」

と大声で一喝し、妹さんの魂を呼び込むことに成功した。   

そして一問一答する

「今居るところはどのようなところだ?」

と尋ねると

「こ、ここは、ち、血の中・・・じ、地獄のようなところでございます」

「お前に憑いているものはどのようなものだ」

「あ、あああっ、あの大蛇が抜けたら、お侍、こ、今度はヘビでございます」

「お前の周りには何が視える?」

「ま、周りは真っ暗闇でございます。し、下は血の海でございます」

「なに、血の海か、周りは何も見えないのか」

「周り?なんか視えませんが、なんかザワザワ動いております・・・あ足元でなんかザワザワザワザワ動いて・・・たた、助けて頂けないでしょうか?」

「よし、分かった今からお前を助けてやる。そこで待っておれ!」

「きき、気持ちが悪い、たた、たすけて、たすけて〜ああ足のところ足のところ・・・」

と切羽詰った声で助けを求める

「周りには何か視えないか?」

「ま周りはや、闇夜でござい・・・真っ暗でございます。だだけど、ザワザワザワザワ、また私の周りになんか、う、うろついている・・・」

「分かった、そこにおれ」

「わわ、分かりました」

怯えていてあまり聞き取れないが魂の周りを何かがうろうろ徘徊していると云っているようだ。  

更に、私の足の辺りを私の手がしきりに振り払っている。

と云う事は妹(魂)の足に何か、ヒルのようなものが這っているのではないだろうか。  

多分ここが地獄の淵、魑魅魍魎の巣窟ではないのだろうか?     

急遽、怯えるご相談者の魂を引っ張り上げる事になった。

これまで魂を上に引きあげた事など一度も無い。  

またそのような事を考える事もなかった。

だが”何とかしなければ”と云う強い思いが”引き上げる”と云う、途方も無い考えに至ったのだ。  

そして本当に魂を引き上げた。  

その引き上げた場所が”緑の絨毯を敷き詰めた”霊など全く無縁の場所と云っても良い天国の入り口近くだったのだ。  

この”引き上げよう”との思いに至った経緯は、怨霊のキズや記憶を消し、死後、最初に逝く場所(霊界の待合所・通称三途の川)に移動させる事が可能になった事を元に考え付いたのである。  

その時の喜びの声も録音している。

「ウ、ウウウウッ・・・ウワーッ・・・アーッウワーッ・・・アアアッーフャッフャッフャッ・・・」

この声は痛みや苦しみに喘ぐ時の声ではない。

「どうだ我の声が聴こえるか?」

「聴こえる・・・」

「お前は今どこに居るか分かるか」

「ここ、ここはどこでしょうか?」

「周りを良く視てみるがいい」

「ま、周りでございますか・・・ここは、なんかわりと広い林のようなところです」

「林のようなところか、そこは」

「さようでございます」

「お前の足元はどのようになっているのだ」

「あ、足元?ふ普通の草が、は生えているところでございます」

「草が生えているのか」

「さ、さようでございます」

「お前が先ほど居た血の海地獄とは違うのだな」

「血のうみ・・・いえいえ、あそこから突然ここに、ここに来ました。周りが何も、ただここは何か・・・わりと明るくて、ずーっと向こうまで視えるのでございますが、なんか空気が澄んで、あーっ気持ちがいい・・・なんか私生まれ変わったような気がします」

「生まれ変わったような気がするのか」

「は、はい、生まれ変わって、なんか全然、何か周りが違います・・・ゆ、ゆめ、夢みたいでございます。なにもなにもありません・・・」

「お前の目につくものを言ってみよ」

「目につく・・・む、向こうの方には、何かお花畑、お花畑が向こうの方にありまして・・・ここは林で・・・林と云うより、草が生えて、ずーっと広い、そして人がわりと歩いております」

「その人達の頭に、何かヒモのようなものは付いていないか」

「あ、頭?ちょっとお待ちください・・・ここの人は皆頭の上に紐が、ほそーい紐が、ずーっとずーっと上にあがっております。そしてここに居る人はみんなにこにこ、あっ、皆ニコニコして、あっニコニコしております。」

「ニコニコしておるのか」

「そ、そう、みんななんかニコニコして、皆なんか、そして・・・向こうの方にいっぱい、にぎやかに人がたまっております。わ私ここにいて良いのでしょうか?」

「そうだ良いのだ。これからそこがお前の居場所になるのだ」

「さようでございますか。そしてなんか、皆ニコニコしてお話しております」

「今、お前の体は何も感じないか?」

「体?なんか、違うところに来たような感じで、なんか皆手を目のところに当てて、よそを視ております」

「そうか、ではお前も目のところに手を当てて視てみよ」

「ああっ、分かりました。あっなんか、何か視えます」

「何が視えるのだ?」

「こ、これが人間の、人間の社会でしょうか、なんか、ぼやーっと視えております」

「そうじゃ、それがお前の目を通して人間界を視ているのじゃ」

「さようでございますか?みんな手を目の方にあてて視ておりました。では私、もう自由なんでしょうか」

「そうじゃ、お前はもう自由になったのだ」

「わわわかり・・・」

 「その他、周りには何か視えないか」

「いえっ、何かここは広っぱのようで、草があって、別になんともないのですが、私の背中には何かがあるような感じがして、ま、前しか視えないんです」

「後ろは視えないのか」

「ええ、後ろが皆視えない様な感じで、前だけしか無いような感じです」

「そうだな、ではその後ろが人間界と云う事だな」

「さ、さようでしょう・・・何か分かりませんが目の上に手を当ててみたら、なんか別の景色が、なんか全く違う景色が視えます」

「よし、分かった、ではもう何も無いと云う事だな」

「ははい、ありがとう、ありがとうございます」  

こうして血の海地獄の淵に堕ちていたご相談者の魂を上にあげる事に成功した。  

そしてこの事を電話越しに聴いていたご相談者は、ただなみだ涙で感謝の言葉を述べていた。  

話を纏めると、上がったところは林のようだが、草の生えた何も無い広いはらっぱに居ると言っていた。

ここには人も沢山いるようだ。

それに空気も綺麗な場所で皆ニコニコ楽しそうに会話をしていると。    

更に後ろが向けない、と云う事はやはり人間界と背中合わせになっている証拠ではないのだろうか。  

それに目の上に手を当てて、目を閉じると人間界が視え、人間の喋る声も聴こえるのだ。  

このようにして魂は自分の肉体を思うようにコントロールしているのである。  

だが、残念な事にその魂がナニモノかにとり憑かれていると、その憑いたものの思うがままに操られる事になる。  

今回のご相談者の魂を上にあげ、毎日魂の声を聴いているが、未だに夢のようだ、最高ですと云う。  

多分、魂が上がったところは天国の入り口ではないが、入り口に近いところなのだろう。

”何かへんです”は過去の事になった。  

今回のご相談者に憑いていた怨霊の叫びは後日記述する事になる。 どうぞお楽しみに・・・。



 

そして、更にこの後、お二人の女性を上に引きあげる事が出来た。  

一人は宮崎県の17歳の女子高生。

既に妊娠しており子供が出来たら結婚をすると言う。  

だがこの事に危機感を持った叔母が私の元にお出でになり、これまでの経過(家出を繰り返す)をご説明して頂、何としてもこの結婚を阻止して頂けないでしょうかと切なる頼みに応じたのだ。  

この女子高生には、初めは乞食の怨霊が憑いており、それを獲ると今度は大入道が憑いていた。  

この、大入道の顔は鬼のようで頭はつるつる、体は人間の数倍の大きさだといっていた。  

まるで妖怪辞典から飛び出たような大男らしいのだ。  

これも、最初は幾ら念を入れても鋼にあたるようで、まるで効かないかった。  

はじき返されてしまうような感覚だった。

だが日数が経つにつれ次第に弱り最後は

『うちゅうそうすいさま、もう駄目だ離れますお許しして下さい』

と云って離れたのだ。  

その後も怨霊が居たが、それを有無を言わさず除け魂を上に引き上げたのである。

もし何も施していなければ果たしてこの女性の運命はどのようになっていたのだろうか。  

養育放棄?そら恐ろしい気がする。

だが、このような女性は世の中には吐いて捨てる程ごまんといるであろうが、今では”あんな男視るのも嫌です”と魂はいう。(あんな男とは妊娠させた男)  

が残念な事に結婚は避けられない、手遅れのようだ。



  

次の事例は、14歳の女子中学生。

家出や深夜の徘徊で警察には幾度となく補導されるし、親の言う事は全く効かない。 

もう手の施しようがないとご相談におみえになったのだ。  

家出や徘徊の原因は学校でのいじめだという。

この少女には前世の因縁、怨霊が憑いており、その後には浮遊霊、そして体は動物のようで顔は獅子のような感じのやはり化け物が憑いていた。  

この少女の魂も上に引きあげた。

すると今では”家が一番いい、今までの友達(深夜徘徊)とはもうお付き合いはしたくない”と魂はいう。  

三人の魂を上にあげたが皆それどれ少し違う場所に行っている様だ。  

では17歳、女子高生のその後をご紹介しよう。  

「おい、今お前が居るところはどのようなところだ」

「こ、ここは得体の知れないところです。山の谷のようなところです。 もう色んなものがうろうろうろうろ、私の周りにいっぱいたかっております」

「先ほどまでお前に何か憑いていただろう」

「つ、憑いておりましたが、今それは離れているようです。他のがいつ来るか分かりません」

「どんなものがそこには居るのだ」

「どんなもの?もう毛だらけのものやら、もうヘビみたいなものやら、あ足元はもう水でべちゃべちゃして気持ちが悪い・・・なんかヒルみたいなものが足を触っております」

「そうか、よし分かった。今から我がお前を救い上げてやる、待っておれ」

「はは、ありがとうございます。お願いします、お願いします」

「おい、そこにちゃんと居るのか」

「こ、ここに居りますお願いします」  

やはり、化け物の巣窟に引きずれ込まれていた。  

そして、この17歳の少女の魂も上に引きあげた。  

その時の喜びの声。

 「ウワーッ、ウウッ・・・ここはどこですか?」

「そこは何が視えるのだ」

「こ、ここは周りがずーと広くて、下に綺麗な草が生えております・・・周りには人間がいっぱい居ります。ここは空気も綺麗でぜんぜん違います(先ほどの巣窟)い、今まで居たような、なんとも知れない気持ちの悪いものが・・・私の周りをうろうろしていたものが何もおりません。ここは、なんか優雅な人がのんびり歩いているような感じです。うわーっきれい、綺麗!」

「そこの周りには何があるのだ良くみてみろ」

「周りと云っても、別に何もないのですが」

「木とかは無いのか?」

「木?木は別にないのですが・・・綺麗な芝生のような草が生えて、ずーっと見渡す限り明るいです。空はずーっと明るくてきれーいなところです。ここは」

「そこにお前を連れて行ってくれと頼んだのはお前の叔母さんだ。大分に居る叔母さんから頼まれたのだ」

「えっ、あの叔母さんが?」

「そうだ、その叔母さんが”引き上げてくれ”と頼み込まれたのだ。だから叔母さんに感謝するがいい」

「ああ、あっ分かりました。叔母に礼をいいます。ありがとうございます。ありがとうございます」

「もう今後はあのような地獄の淵に落ちる事はないから、安心するがいい」

「わ、分かりました有難うございます。有難うございます。ところであなた様はどなた様でしょうか?」

「我は宇宙総帥と云う神じゃ」

「かか、神様?カミサマで、有難うございます・・・ああっありがとうございます。私をあのような地獄の淵から引き上げて頂有難うございます」

「それを想うなら叔母に礼を言うがいい」

「有難うございます・・・神様、私もう堕ちないでしょうか?」

「もう堕ちる事はない。大丈夫だ大丈夫だ。優雅に暮らすがいい」

「わ分かりました・・・ありがとうありがとう・・・」  

この女性のその後、魂は

「あんな男の顔は視るのもイヤです」

と大変毛嫌いしている。  

今回の娘さんの魂も、木など全く無い草原のようなところに降りたようだ。  

見渡す限り明るく、綺麗な草が生え、優雅な人がのんびり歩いている、とも。

私が最初にご紹介した場所とほぼ同じところではないだろうか。

それはセレブの暮らす、天国のような楽園に一番近い場所と云えるだろう。  

魂は肉体と繋がっている為、地獄にも堕ちない代わりに、本来の天国に入る事もない。

所謂(いわゆる)天国の入口近くであり地獄の淵ではないだろうか。  

地獄から天国とはこの事だ・・・いや、天国から地獄ではなかったか?

 更に”山の谷間のようなところ”にいると云っていた。  

そこは怨霊の棲む山の麓よりまだ下、地獄のすぐ傍ではないだろうか。

と云う事は、地獄は谷の最深部に位置する事からも予測できる。

では、地獄の中ではなく、”地獄の淵”にいた事になる。

人間界に降りた魂の堕ちうる最悪の場所にいたと云う事だ。

福岡の女性が堕ちていたと想われる地獄は血の海地獄の淵だった。

その、血の海の上にぶら下げられていたのだ。  

地獄の淵も暗闇だが、死者の逝く地獄の中は漆黒の闇なのだ。    

漆黒の闇と言えば、これは以前、地獄からの逃亡者に憑依されていたご相談者がお見えになった時に、その逃亡者が語った事であるが。

漆黒の闇の中で皆、喰いものを探して徘徊している

”地獄での喰いものと云えば蛆虫しかなかった”

と、闇の中での事を喋り、人間界の飯の美味さに

”4杯も喰った、絶対離れるものか!”

と息巻いていたのを思い出した。  

・・・・ここ数ヶ月の間に、これまでに経験の無い過酷な戦いを強いられた。

だがこの戦いのお陰で大変貴重な力を授かった。

また妖怪辞典に出てくるような化け物とも遭遇した。  

確かに魑魅魍魎の世界は存在する。

また、そこにいる化け物が人間の魂に憑いて禍を起こしている事も分かった。

 このような世界を垣間見る事も、また地獄の淵に屯する化け物や妖怪と戦える人間、と言えば私を於いて他にはいないだろう。  

が妖怪やお伽噺を創った作者には魑魅魍魎の世界が本当に存在していると言う事は薄々感じていたのではないだろうか。

でないと、妖怪辞典など創れない、と思うが如何だろうか?

だが、それが人間の心の中にある、とまでは知る由もないだろうが。

私が化け物などと戦えるほどの力を持つまでになったのは、やはり天界から降臨した神としての、元々備わっていた力に目覚めて来たからではないだろうか。

人間の力では到底有り得ない能力を発揮できるようになったから。  

それに、今回のような化け物との戦いで、今後どのような魑魅魍魎が出てこようとも倒せると云う自信にも繋がったように思う。  

更に地獄の淵まで落とされた魂を”天国の入り口近く”まで引き上げる事も可能になった。  

今後、如何に多くの霊や化け物に蹂躙(じゅうりん)されている人間がいようとも助け出す事ができるのだ。  

”無敵!無限の力ここにあり!”

"霊が憑かないようにはできないのでしょうか”と切なる願いにも対応できるようになった。  

そして、最後に今回のご相談者73歳のおばあさんが、これを記述している時にまた

『歩くときに足が中に浮くような感じなんですが・・・』

と云ってお見えになった。  

早速調べるてみると、再度新たなモノが憑いていた。

新たなモノとは、今まで戦ってきた化け物の仲間だ。  

この正体不明の化け物退治に要した日数は4日。

が化け物が憑いていたと云うのは今更問題ではないが、化け物が憑くと云う事は、化け物の棲む闇に魂が落とされているのではないかと危惧されるからだ。  

また、次から次に新たなモノが現れる兆候なのだろう・・・か?

と云う事は、天国の近くまで引き上げねばならない人が増えると云う事だ・・・。

もしそうなれば今回で四人目となる運のいいおばあさんと言う事になる。  

そして、予測したように、この記述を書き終えようとしていた、ある日また

『先生足が痛くてたまらない、助けてー』

と云っておばあさんの悲痛な叫びが受話器から飛び込む。  

足腰の痛みに乞食をどうぞ!のおばあさんが、またお見えになった。  

その数分後、足を引き摺りながら相談室に倒れ込むようにして入って来た。

そして履物を脱ぐのももどかしく這うようにしてソファーにたどり着き、そのまま崩れさるようにへたり込む。

顔面蒼白だ・・・。  

「どうしたんですか?」

「いや、また昨日の夜から足が疼くように痛くなって歩くにもあるけないんですよ。腰も痛くて・・・」

と云い終えるや口をポッカリ開け天井を仰ぐ。  

やっと着いたとの思いか、ハァハァと荒い息遣いをしている。

 このおばあさんのお家は当相談所から歩いて僅か7,8分の所だ。  

7,8分と云っても、それは健常な人が普通に歩いての時間。

おばあさんのように足を引き摺りながらでは、この倍の時間が懸かるのではないだろうか。  

先日、なにやら訳の分からないモノに憑かれ、それを3,4日懸けて獲ったばかりである。

その時も足を引き摺りながら、息を弾ませ杖をついてほうほうの態でやってきた。  

ナニカが憑くと必ず足に来るようだ。

霊などが憑いた場合、その人の弱点を狙い撃ちにするが如し攻めてくる。

それが、よもや鉄則になっているかのように。  

そして、このおばあさんも危惧したとおり怨霊の棲みかに落とされているのだ。

でなければこれほど早く新たなモノが憑く事はない。    

体力を奪われ息も絶え絶えのおばあさんは

「この足の悪さは病院に行ってもわからないんよ、先生しか頼る人がいないんよ」

という。  

早速、お名前を書いて頂く、するとやはり霊的エネルギーが発散している。

お名前を書いて頂くとは、初めての方ではないのに”なぜ”と疑問を呈される方も中には居られるようだが、一般的には、霊的作用を受けるとまず顔の表情が変る。  

だが、憑依されてあまり時間が経っていないと表情に変化は表れない。

故に顔だけを見ても霊的作用を受けて居るか、否かは分からない。  

顔に表情が表われるまでには数ヶ月或いは数年は懸かるのではないだろうか。

悪霊(浮遊霊)など弱い霊に憑依されている方のほうがわりと表情には出やすいようだ。

がそれでも数ヶ月は懸かる筈だ。  

怨霊や化け物など、逆に強いものに憑かれている方は何年、何十年経っても顔に出ることはない。

その証拠に、怨霊に憑かれていると思われる方々の表情が変化した、などと云うような事はこれまで一度も見た事がない。  

まれに怨霊の気配が伺える方も居るにはいるが。

私の場合は顔に出ていなくても、憑いてすぐにでも名前を視れば一目瞭然の如し分かるのだ。

極端な言い方をすればお名前さえ分かれば顔は必要ない。  

だから大変お手数をお掛けすると思うが、お見えになるたびにお名前をお書き願わねばならない。  

まぁ簡単に言えば、一般の霊能者のようには霊が視えない代わりにお名前で分かるということだ。  

その後、不穏なエネルギーの主を、おばあさんのお名前を呼び私の中に呼び込んだが、やはり何の返答もない。  

それどころか念を入れても全く動じる気配がない。  

まさに、念が跳ね返ってくるように手ごたえが無いのである。

まぁそれでも数十分は念を入れ続けたであろうか。

しかし、これ以上念を続けても出てくるまでには数日間は軽く掛かるだろうと思われるぐらい大物の気配が漂っている。  

何しろ念が効かないのだから致し方ない。  

気配とは、これまでの化け物や妖怪と同じような訳の分からない匂いを感じ取ったのだ。    

おばあさんは両手を胸の前で合わせ、目を閉じ苦痛に喘ぎなら堪えている

「もう目を開けてもいいですよ、これから私の方を良くみていて下さい」

と伝え、除霊を一旦中断する。

中断するとは負けたからやめると云うのではない。  

これから大きな賭けをするのだ。  

その賭けとは、ごく最近だが、化け物や妖怪などの棲む、深い谷間に落とされていたご相談者の魂を上に引きあげる事が出来るようになった事だ。  

その能力をこの化け物にも試してみようと思うのだ。

『今からこの化け物をゴボウ抜きのように一気に引き抜きますから』

と告げ、魂を引き上げた時と同じような動きをした。  

両手を回転させ、その左右の両手を、昔のチョキをする形に組、親指と人差し指を合わせる。

そして、合わせた人差し指を、頭上、額、口に4,5センチ離して刺すように当てる。    

するとその人差し指から、向こう側(あの世)に強力なエネルギーを送っているように、当てた部分が後ろに反り繰り返る。

 口に当てると、大きく口が開き大気とでも云うのか、一瞬にしてエアーが”ウワッ!”と入る、これを頭のてっぺんから額と順番につき立てた指を当て、反応がなくなるまで続けていた。

すると

「ううう、うちゅうそうすいさま・・・まままけました・・・もう離れます」

と私の顎が上に引っ張りあげられているかのようになり、化け物らしきものが云う。

あれ程強く抵抗していたものがあっけなく”負けました!”と云って離れたのだ。  

おばあさんの魂から引き離す事に成功した。  

これまで、数時間から数日懸かっていたのが、僅か10数分で終わった。  

魂の引き上げといい、まさに神の領域に達したと云っても過言ではないだろう。

だがまだ安心は出来ない。  

後頭部には、先ほどの化け物の余韻が残っているのだ。  

と云う事は、まだ”居る”可能性を捨て去る事はできない。

これまで数匹?の化け物を私の中に取り込んでみたがいずれも”もう離れます”と何回となく私に云ってはきた。

だが額面どうり離れる事は無かった。  

要するにまた私を騙そうとしているのではないかと懸念したのだ。

そこでおばあさんの名前を再び呼び、魂を呼びだす。  

すると、今度は間違いなくおばあさんの魂が出てきた。

と云う事は化け物は本当に去ったのだ。  

万一化け物が隠れていようものならおばあさんの魂は出てはこれないからだ。  

再度確認のため

「越野タタン入って来い!」

と呼ぶ。

がやはりおばあさんの魂しか入ってこない。  

これで、これまで憑いていた化け物は完全に去ったと確信できた。  

更にこれまで、何が憑いていたのだ、と魂に聴く

すると

「大きなヘビ、蛇のようなものが私の体に巻きついておりました。大蛇です」

と云う。

またしても蛇が憑いていた。  

だが、この大蛇を一本釣りするが如し、引き抜くことができた。  

これまで蛇を離すのに、最長11日も懸かっていたのが、僅か10数分で終わったのだ。

新たな能力の目覚めである。  

そして、これまでおばあさんの魂がどのような場所に引き込まれていたのか、更に引きあげた場所がどのようなところなのか、も聴く事が出来た。



 

これから先は、私の中に呼び込んだおばあさんの魂が喋った内容をそのまま記述したものである。  

「越野タタン、今お前が居るところはどのようなところだ」

「ここ、ここは山の谷間のようなところで真っ暗闇でございます・・・もうこの、体中がジトジトジトジトしております。もうなんか、もうその辺にナニカがウヨウヨウヨウヨおります」

「足元はどうなっている?」

「ああ、足元も真っ暗で分かりませんが、足元もベチャベチャベチャベチャして、もうなんか、ほんとじごくの、地獄の傍のような感じでございます。」

「そうか、では今はお前の体には何も憑いていないのだな」

「さ、さようでございます・・・ああ、あっも、もう・・・ああ、あっど、どうかどうか助けてください」

「分かった助けてやる」

「ウウ、ウワァワァ・・・ああ、ありがとうございます。ありがとうございます」

「お前はそこにおるのか」

「おおお、おります・・・」

「今から上にあげてやるから待っておれ!」

「あ、ああっ、ありがとうございます。ありがとう・・・」  

やはり地獄の淵に落とされていた。

体の回りでは、ナニカがザワザワと蠢いていると。  

そこで早速、両手を動かし引きあげに入ると

「ウ、ウウウククククッ・・・」

「どうした」

「ク、クククカカカウウウッ・・・めが、めがまわる」

「眼が回るのか?」

上にあがる時の急速な衝撃に魂がついていけないのだ。

「めがっ、めが・・・あっ、あらっ、ここ、ここはどこですか?」

「ここはどこですかと云っても逸れは私には分からない。そこには何があるのだ。良く周りを視てみろ」

「わ、わわっ、ここは、な、なんか綺麗な、綺麗な花が咲いております・・・な、なんか明るくて、た、太陽がピカピカピカピカ光っております」

「周りには何が視えるのだ。お前が視えるものを全て云うがいい」

「ま、周りはなんかもう、は、花が花がいっぱいです。ちょ、ちょうちょが飛んでおります・・・た、太陽が明るく、なんかきもちがい〜い、ものすごう気持ちがい〜い」

「お前は越野タタンか」

「コシノタタンでございます」

「先ほどいたところとどうだ」

「さっき?ああっあっこっ、あっこはなにか地獄のようなところでございました。ここは、なんか天と地が入れ替わったような、物凄く明るいところでございます。太陽がさんさんさんさん照っております・・・」「そこがこれからお前が新しく棲むところじゃ」

「ああーっ私ここに棲んでもいいんでしょうか?」

「そうじゃこれからお前はそこに棲むのじゃ」

「ああーっありがとうございます」

「其処には何もヘンなものは居ないか?」

「へ、へんなもの?へんなものなんかおりようがありません。もう空が青々と、青々と透き通って空気が綺麗で、もう暖かくて、あーっ気持がいいー、なんか天国に来たみたいな感じです」

「天国に入った様な感じか」

「あ、あっさようで、あーっ気持がいい〜」

「後は何が視える」

「あ、あと、後なんか、ああっ向こうの方になんか、女の人とか、ああっ男の方が、なんか手を、手をつないで、なんかにこにこしながら歩いております。 皆なんか手を繋いで歩いております」

「手を繋いで歩いているのか、他には何が視えるのだ」

「他に、いやっ、他に別にないですけど、物凄く楽しそうなところです。こ、公園、公園ではないんですけど、お花畑、皆がなんか手を繋いで、あっ皆なんか踊っております。わっ踊っております」

「踊っていると云うのか」

「は、はい・・・ああっ踊っております。み、皆踊ってなんか楽しそうたのしそ〜〜ああっ、たのしそ〜」

「その他・・・頭のところ、目のところに手を当てている人はいないか」「目のところですか?」

「そうじゃ目のところに手を当てている人はいないか」

「め、めのところ、あっ、めと云うよりも手をなんか、額のところに手を丸めて」

「手を丸めてどうしているのか良くみて見ろ」

「あっこんな感じで、こんなこんな感じで(と私の手を丸くし額に当てる)額のところに手を当てて視ている、皆なんかずーっと、こうして(額に手を当てる)踊りをしていない人は、こうやって上を視ています」

「上を視ているのか、ではお前も同じようにしてみよ」

「ははいっ・・・あっあらっここはどこかしら?」

「何か視えるのか」

「み、視えます。あっ、あらっあなた様が視えます(当相談所)あ、あっあらっ」

「そうじゃお前は今人間界を視ているのじゃ」

「私人間界を視ているのですか?」

「そうじゃ今我の姿を視ているであろうが」

「あっ、ああ視えております・・・わーっカッコいい方でございますね〜」

「カッコいいか、お前口がうまいな〜」

「わーっここ、ここはまた空気が綺麗なところでございますね」

「そうじゃ、お前がそのように手を丸くして人間界を視れば何でも視えるのじゃ。これからそのようにして人間界を視て、タタンの道案内をしてやるがいい」

「わかりわかり、私こんないいとこ、私初めてでございます。ほ、ほんとうにここに居っても宜しいのでしょうか?」

「おう、これからそこがお前の棲みかじゃ」

「ああっありがとうございますありがとう、神様、ああっーあなた様神様でございます。有難うございますありがとうございます・・・」

と大変な喜びようである。

それはそうだろう、漆黒の闇から突然明るい場所にでたのだから。  

それに着いたところが”お花畑”だったのだ。

やはり、天国の傍にあるお花畑は大変綺麗なようだ。  

特に空気と青空、それに多くのヒトタチが踊りを楽しんでいるとは。

まるで夢の世界に紛れ込んだような錯覚に陥るのではないだろうか。

そして額に手を当てて人間界を視るという。

私の相談所まで覗かれるとは思ってもいなかったが。  

それに、天国の傍に棲む皆さん方(魂)の頭上には紐がついていると言っていた。  

その”ずーっと上に伸びた紐”については、人間界に繋がっているものとばかり思っていた、がそうではなかった・・・。  

この紐については思わぬ事から行き先が分かった。

だが、この紐の行き先に付いては後ほど。  

しかし、私の元に駆け込んで来た時のおばあさんは顔面蒼白だったが大蛇を取り除いた直後から、顔に赤みが刺し、元気を取り戻した。  

お見えになった時は息を弾ませ、足を引き摺りながらやっと着いたと云う感じだったが、お帰りになる際には普通に歩いて帰られた。

これで一安心だ。  

そこで

『もう二度と霊に憑かれる事はありませんからご安心してくださいよ』

と云って送り出したのだ。  

だが今回、おばあさんが降りたところは、これまでのご相談者の魂が降りた場所とは少し違うところのようだ。  

何といっても、お花畑で手を繋いで踊っている人がいる場所なのだから。

芳(かぐわ)しい香りのするお花畑に降りたのだ。  

前回お一人の方が”ずーっと先にお花が視える”と言っていた。

と云う事は、今回降りた場所の近くだったのだろうか。

そこは木ではなく、芝生のような緑の綺麗な草が敷き詰められているところだと。  

お花畑のあるところと云えば、死後最初に立ち寄る場所では、と思ったが違っていた。

ここは天国の傍のお花畑だったのだ。  

死後、最初に立ち寄る霊界の待合所(三途の川)にはお花畑の傍には必ず川がある。

今回降りたところには川は無い。

それは待合所よりも遥雲上だからである。  

それに、これまであげた3人の方は一様に芝生のような草が辺り一面を覆っていると云っていた。  

今回のおばあさんとの共通点は、空が青く太陽が眩しいほど照っている、それに優雅な人が笑顔で歩いている、と云うところだろうか。

上記の事からも分かるように、ここは天国の傍であると言う事は間違いないようだ。

だが、例え天国の傍まで上がったとしても降りる場所は人それどれ違う。

何を基準としているのかは今のところ定かではないが、いずれ分かる時が来ようと言うもんだ。  

 何も慌てることはない。

それに浮遊霊や化け物などと云う、忌み嫌われものが棲める環境ではないとハッキリ分かった。

そして、もう二度と憑かれるなどと云う心配もなくなる。  

更に、額に手をやることで人間界を視る事が出来るようになり、自分自身の身体(人間界の)を自在に操る事も可能になった。

本来の魂としての役目を担う事も可能になった。



 

おばあさんの魂を上にあげて3日が過ぎ、もう大丈夫だろうと安心していた矢先、また電話がなる。

「どうしたのですか?」

とお聴きすると

「また足が痛いのよ、先生助けて!」

とおばあさんの悲鳴に似た声が受話器から飛び込んできた。  

えっ嘘だろう!もう霊の居ないところに上げたはずなのに?

と俄かには信じがたい言葉が耳を劈(つんざ)く。

「では直ぐ来てください」

とだけ言い受話器を置く。  

そして”なぜ”・・・としか考えられない。

霊のい・な・い・・・ところに・・・。。。  

だったのではない・・・のか?

私は嘘をついたのか

『もう大丈夫ですよ』と・・・

これまで自分の云ってきた、やってきた事に絶対的な自信を持っていた

「もう霊は憑く事はありませんよ」

と言った事が”嘘”になる。

何と、またナニカが憑いているようなのだ。  

そして足を引き摺りながら、何時もの様に息を弾ませ

『先生助けて!足が痛くて』

と、やってきた。

そのおばあさんのお姿を目の当たりにすると、確かに普通ではない。  

顔面蒼白だ。

自信過剰と思われるほどの絶対的、これまでの経験から裏打ちされた自信、それがガタガタと崩れ去るような喪失感に襲われる。

 いったい”何が起きたのか?”

とただ唖然とするばかりであった。

先日お見えになった時と全く同じ状態。

まるでキツネにつままれたような錯覚に陥る。  

だが、何時までも呆然としている訳にはいかない。

自分のこの無様な姿をおばあさんに見られると余計に不安を与える。

目の前のソファーにはおばあさんが沈み込んでいるのだ。  

この時ばかりは”現実を見極める冷静な判断力”が如何に大事か。    

気を取り直し、まずはお名前を書いて頂き、霊的エネルギーの有無を確認させて頂かなくては、とお名前を書いて頂く。

すると確かに不穏なエネルギーが発している。  

霊の居ないところに魂を上げた筈なのに”なぜ”憑いているのか?

まずこの不穏なエネルギーを出しているモノを私の中に呼び込んでみよう。  

「越野タタン入って来い」

とお名前を呼ぶ。

すると、直ぐに入って来た。

お前はナニモノか!!と追求すると以外にも越野タタンの先祖だと言う。

 えっ!何で先祖がタタンの傍に居るのか?

タタンは天国の近くまで昇っているのに・・・。

この時の先祖と私のやりとりも録音していた・・・・。

「おい、お前は本当に越野タタンの先祖か」

「さ、さようでございます」

「なぜタタンに憑いてきたのか」

「いえっこの越野タタンが、えらい神様に上に引き上げて頂けたものですから(地獄から)私もこれと一緒に引き上げて頂き・・・」

「なに、ではお前もタタンと一緒に居ると云う事か?」

「さようでございます。どうか、神様お認め頂けないでしょうか?」

「お前は本当に越野タタンの先祖か?」

「さ、さようでございます」

「ではお前が本当に先祖なら、前世の仕事を言ってみるがいい」

前世の仕事を聴くことで、ある程度確証が掴める。

「わわ、私百姓でございました」

「では越野家は先祖代々百姓と云う事か?」

「さ、さようでございます。百姓でございます」

「よしでは少し待て」  

 お宅の先祖は百姓と云っていますが如何ですか?

とご相談者にお訊きする。

<はいそうです。うちは昔から百姓でした>

と云う。

ではこれは間違いなくお宅のご先祖さんと言う事になりますね。

<はい>

 おばあさんに憑いていたのは先祖だった。

おばあさんが上にあがったから、自分達も一緒についてあがった、だが自分達は誰の許可も無く上に居る事にいたたまれなくなった、と。

それで足の悪いおばあさんの足を再び傷めれば、また必ず私の元に駆け込んでいくだろうと考え憑いたと云うのだ。  

そして私の相談所に来る事により自分達の正体がおのずと判明し、先祖であることも分かって頂ける。

そうすれば上に棲む許可も頂けるのではないか?と思ったようだ。

とこのように説明すると

<あらーっ・・・>  

「だがお前は良くタタンに憑けたなぁ」

「憑けたと言うより、このタタンが上にあがる時、私達一族にも関わりがあるものですから、一人そのようないいところにあがれたら、私達もあがれるようになっているんでございます。」

「だがタタンはまだ人間界で生きているのだ、お前達先祖とは違うだろう」

「生きているもの、死んだものと言いますが、この越野タタンの魂と私達は大変密接な関係で、いつも繋がりがあるものでございますから、私達はこの越野タタンの魂自体が、どこにどう動くか、全て把握しているのでございます。ですから越野タタンが神様のお陰で天国のようなところに引き上げて頂きましたので、私らも皆ついてあがったのでございます」

「ではあがったのならそれでいいだろう」

「いえっ、それでは私達の居り場がございません。それで神様の下にタタンに連れてきて頂きまして、神様にお認めになって頂けないでしょうかと想っているのでございます」

「では我が認めればお前達はそこに居れると云う事か?」

「さ、さようでございます」

「ではもう越野タタンに害を及ぼすと言うことはないと言う事だな」

「と、とんでもございません、い、今これに私達を案内して頂きたくて、こうやって来ました」

「ではお前達が足の悪いところを傷めていると云う事か」

「い、傷めるつもりはございませんが、そうしないとこれが神様のところにお見えになりませんから、ですから可哀そうだと想いますが、私達の事を知らせる為に、こ、こうやって憑いて来た分けでございます」

「そう云う事か、ならば分かった。それならこの越野タタンに感謝し、今後越野タタンを大事にするがいい」

「だ、大事に、とんでもない、もう大事も大事、神様に次ぐ、もうタタン様タタン様でございます。今後はもうタタン様タタン様とあがめたおして、今後はタタン様タタン様と跪いて尽くすつもりでございます」

「そうかでは今後はタタンに跪いて尽くすというのだな」

「さ、さようでございます。今後は越野タタン様タタン様、私達は神様神様と崇め奉(たてまつ)ろうと想っております」

「よし分かった、それならお前達を認めてやろう」  

おばあさん良かったね、神様になっているよ、と云うと。

<うわーっ、早いねー、先生がしてくれて直ぐ先祖が飛んできたんじゃわー、上からみとんのじゃぁわー、わりいことは出来んなぁ、神様になったなんか?>

と信じられないようであるが大喜びをする。

 私が先ほど記したように、やはり自分達の存在を知らしめるためにおばあさんの足を心ならずも痛めたのだ。

それも自分達、先祖の事を分かって欲しいとの一心からだったようだ。

 「おい、お前達はまだ居るのか?」

「は、はいおります・・・ありがとうございますあ、ありがとうございます、ありがとうございます。タタン様有難うございます有難うございます。やっと認められました。ありがとう、神様有難う、神様有難うこれで認められました。有難うありがとうありがとう・・・」

と感謝の言葉を云って喜び、離れていった。  

<まぁ有難うございます先生。わりいことはできんねー上からみとんのじゃーわぁ私の事を・・・まぁ膝が痛くて痛くて>

結局は越野タタンに憑いて自分達の存在を知らせたかったのだ。  

魂の頭の上に伸びる細い紐は、人間界に繋がっているとばかり思っていたが、そうではなかった。

先祖に繋がっていた。

だから人間界に降りている魂の動きが手に取るように分かっていたのだ。  

今回の先祖の例がいい証拠だ。

地獄の淵にまで落とされていた子孫の魂とも切れる事なく繋がっていたことからにしても。

まぁ当然切れていれば先祖と同じ立場の”霊”という事になるのだろうが。

 いや、同じ立場ではないか、地獄の淵ではなく、中に落ちるのだから。

と云う事は、先祖も地獄の傍に落とされていたという事になるのだろうか?

もしそうなら、子孫のうち一人でも地獄に落とされるようなものが現われれば、やはり先祖も一蓮托生、同じように地獄に落とされると言う事・・・なのか?

当然、子孫が天国の傍まで昇った事により、先祖も天国に上れたのだから。

同じように落ちれば、落ちると云うことになる。

これは魂を引き上げると、その紐に引っ張られるようにして先祖もあがってきたと云うことからも推測できる。  

では、おばあさんが地獄の淵に落ちていた時にはおばあさんのご先祖さんも地獄の近くまで落とされていたという事だろうか。

もし、そうだとすれば、今度は逆に運良く天国まで上り詰めた事になる。  

それは神様の次に崇(あが)めると云っていた事が全てを物語っているのではないだろうか。

ならば認めてやられねば意味がないだろう。  

これでご先祖たちは大手を振って”天国”で暮らすことが出来るようになった。  

余談だが、今生で大量殺人を犯し、死刑になった犯人のご家族の場合も同様に、死後逸れ相応の罪人となる恐れがあると云う事だ。  

万一地獄に落とされるような羽目にでもなれば・・・同じように堕ちる。

またこのような重大事件等を引き起こす影には必ず前世の怨霊が複数絡んでいるのは間違いの無い事である。  

まぁ、どちらにしても、地獄に堕ちる堕ちないは、前世からの怨霊達が決めることになるのだろうが。    

それにしても、殺人事件のような重大な罪を犯した犯人のご家族は、今生にても肩身の狭い思いをしている筈なのに死後にまで地獄の恐怖に晒されるとは、何とも不憫な事ではないか。

どちらにしても不幸のどん底に叩き落すような犯罪者が身内から出ない事を祈るばかりだ。  

だが、身内から死刑、或いはそれに準ずるような重大犯罪者をださないようにする為の手立てはないものだろうか?

万一手立てがあるとすれば、各人の前世を調べる事だろう。

前世の因縁でも憑いていたら即刻除去しなければならない。

重大事件の裏には必ず前世の因縁が関わっているからだ。

いや関わっているどころではなく、率先して事件を起こすように仕向けているのだから。  

しかしおばあさんの

『先生助けてー』

には驚かされるばかりだ。

今回ばかりは本当に自分自身が疑心暗鬼に陥った。

自分の能力に不信感が芽生えたのだ。

『霊のいないところに・・・』

が、だが幸いにも浮遊霊や化け物の類で無くよかった。  

と思ったのもつかの間、翌々日また

『先生・・・助けてー』

と電話が入ったのだ。

なに!今度はナンだ!  

今回は電話だけで

”此方には来なくても宜しいです。此方で対処いたします”

と云って電話を切り安心させる。  

そしてそそくさとお名前を視ると、またしてもナニカが憑いている。  

もうパニック状態、頭がおかしくなりそうだ。

ナンだこれわ!?

その”ナンダ”を私の中に入れ、有無を言わさず即刻引き抜き去った。

もう何でも良かった。

呼び込んで聞くのが面倒くさい。  

前回はご先祖さんだったが、今回は本当に正体不明、あれも”霊”の類だろうか。  

一本抜きが出来たから今回も早期に解決させたのだが、これが前のような状態ならこのように簡単に対処する事は出来なかっただろう。  

それよりも何も

『霊の憑かない・・・』

天国の近くまで引き上げたのではなかったのか?

と云う事は、そこにも霊が居ると言う事になるのか?

となればこれまでの3名の方には今後どのように説明すればいいのか。

『霊の居ないところ』

と云って安心させているのに、こんな筈ではなかったのだ。  

また頭が痛くなる・・・どうしたら良いのか・・・パニックだ。

がともかくおばあさんの魂を呼び込み、今どこに居るのか?

その所在を確かめるのが先決だ。

との思いで魂を再び呼び込み聴いてみた。  

すると意外な事が分かった。

「今どこに居るのだ?」

と私の問いかけにおばあさんの魂は林の中だと言う。

「お前はお花畑にいたのではなかったのか?」

との事には

「少し寝て眼が覚めたら林の中に居たのです」

と云う。

「なに、林の中、では前に居たところか?」

と聴くと、そうではなく林と云っても木は其れほど多くは無い、明るさは雨が降っている時のようなどんよりとした薄暗さと云う。  

ではナニカ憑いていただろう、と聴くと、背中に憑いていて姿は視えなかった、というのだ。

眠っていて気がつかないうちに堕ちていた?

そのような事があるのか、そこで早速もう一度”天国”まで戻してやった。  

がそれにしても突然下に落ちる、などと言うハプニングがあり得るのだろうか?

これは”ハプニング”と簡単に済ませてもいいものなのか

上にあげたのは、まだほんの数人、天国の事情がまるで分からない。  

それはしょうがないが、それよりも今後引き上げる方々にはこのような事態も起こり得る、と言う事だけは伝えなくては。

これまであげた3名の方々の居場所は私が毎日注意深く観察しておけばいい。  

何はともあれ天国で憑かれたのではなく一安心だ。

が木があまりなく、とはどこだろう?

怨霊のいる林でないことは確かなようだが。

木が・・・あまりなく薄暗い・・・と言う事は怨霊の林よりも上になると云う事だ。

そこでナニカに憑かれた?

ワカラナイ、霊が薄暗いところにもいると言うのか?

・・・・これは今後の課題として取っておくしかないようだ。  

昨日の今日、また電話が懸かってくるのでは、と一抹の不安が頭を覆う。

その不安を払拭する為におばあさんのお名前を視て、異常が無い事を確かめた。

すると先ほど

『先生昨日はありがとう。もう元気になりました』

と云ってわざわざお礼をいいにお見えになった。  

やれやれだ、が今後も注意深く毎日所在を確かめなくては・・・。

 新たな能力が目覚めると、その能力に相反する不祥事が起こりかねない。  

さてこの不安を誰に訴えるか、それとも人間のように”神”に祈るか・・・たすけて〜と・・・?  



役に勃たない男を亭主に持った女

次は、7人の怨霊に呪われていた女性の引きあげる前とその後。  

この女性の落とされていた闇とは・・・そして天国への入口まで昇る魂の5人目となる。  

7人もの怨霊に侵されていた50代の女性。

その人生はおぞましいばかりの苦悩の連続であったという。

その苦のどん底に貶めていた怨霊達は今はもういない。

殺された過去の忌まわしい記憶を全て消し去り上にあげた。  

だが怨霊がいなくなった後・・・次から次へと正体不明の化け物に襲われる事になる。

もはや、この化け物から逃れる術は上にあがるしかない・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・今回お見えになった50代の女性のお顔を見る限りに於いては前世の怨霊が7人も憑いている、などとは到底思われなかった。

獲ってもとっても現れる怨霊。

数えてみたら7霊にまで達していた。  

その怨霊の祟りか、これまでの人生全て、と言っても過言でないほど不幸のどん底だったと言う。

が、結婚をしたら今までよりもまだ、もっと不幸になったと。

前世の因縁、怨霊が更に、更に勢いを増して襲ってきたのだ。

そして、愉しいはずの結婚生活を破綻に導こうとしていた。

だが、その結婚相手には7霊を上回る10人もの怨霊が憑いていたのだ。  

この夫は10人全て自分が手に懸けていた。

その報いは言葉では言い表せぬほど残酷で、悲しい運命を背負わされていた。  

共に償えないほどの因果を背に纏い、傍目にはごく普通の夫婦のように見えるが箱の中では想像も出来ない陰惨な暮らしを余儀なくされていたのだ。  

このご夫婦の、まず旦那さんについてかいつまんでご紹介すると、幼少の頃より性器に異常がみられたという。

その異常とは、所謂、勃起不能なのだ。

男として生を受け、幼少の頃から一度も勃起した事が無いという。  

そのような体とは知らずに結婚して、既に20数年。

今だに性交渉が一度もない。

だからといって夫が性に無関心かと言えばそうではないようなのだ。

AVなどには興味があるようでよく一人で見ているという。

だが奥さんの体には指一本触れようとはしない、かと言って離婚を切り出すと”それは絶対認めない”と云うようなのだ。  

仕事はサラリーマンとして、これまで一つの会社で真面目にこつこつ働いてきた。

だが結婚当初より気になっていたことがある、とそれはご主人の立ち居振る舞いが女性のようなのだと云う。

特に最近は少女のような振る舞いをするらしい。  

だからと言ってホモ、ゲイと云う類ではない。

自分の事を”よしこちゃんわね”(仮名)というらしいのだ。

50過ぎの男が・・・・と、そして奥さんもご主人に習い”よしこちゃん”と呼ぶと、普通に<はい>と返事をするという。

お買い物に行くときなども、母親の後を追うようにべったりついて来ると云う。  

この、勃起不能となった原因は前世の因縁(怨霊)にあった。

10人殺害した中には12、13、14歳の少女が三人も入っていた。

この少女達を暴行し、更に刀でお腹を滅多突きにして殺していたのだ。  

また、この少女とは別に18歳ぐらいの女性も暴行し殺害に及んでいた。

この殺された女性達の怨念が怨霊となりとり憑き、勃起不能にさせたと言うのである。  

旦那さんの前世は庄屋のボンボンでありながら刀を差して、まるでどこかのお武家さんのような出で立ちで、金にあかして女を引き連れ、酒場を飲み歩き、まるで遊び人風だったという。

このような前世の事情は、旦那さんに憑いていた怨霊を私の中に入れ私の口を使わせ喋らせた事で分かった事だ。  

女性のような振る舞いをするのは、家の中だけのようであるが、外での事は分からないという。  

この事についてご本人の魂に聴くと

≪男でいると何時揉め事に巻き込まれ殺されるか分からない。だから女のふりをしている。≫と云うのだ。  

前世で傍若無人な振る舞いをし殺戮を繰り返してきた、その罪の深さが恐怖となり同性に対する恐れ、それを避けるために女の子になりきろうとしていたのだ。

本人にとっては自然の成り行きと思ってはいるのだろうが。    

だが、男としての欲望は普通にあり、その欲望を満たす術がない。

これは筆舌に尽しがたい苛立ち、苦しさ、ともすれば発狂してもおかしくは無い。

其れゆえ心の逃げ場として無意識に女を演じているのではないだろうか。

それ程心も体も病んでいると云う証だろう。    

すれ違うミニスカートの女性に眼がいく・・・その時の眼差しが何ともいえない・・・と。

これも怨霊の祟りなのである。



 

次は奥さんの苦悩。    

25歳でお見合い結婚をしたが相手の男は不能者だった。

それが分かったのは結婚後、直ぐの事である。

まさか”出来ない”とは夢にも思っていなかった。

こんな筈ではなかった。

楽しい筈の結婚初夜が・・・そして幾夜待ち望んでも抱かれる事はなかった。  

孫を待ち続ける夫の両親や自分の両親。

耐え切れず母親に告げる「エッ!!」としか返ってはこなかった。

もはや共に暮らすことに何の意味がある。

と離婚を迫り家を出る、が”絶対離婚はしない”と応じてはくれなかった。  

自分としても派手な披露宴をした手前、親兄弟や親族に迷惑を懸ける訳にはいかないと思いとどまり、一旦は離婚を決意したが、それもやめた。

が毎日イライラ、喧嘩の絶え間がない。  

こらえ切れないのが欲情。

どんなに欲しい物があっても我慢はできる。

だが日増しに募る欲情、発情期を迎えた雌猫のように、狂おしい限りの激情にかられ理性の欠片も吹っ飛んでしまった。  

幾ら我慢しようと想っても押し寄せる怒涛の波の如し、高鳴る鼓動。

つい性器に・・・少しだけ、と自分に言い聞かせる。

恥ずかしい、がやがてこれがお昼のお勤めになるとは思ってもいなかった。  

ご主人が出勤した後の静寂な日中。

自分で処理する自慰に慣れ、体が覚えてしまった。

悲しい女の性(さが)。

何とも寂しい虚しい結婚生活の始まりだった。  

初めは、少しでも元気になってよ!と祈る気持ちで、あの手この手で、聞きかじりの試技を重ねてみた。

がうんともすんとも云わない。

時には口に含みもするが申し訳なさそうに頭(こうべ)を垂れたまま。   

だが許せないのは不能者ゆえの異常なやきもち。

買い物に行き、少しでも男の方と話をしようものなら 激しい罵声が飛んでくる。   

いたたまれない・・・家を出なければ・・・・安らぐ場所も無い、もうどうにでもなれ!と外に飛び出た事は数知れない。

が、どこにもいく当てがなく時間を潰してはやむなく家に帰り一人寂しくフトンに入る。  

涙がこぼれる・・・泣いても、幾ら泣いても涙が尽きる事はない。

1年2年・・・10年・・・20年、気がつけば齢50。

嫁いだ時は若かった。

たとえ幾年、齢を重ねても何も変らない。

それどころか年が満ちるにつれ、ますます激しく燃え盛る欲情の嵐。  

今も自分で処理しています・・・。

膣が赤く腫れあがるほど人一倍激しい欲情に駆られ、まるで水を求めて砂漠をさ迷い歩く放浪者の如し、異常とも思える程の渇きに飢え、自分はこれ程までに淫乱な女だったのか?

と嫌悪感を抱かずにはおれなかったという。  

 離婚出来る人が羨ましい。

私はなぜ・・・生き地獄、この世の地獄、これ程辛い思いをなぜ私がしなければならないの、と一人つぶやく。

一人寝の侘しさ、子供の居ない寂しさ、先の見えない不安。

心から甘える事も許されない。

夫は居るのに男は居ない・・・。  

だが、この激しすぎる欲情、異常とも思える激情は全て前世の因縁の為せる禍だった。

口に含ませる事も、手淫も全て前世で殺した7人の中の一人にやらされていたのだ。  

その一人とは女郎(怨霊)の事である。

前世で殺した女郎の復讐だったのだ。

”体は許しても口は許さない”それが女郎の・・・誇りだ、と怨霊はいう。

その、絶対させないと言われる口を使わせたのだ。

がそうとも知らず夢中になって使っていた自分はなんだったのか、まさかこれも祟りだった・・・とは。  

今回の50代の女性に憑いていた前世の怨霊は八か月に渡って全て取り除いた。

この8ヶ月の間には夫に憑いていた怨霊も除けた。

だが安心したのは、ほんのつかの間、今度は次から次に化け物のような得体の知れないモノに憑かれるようになったのだ。  

それも、主なものはやはり大蛇。

怨霊が憑いている頃は”悪霊”もたまに憑いてはいた、が化け物などが憑く事は一切なかった。

怨霊を全て除け去ると不思議と悪霊も憑かなくなった。

が代わりに化け物だ。  

それは旦那さんも同じ。

怨霊を除けると代わりに大蛇や、体中毛だらけの得体の知れない化け物が憑くようになった、それも頻繁に。  

が悪霊が憑く時には化け物は憑かなかった。

と云う事は、悪霊と化け物のひそむ場所が違うということだろう。  

化け物の棲みかと云えば、言わずと知れた地獄の淵を於いて他にはない。

そうだ、夫婦共々別々の地獄の淵に落とされていたのだ。  

さて、その落とされていた場所とは?

更に引きあげた天国とは・・・

これから先は女性の魂が私の口を使い”地獄の淵から天国の傍まで昇った時の喜び”を綴ったものである。



地獄の淵から天国の傍まで  

天国の入口にあげるには魂に何も憑いていないのが条件。

がこのデモ鳥女(50代の前述の女)にはまたしてもナニカが憑いている気配がする。  

この気配から察するに、多分これまでと同じ地獄の淵で蠢く化け物の類ではないだろうか?  

だが今の私には何が憑いていようとも意に返さない。  

ゴボウ抜きにするが如し、抜き去ればいい事だ。  

少し前の私なら”またか”と顔には出さなくても、そのような想いはあった。  

そりゃそうだろう、悪霊などと云われ忌み嫌われている霊などは、僅か2、30分もあれば十分除霊出来る。  

なのに最近では、当方にお見えになるご相談者の殆どに、怨霊は致し方ないとしても、その後に必ずと言っても良いほど、地獄の淵に蠢く化け物が憑いている。  

この化け物を除けるには早くて3,4時間。

長い時は数日〜10数日かかるのだ。  

それ故”またか”と想っても致し方ない事だ。  

前回、福岡からお見えになったご姉妹が”怨霊の方が可愛いかったですね”と云われた。

可愛かった、などと云う言葉がでた背景には、それだけ化け物に苦労させられたと言う強い想いが込められているからだ。

むせび泣くほど、苦しい思いをされた経験があるからだ。  

そのてん、怨霊の場合は私の中で1時間近く、或いはそれ以上になる事もしばしばあったが、殺されるまで、と復讐の経緯(いきさつ)を喋るだけで終わる。

そして全て喋り終え、殺された時のキズを治してやれば気持ちよく、その場から去って逝く。  

その事を思い起こし”怨霊の方が可愛かった”と云う言葉が口をついたのだろう。  

そして今回のご相談者に憑いていた化け物も両手と口を少々動かすだけで簡単に抜き去った。  

これに要した時間は僅か10分たらず。

その後、改めてお名前を拝見しても、もう何も憑いていない。  

さて、これからデモ鳥女の魂を呼び出しどのようなところに堕ちているのか聞いてみることにする。  

「おい、デモ鳥女入って来い、デモ鳥入って来い」

と呼ぶと直ぐに入って来た

「お前はデモ鳥か?」

と聴くが、なぜか頭を下げている

「はい、デモ鳥です」

「お前はなぜそのように頭を下げているのだ」

「あ、頭さげていないと怖いんです」

「何がそんなに怖いのか?」

「ここは目を開けてみると怖いんです」

「そこはどのようなところだ」

「やや、山の中、もう臭くて臭くて、もうなんか血の匂いと云うか、獣の匂いと云うか、ナンかへんなモノがうようよしているのでございます」

「そこに居るモノはナニカ視えるのか」

「み、視えるというより、ここはやみ、真っ暗な闇の中で、ああ、足元にはヒルのようなモノがザワザワ這って、顔にも、私の顔にも這っているのでございます」

「顔に這っていればお前が自分の手で除ければいいだろう」

「そ、それが・・・体が云うことを聞かないのです。だから手が動かせないのです・・・足が、足が気持が悪くても動かせないのでございます」

「そこにはどのようなモノが居ると思うのだ」

「ど、どんな、と云うよりも、もう真っ暗闇で、く、空気が冷たく肌になにか冷たいものが当たるんです。ナニカわかりません。ただ血の匂いが凄くて・・・木、木はいっぱいあるような感じですが、なんかその一本一本の木が全部化け物のような感じで、もう怖くて怖くて目を開ける事ができません・・・私こんなところに、こんなとことろに入ってしまって、殺された恨み?不安で不安でしょうがありません」

「今お前にはナニカ憑いているか?」

「いま、今はなんかあっ、さっきまでけ、毛だらけのおおーきな、おおーきなモノが私の、の喉元に噛み付いておりました。あーっ今も喉元がヒリヒリしております・・・そ、それが突然居なくなったのでございます」

「毛だらけのモノとは動物のようなものか?」

「どど、動物と云うか、な、なんと云うか・・・なにしろ臭くて臭くて獣のようでもあるのですが、なんか獣のようでもない、こ、この世のものとは想えません・・・あっ気持が悪くて、まだナンカそこにバタバタして、なんか後ろからもバタバタザワザワ、また私ナンカにとり憑かれそうで怖いんです・・・わわ、わたしなんとか助けて頂けないでしょうか?」

「ではお前がそこまで苦しんでいるのなら助けてやろう」

「わわっ、あっ、ありがたき・・・どうか、目が開けられなくて、もう顔が痒くて痒くて・・・あーっ気持が悪くてかゆいの、か痒くても掻く事もできない、ああーっ足も痒くて足にナンカ這っております。気持が気持が・・・」    

漆黒の闇、血臭漂う地獄の淵で、デモドリ女の体に這う虫。

この虫のせいか、顔や足が痒くて、痒くてたまらない、早く助けて〜、早く、と訴える。

魂が訴えるように、ご相談者ご自身のお顔、足にも原因不明の湿疹ができていると云う。

足は以前病院で見て頂いたところ、下肢静脈瘤と云われ、この病気の症状としては足が痒くなるのも一つの特徴だと言われたという。

やはり魂の痒みが直接肉体にも影響を及ぼしていたのだ。

それは、魂と肉体は連携しているからである。

「よし分かった今から上げてやる、待っておれ、今そこに居るのか?」

「ああっ気持が・・・吐き気がする・・・ちの匂い血の匂い・・・人間を焼いているような匂い・・・ああっもう、なんもかんも匂いが混ざって、私の体がもう臭くて臭くて、あーっ私を早く助けてくださいませ」 

「よし待っておれ、お前は今は立っているのか、座っているのか?」

「ここ、ここは座る事はできません・・・ずーっと首を吊るされたような感じでぶら下がっているだけでございます」

「なに、ぶら下がっているのか?」

首を吊られぶら下がっているだけと云う事は、絞首刑にされた状態と同じではないか。  

もし、このままの状態で死期が訪れるまで続いていれば、即地獄逝きとなっていたところである。

まさに、地獄に落ちるか、はたまた天国に昇るのか、と明暗の岐路にいたのだ。    

運を天に任せて、ではないが、その通り運を天に任せたのだ。

天とは、言わずと知れた宇宙総帥の事である。

さて、それでは天まで引き上げるとしょう。  

ソファーを立ち、両手を左右に大きく広げ、前とは少し変った動きに入る。  

この動きをする事で、向こう側では首を吊られ地獄の淵に落とされているデモ鳥を一瞬のうちに引き上げるのだ。  

この体操のような一連の動きは僅か数分で終わる。

そして、一旦ソファーに腰を下ろす。  

今度はソファーでまた同じように上半身を動かす。

それは、下から上に何かを引き上げるような両手の動作だ。  

そうこうしていると

「タタ、タスケテ・・・ウッ、グワッ」

と奇妙な声が上がる。  

多分、引き上げるときのショックでめまいでも起こしたのだろう。

が、かまわず続けていると

「タスケテ、タスケテ、タスケテー、ウワーッwwwwwwww、ーアアーッ、タ、タタアーッ、アーツ、アア、アッ、タタタス・・・アアーッうわーっくくくるしーアアッアーッxxxxx〜〜〜〜〜〜・・・・ー・・・あらっここは、ここはどこでしょうか?」  

あれだけ苦しげな奇声を張り上げていたのが、急に静かになり、”ここはどこでしょうか”などと聞く。  

箱のない、超高速エレベーターに乗り、一瞬で数百メートル急上昇したような感覚にとらわれ想わず叫び声を発したのだろう。

天国の入口に着いたご相談者の魂に.....

 「そこには何が視えるのだ」

「な、なにが視えるのかと言っても目を開けられない」

「目を開けてみよ」

「うわーっ目を開けても大丈夫ですか?」

「目を開けてみよ、もう足にも顔にも何も感じないだろう」

「ヒエエッ、かか、顔はスッキリああ、足も・・・め、目をあけても大丈夫ですか?」

「大丈夫だ、目を開けてみよ」

「ヒイエエ、エッあらっここ、ここはどこですか?」

「どうした、お前の周りには何が視えるのだ」

「ななな、なにが視えると云うより、なんか凄いここはキレイ、うわーっ!!!!!ははは、はてしなく、あ青空がどこまでも・・・す、すき通っております・・・うわーっここはすごい!きき、きれーい!わ、私夢をみてる、夢を視ているんでしょうか?」

「夢ではないのじゃ、今お前が現実に着いたところじゃ良く視てみろ、周りに何があるのか」

「うわわっ、分かりました・・・ああっすっごいきれい、空がすきとおって、雲が全くありません・・・あああっすごい、ああ足元には、何かこの花は?みたことがないような小さな花が、小さな花がいっぱいでございます」

「それはどんな花だ?人間界の花に例えれば」

「人間界の花に例える?たとえようがないんです。しいて言えばレンゲの黄色い花のような、そんな小さな花がいっぱい、づーっとづーっと連なっております・・・うわーっ綺麗!あっちょう、蝶蝶が飛んでる。ちょうちょ、ちょうちょが飛んでる」

「ちょうちょうが飛んでいるのか、そこに」

「ちょうちょが飛んでいる、ちょうちょが飛んでいる、ああっむこうに、向こうに、人間がにんげんが歩いております」

「どのような人間だ」

「ど、どんな人間?よ、よくみてみます。うわーっ!、うわーっきれい!綺麗、豪華な豪華なドレスのようなものを着た・・・あああっあれは、男の方と女の方が、てて、手を繋いで、あ歩いて、わっ何人もが、あ歩いてみんなを繋いで丸くなって、なんかダンスのような・・・しております。あっす、凄いすごいすごい、ああ、頭には、この足元に生えている花を、花を巻いて飾っております・・・ああっお、男の人はその花を首に巻いて、みんなにこにこにこにこしております」

「そうか、それは凄いな、でその他には何か視えないか」

「その他?あっ踊ってない方は、なにか目の上に手を当ててなにか視ています。 そしてあっやはり、どこまで視てもお花だらけで、お花畑でございます。あっそこのお花畑でねっころがっている人がおります。あっなんか寝て、寝て手を頭の上に、額のところに手を丸くして、なにかを視ております」

「では、お前も同じように手を額に当てて真似をしてみよ」

「ま、まねをしても宜しいんでしょうか?て、手が動く・・・」

今回は蝶々の飛んでいるお花畑に着いたようだ。

凄い、凄いの連発だ、余程綺麗なところなのだろう。

それに、これまで地獄に居るときには手も動かなかった、と言っていたが手も自由に動かせられるようになった。

「手が動くのならやってみよ」

「わ、分かりました・・・あっ、あらっここは、あらっここは、あらっここは何か部屋みたいです。あっ前に居るのはあ、あなた様ですか?」

「そうじゃなぜ我と分かったのじゃ」

「い、いえっあなた様、光っておられますから、私があの、や闇夜の中に居たとき光が・・・その方が話しかけて、その声とそっくりでございます」

「そうじゃ、お前は、今人間界を視ているのじゃ」

「ええっ私が人間界を、あああなた様をみているのでございますか?」

「そうじゃ、この部屋はどのように感じる」

「どの部屋?こ、この部屋と云うより あなた様の周りは、キンキラキンキラ光って、もう物凄く明るく、この部屋もなんか、も、もう物凄く豪華な、豪華な感じがいたします」  

額に手を当てると人間界が視えるという。

まさか、当相談所を覗くとは、言い訳ではないが物凄く明るく豪華な部屋と云うが8畳ほどの小さな部屋に普通のソファーを置いているだけである。

「そうか、ではもう一度手を当てて周りを落ち着いてみるがいい」

「ははい、やっぱしみんなにこにこして踊って、そしてちょうちょ、ちょうちょがいっぱい、そして小さな子供もおります。小さな子供も物凄くはしゃいで、ここはわりと暖かいので、ここはもう明るくて明るくて、小さな子供がなんか下にある水溜りの水を手ですくって飲んでおります」

「そうか水溜りの水を飲んでいるのか」

「その水は綺麗なのか?」

「綺麗と云うより、ここが違う世界の感じ、もう全てが綺麗で、わ私、わたしここに居ってもいいんでしょうか?」

「そうじゃ我がそこに上げたのじゃ、だからそこに居ってもいいのじゃ」

「ああっ、ありがたき、有り難き幸せにぞんじます。わ私ずーっと周りを視ているとなんか、頭の上に、ほ、細い紐が、細い紐が繋がって上にあがっています」

「そうじゃお前の頭の上にも紐あがっているのじゃ」

「えっ私もあがっている?」

「お前後ろ向いてみろ」

「うしろ?あっうしろ、うしろが視えないんです。私のうしろが視えません」

「うしろが視えないか」

「さようでございます。なぜか体がうしろに向けないのです。前だけ、斜め横と」

「ではうしろにカラダを向けてみよ」

「わ、分かりました。あっ体は前と横には向きます。うしろにはなぜか体がいきません」

「そうだ後ろは視えないのだ。分かったならそれなでいい。後は何か視えるものは無いか」

「みえるもの?みえるもの・・・あっ向こうのそらに、空に、誰かの顔が浮いています」

「顔が浮いている?どのような顔だ」

「あっ、どんな顔?少女のような顔でございます。なんか顔だけがにこにこ笑って私を、み視ております」

「それはお前の姪ではないのか、良く視てみよ」

「め、めい、姪ですか?あけみ、あけみ、あけみ・・・ああっ向こうから私を視ています。さ、さようでございます。なんか、ああっ青空の中にポッカリ浮いて私を、私を視て、にこにこ笑って・・・・ああ、あっわたしあああっあちらに走っていきたい、いい、いいでしょうか?」

「おうでは走っていくがいい。もう二度とそこから離れる事はないから、そこで幸せに暮らせ」

「ああっありがとうございます神様・・・・ああっ」

空の彼方にポッカリと浮かぶ笑顔の少女。

その大空に映える顔は先にあげた姪御さんだった。  

今回上にあげたご相談者は、結婚前に妊娠した17歳の少女の結婚を猛反対していた叔母だったのだ。  

この叔母の必死の願い”姪を助けて下さい”との思いを受け、憑かれていた大入道を外し、先に上にあげていた少女だった。(この少女も地獄の淵に落とされ大入道の化け物に憑依されていた)  

その叔母の行為に感謝し、同じ天国で再び会える事に喜び勇み、笑顔で出迎えに現れたのだろう。

”ようこそ天国の入り口へ”と、その想いが青空に映えたのだ。  

しかし、この喜びもつかの間、この2日後

『物凄く気分が悪いんですよ』

と云って電話が入る。  

また”イヤー”な想いが一瞬胸を覆う。

しかし気を持ち直し

「それは何時からですか?」

とお伺いすると

『上にあげて頂いた、その日の夜ごろからです』

という。  

早速お名前を視ると、やはり異様なエネルギーが発している。

この霊的エネルギーの主を私の中に呼び込み、一応念を入れて感触を確かめる。

 が念が通じないのかビクともしない。

ならば、と伝家の宝刀ではないが、有無を言わさずゴボウ抜きにする。

僅か10分足らずの仕事だ。

 これは悪霊などの類でない事は確かだ。

それは念を入れた時に感じる手ごたえで分かる。

この手ごたえが化け物と同じだったからだ。

だが今の私に化け物であれ何であれ、もはや敵ではない。  

それより、天国の入り口まであげた魂にまたこのような類が憑いていた、それが問題なのだ。  

化け物が憑くと云う事は、化け物の棲む場所に落ちたと言う事だろう。

この事につきご相談者の魂を呼び出し事情を聴くと

「何か分かりませんが、お花畑を散策中突然堕ちたのです。其処はやはり前と同じように真っ暗闇なところでした。前と少し違うのは、何かひろーい空間のようなところでした」

と云う。

 どこかに突然堕ちた?

更に何が憑いていたのか、と聴くと

「毛だらけのようなものでした」

と、やはり化け物がいるところに堕ちていたのた。

”なぜ”突然堕ちたのだ?

と問うと”ナニカに引っ張られた”と云う。

 前回、おばあさんが落とされたときは先祖の作用であった。

今度は”なぜ堕ちたか分からない、が 何かに引っ張られたようだ”という。

では、そのような異物が”天国”には居ると云う事なのか?  

当の私も全く訳が分からない。

まだ未知の世界だ。

何れにしても人間の魂を天国の傍にまで引き上げるなどと云う神業は誰も成しえる事ではない。

それを私がやってのけたのだ。

 まぁ当然、宇宙総帥としては備わるべき能力だったのだろうが。

だが”落とされる”など云うハプニングが起きるとは想像もしていなかった。  

いずれ堕ちる原因も判明するだろう。

と云う訳でもう一度天国まで誘ってやる事にする。  

そして新たに、ご相談者の魂を上に引きあげた。

それは、そのまま天国に入る入り口のようなところなのである。

と云う事は死後、天国逝きを保障されたも同然なのだ。    

地獄の淵にぶら下げられていた魂が、あろう事か”天国”へと上り詰めたのだ。  

まるで乞食から社長に抜擢されたようなものだ。

いやまだ桁の違う話だ。  

さて上にあがった魂の居場所を聞いてみるとしよう・・・。

「其処はどこだ」

「ここは先ほどと同じ花畑でございます」

「花畑か」

「ははい、本当に綺麗なお花畑でございます」

「前と変わりはないのか」

「前と変りません」

「お前はなぜ堕ちたか良く考えてみろ」

「なぜ堕ちたか私も分からないんですが・・・」

「何がお前を落としたのか?落とされる前はどうだったのか、良く考えておけ。その原因を早く掴まなくては、また落とされるぞ」

「わわ、分かりました、大変申し訳ございません。何が私を落とすようにしているのでしょか・・・わ、分かりました。良く周りを調べてみます。万が一堕ちたら、その時はまたお願い致します」

「分かった。堕ちたらまた上げてやる。その代り良く調べておけ」

「ははい分かりました。それじゃ有難うございました」  

と云って、堕ちた原因は不明のまま上にあげた。  

だが、また翌日

「体がおかしいのですが?」

と連絡が入る。

失礼だが、この方の声が受話器から飛び出すと、一瞬”ハッ”と心臓の鼓動が止まったように凍りつく。

 ”またか!”と、これが条件反射とでもいうのだろうか。

やはり、また”おかしい”と云うのだ。    

私の心臓が高鳴るように、ご相談者も、再三プッシュを押す事に余程の抵抗があるのでは、とご心情察する。

お互い、この”窮地”から抜け出すには”堕ちる原因”を一刻も早く掴む事が第一だ。

 体がおかしいと云う事は、また暗闇の淵に落とされ化け物にでも憑かれているのであろう。  

先ず、その化け物をとり除き、ご相談者の魂を再び呼び込み落とされた原因をみつけなくては。  

ご相談者のお名前を呼ぶと早速化け物らしいものが入って来た。

だがこの化け物は難なく除け、落とされているご相談者の魂を呼び込む。  

「おい、お前は誰だ」

「デモ、デモトリでございます」

「お前また堕ちたのか?」

「ままま、また、堕ちたのじゃないんです。おお、落とされたみたいです」

「落とされたのか?どのようにして落とされたのだ。お花畑の中から」

「おお、落とされるというより、何かこう、紐のようなものを引っ張られたように頭から落ちるんです(頭頂部には細い紐のようなものが上に伸びている)」

「頭から落ちると云う事はお前の頭に伸びている紐を引っ張られたと云う事か」

「さようでございます。それが一気に引っ張られた感じで・・・」

「と云う事はお前の先祖が引っ張っているのではないのか」

「さ、さようでございましょう。私の先祖でございましょう。先祖だと想います」

と魂は云うが、本人は嫁いだ身であり、旦那さんのご先祖とはまだ縁が薄い筈だが?

「先祖と云う事はデモの方か?(嫁ぎ先の苗字)」

「いや、デモではないような・・・私の母方、母方の先祖ではないでしょうか?」

「母方の名前は何と云うのだ《新内(仮名)、とご相談者》新内と云って居るがどうだ」

「新内、多分そのご先祖の皆さん方が不遇な暮らしをされているのではないでしょうか。ですから、私とはもう縁が薄い為、私の前に出る事ができない、だけど私との縁は切れてはいないのです。ですから私に何かを知らせたくて引っ張ったのではないでしょうか?」

「そうか、よし分かった、では一応お前を上にあげてやる」

と云い上にあげてやった。

天国にあがる時の気持ちはどのようなものなのか?

とそれも聞いてみた。  

すると

「あがる時は一気にスーットあがるもんでございますから、もう血が、血の気が一気に下がるような感じです」

あがる時の気持が多少は分かった。

やはり高速エレベーターに似ているのであろうか。

 さて、それでは本当に母方の先祖が絡んでいるのか確かめてみよう。

母方のご先祖と云えば、殆どと云っても良いほど縁が薄くなっている筈だが、まだ繋がっていると云う事だろうか。  

と云う事は頭の先から伸びる紐は、蜘蛛の巣状に縁者、先祖全てに繋がっていると云う事になるのだろうか。  

デモドリ女のお名前を呼び先祖を呼び出す

「お前は新内の先祖か?」

「新内園子(仮名・ご相談者の母親)の先祖でございます」 「どうしたのだ。あまり良い暮らしはしていないのか?」

「いい暮らし?大変厳しい暮らしをしております。あ、あなた様はどなた様でございましょうか?」

「我の事はいい、お前は新内園子の顔は知っているのか」

「顔?顔でございますか」

「そうじゃ、お前の子孫であろうが新内園子は」

「新内の顔は存じてはおりません。私達・・・ここは寒いところでございます。みんな食べる物も無く飢えております」  (先祖は、子孫からご仏壇を通して飯を供えて頂かねば食べる事は出来ない。霊界には飯など食べ物は一切無い。故にこのように飢えて訴えるような状態に陥るのだ。)  

「そうか、ところでお前はデモ鳥を知っているのか?」

「さささ、さようでございます。さようでございます」

「さようでございますと云う事は知っていると云う事か」

「ああっ、さようでございます・・・ああっ、やっと、やっと私達の気持ちが分かった、通じたのでございましょうか?」

「そうじゃ、お前がデモ鳥を引っ張り落としたのであろうが」

「さささ、さようでございます。も、申し訳ございません。わわ、私達は縋るところがもうどこもありません。そそ、それでデモドリとはまだ縁が、かか、完全に切れた状態ではございません、この鳥、鳥が上に引きあげられましたものでございますから、わたし、そそ、それを私、私達の存在を分かって欲しいと想いまして、鳥に大変悪いと想いましたが、ひ、引っ張り落としたのでございます。ももうしわけありません」

「ではお前はどうしてもらいたいのじゃ」

「わわ、私達は、あ、あなた様、トリをあげていただきました神様でございますか?」

「さようじゃ神じゃ」

「あああっ、それは恐れ多くも、恐れ多くもお手を煩わせて、たた、大変申し訳ございません」

「そりゃそうとお前は人間界にいた頃の仕事は何をしていたのじゃ」  

このように人間界の仕事を聴くのは間違いなく新内の先祖か確認するためである。

「わたし・・・わたくしども侍でございました」

「なに、では新内家は代々侍だったと云う事か」

「ささ、さようでございます。さ侍でございました。私侍大将をしておりました。しかし、こちらに来て食べるものも無くなり、寒いところに固まって棲んでおります。ただ、誰に縋っていいものか全く分からなかったのでございます。ところがトリがデモと一緒になっておりますが、わわ、私達との縁がまだ繋がっておりましたもので、上にあがった事がすぐ分かりました。このまま見失えば、私達の事が永遠に分かってもらえないのじゃないかと想いまして、縋(すが)って下に落としておりました」

「そうか、ではどうやったらお前達は飯が喰えるのか」

「あーあっ、有り難き、わたし、私どもの願いが、か神様にお届きになりありがたきしあわせに、有り難き幸せにぞんじます」

「では新内園子にお前達の飯を供えるように頼むか」

「さささ、さようでございます。も、もしそれをして頂けるならもう私、一切何も云う事はありません。そ、それをして頂けますか?どうかそれをお聞かせ願えませんでしょうか」

「ではトリに聴いてみよう」

≪うちの母はもう年ですから無理です。≫

とご相談者はいう。

「ではお宅が新内家の先祖に飯を供えて頂きたい」

とお願いする。

≪あっ私の家からでも出来るのでしょうか。もし出来るのなら私がお供え致しましょう≫

とご相談者は快諾した。

「おい、新内家の先祖出てくるがいい」

「ははい」

「もう新内家はお年寄りだから、そのような事は出来ないといっているぞ」

「ささ、さようでございますか」

「ではどうするか」

「かか、トリ様に頼るしかございません」

「おい、お前にとってトリは、トリ様か?」

「さ、さようでございます。かか、神様から上に引き上げられるほどの人材でございますから、わわ、私達一族にとっては大変誉れ高い神様に順ずる方でございますから、わ、私達は神様と崇め奉ります。神様と崇め奉りましょうと想っております。もし宜しければでございますが、一回だけで宜しいでございますから、トリ様に私ら、私ら先祖、縁が薄い先祖ではございますが、一度でいいから腹いっぱいになるまで飯を頂けないでしょうか。それをいって貰えないでしょうか?」

「今我の前に居るのじゃ、我の中から視てみるがいい、視えるか」

「みみ、視えております。かか、トリ様、恐れ多くもトリ様、か、神様に順ずるトリ様、有り難き幸せにぞんじます。どうぞお情けでもお情けでも宜しいですから、どうぞ新内家の先祖、先祖に施しを施しを、宜しくお願い致しますお願い致します」

≪はい分かりました≫

「おい、今聴いたか」

「ああっ今聴いておりました」

「ならばお前達の、飯の供え方はどうするのじゃ言ってみよ」

「ああっ有り難き有り難き・・・これから何時もトリ様の傍におりますから、トリ様のご自宅の小さなお椀で宜しいですから、 ご飯と水を台の上に置いて頂きまして”先祖代々皆様がたどうぞ頂いてください”と声に出して云うようにして頂ければ、そしてそこの場所に」

「6時間だな」

「さ、さようでございます。ろ、6時間その場所に置いて頂きましたら、私達それを頂き上にあがりますので、今後は二度とトリ様を、トリ様を引っ張るような事はいたしません。これからは神様、神様と崇め奉りましょう。今後トリ様、先祖、至らぬ先祖、縁の薄い先祖ではございますがどうぞ、どうぞ末永く私達の事を心にお気にとどめお願い致します。そ、それでは神様、神様ご迷惑を、神様有り難き幸せに存じます。宜しくお願い致します。トリ様を宜しく・・・」  

前世の侍大将が、これ程子孫に頭を下げるとは思ってもいなかった。

一般的に先祖が子孫に対して頭を下げるなどと云う事は絶対ありえない事である。

 如何に上にあがると云う事が名誉な事か。

更に”神に順ずる人”とまで、先祖に言わしめた事からでもご推察出来るであろう。  

それだけ天国にあがるのは至難の業、というより上がれるような人は皆無と云っても過言ではないのだ。  

前回のおばあさんの時も先祖が降りてきて    

”今後は神様に順ずる人と崇めます”

と云って平身低頭におばあさんに頭を下げて逝ったのを覚えておいでだろうか。    

先祖は敬うべき尊い方なのに、その先祖から敬われる立場になったとは・・・

”凄い”を通り越して快挙と云ってもいいだろう。  

人間界でありえない御伽噺の世界、絵空事を現実のものとする私の偉大さが少しは分かって頂けただろうか。

 嘘のようであるが、これも全て真実なのである。  

後日また、今回のご相談者からお電話が入った。  

お話をお伺いすると、やはり前と同じです、と云うのだ。

あれ程喜んでご相談者に憑いて行った先祖が、まだ離れず憑いていたのだ。  

その訳を聴くと

『まだ飯を頂いていないのですが・・・?』

と云う。

あれから、既に3日が経っていると云うのにまだ飯を喰っていないと云うのだ。  

ご相談者に、ご飯はお供えしましたか?とお伺いすると

”間違いなくお供え致しました”という。

その供え方をお聴きしたが、別におかしなことは無い。

なぜ飯を食べていないのか、と改めて先祖に聴く。

と、ご相談者に憑いて帰ったのはいいが、家の前で待っていたと云うのだ。

 家に入れていなかったのだ。

お盆になると、ご先祖さんをお墓までお迎えに皆さん行かれると思う。

そして家に着くと”さーお入りください”と言わなくては入らないのをご存知だろうか。

それと同じで”どうぞ”との一言が無かったばっかしに、外で待ちぼうけをくわせる結果となってしまっていたのだ。

結局”おあずけ”状態にしていたのだ。

何時まで待っても”お入り”の声が懸からず、またご相談者に憑き自分達の存在を知らしめたのだ。

私の言葉が足りなかったばっかしに大変可哀想な事をした。  

それに

『また調子が悪いのですが』

と電話が懸かってきた事にも恐れ入ったが。  

そして、今度は間違いなくご飯を食べたのか、と聞くためにご先祖を再び降ろすと

”腹いっぱいになり、食べ過ぎて動けないものまで出る始末です”

と大変喜んでいた。

その後、今のところだが恐怖の電話は懸かっていない。



 

さて次は   前世で10人もの大量殺人を犯したご主人についてである。  

前世で大量殺人を犯したご主人は果たしてどのようなところに堕とされているのであろうか?

ご主人の魂を呼び出し聞いてみよう。

 だが、呼び出すにあたって、これまで憑いていた怨霊や”魑魅魍魎”の化け物を全て取り除く事から始めた。  

そして、全ての因縁がなくなりご主人の魂を呼び込む。

「お前はデモ鳥夫(仮名)か」

と入ってきたものに聞くと。

「ははい、デモ鳥夫でございます」

「今お前には何も憑いていないか?」

「な、ナニも憑いていない?ふ、不思議な感じでございますが」

「そこはどこだ」

「ここ、ここはもう真っ暗闇でございます。もう体中に何かが這っております」

「お前手で振り払えばいいじゃないか」

「て、手で除ける?か、カラダが動かないんです」

「足元はどうなっているのだ?」

「あ、足元でございますか」

「そうじゃ」

「もう水溜りなんでございます。み水が膝のあたりまで、もう体が冷たくて足がフヤケテおります」

「手はどうなっているのだ?」

「手はうしろで縛られている感じで、全く身動きがとれません」

「周りはどうなっているのか」

「周りは真っ暗闇で何も視えません」

「お前はそこから人間界は視えるのか?」

「人間界ですか?わ私が人間界が視える?それは上をじーっと目を瞑って、上をじーっと視ていると人間界が視えるのでございます」

「では我の前に居るこの女は視えているのか」

「み視えております」

「これは誰だか分かるか」

「わわ、私の妻でございます」

「この妻に対しては何を感じるか」

「な、何を感じるか?わわ、私自分が男でない(不能)、だから物凄く後ろ暗いんでございます。 で、ですから今は私が女のようになって、今はこの妻に甘えております。そしたら妻もわりと嬉しそうで”いい子ねー、いい子ね〜”と云って私を褒めてくれます。ですから私ずーっとこの妻には女の子でいようと想っています」

「そうか、お前は女の子で居りたいのか」

「さようでございます」

「ではお前はこちらが良く視えていると云う事だな。上を向けば良く視えると云う事か」

「さ、さようでございます。ですからもう男は怖くて、もう男になろうとは想いません。男になったら何時殺し合いが起きるか分かりませんから、もうあのような事はしたくありませんから(前世での殺戮)いい子に、いい子になっておきたい、なっておきたいと想っております」

「よし、ではもう一度聴く、お前の周りには何があるのだ」

「ま、周りは闇夜でございますが、ここはもう殆ど地獄と一緒でございます」

「木や林はあるのか」

「き、木、木と云うよりも、ここはもう何かわりと水の中と云う感じで、もう水溜りと云うか、沼のような感じございです。周りには何があるか分かりません。ぬ、沼のような感じでございます。もう気持ち悪くて気持ち悪くて」

「お前は前世で何人もの人を殺しただろう」

「ささ、さようでございます。その祟りでここに落とされているのでございます」

「お前は後悔しているのか」

「後悔して二度とあのような事はしたくありません。で、ですから女に女になりたいのでございます」

「だから女になりたいと云う事か」

「さ、さようでございます」

「お前”立つ”ものも立たないんだな」

「さ、さようで・・・もうこれがもう悔しいんです。ですけど今ではこれ(男性自身)が云う事を利かなくて良かったんじゃないかと想っております。もしこれが云うことを利けば、また私は他の女に、私が前(前世で暴行殺人)したような事をしでかす恐れがありますから、今では”立たなくて”安心しております」

「よし、分かった。お前が本当に過ちを悔いているのなら上にあげてやる。本当はお前はあげたくなかったが妻の願いじゃ。妻に感謝するがいい」

「ああっありがたきありがたき、本当に私夢のようでございます。ああっわたし、私本当に夢のようでございます。本当に上にあげて頂けるのでしょうか?」

「そうじゃ今から上にあげてやる」

「ああっ、有り難き幸せです」

「その代わりどこに上がるか分からんぞ」

「ああっ、どこでもどこでも宜しいです。ここから離れられたら、もうどこでもいいです。どうぞ宜しくお願いいたします」

「よし分かった待っておれ」  

実は先日、このご主人の魂を呼び出していた。

その時、堕ちている場所、その辺りの雰囲気などを事前に聴いていた。

そして

「助けてーたすけて〜〜」

と云う声を尻目に無視をしたのだ。

なぜ、その時に助けなかったのか?

と云うと、たとえ前世とは言え10人もの罪の無い百姓や町人、少女、果ては、我が女房まで殺していたのだ。

そのような男を助けたいとは思わなかった。  

確かに、その殺された人々の怨霊は消え、罪も無くなったとは思うのだが、やはり心情的に許せなかった。  

10人も殺め、地獄の淵まで落とされていた魂を、あろう事か天国にまで昇らせる事など出来る筈がないと思っていたのだ。  

その時も奥さんには”お願い致しますから上げてください”と何度もお頼みされたが、頑なにお断りしていた。  

だが今回、ご相談者であらせられる奥さんがお見えになり土下座までして、”助けて頂けないでしょうか”と哀願されたのだ。  

そこまでされては、とこれまでの行きがかり上助けない訳にはいかなくなった。

だが、せめてもの抵抗のつもりか”どこに上がるか分からんぞ”と、心にもないような言葉が口をついて出たのだ。  

そして切なる願(ご夫婦)いに応え上にあげた。  

着いた先で

「そこはどこだ?」

「ここは山の裾野のようなところで、づーっと広いんですよ、は、果てしなくづーっと広いんですよ、木とかは何にも無くて、く草が、緑の草が一面にづーっと広がっております。そして物凄く明るくて空気の綺麗なところです」

「山の裾野と云う事は、傍に山があるのか?」

「や、山はづーっと向こうに視えております。そのなだらかな傾斜がここまでづーと続いて、まだ下の方まで続いているのです」

「何か他には視えるものはないのか」

「ほ他に視えると云うよりも、ただひたすら、ひろーいところに私が居るような感じです。ただ向こうの方に人間のような人が・・・あっ居りますねー、な、何か向こうにおって、なんか、あーっなんか食べ物を焼いているのですかねーなんか煙が出ております・・・あーっ、何かいい匂いがします。あっなんか肉かなんか焼いているような匂いがする」

「お前が居るところまで匂いが届くのか」

「さ、さようでございますねー・・・はぁーきれいなところですねーここは、ここはどこでしょうかここは」

「ここはどこでしょうか、と云われても我も分からん。お前が降りたところだろう」

「わ私今まで夢を視ていた、あらっ、足ももう綺麗になっている、あらっ手も自由に動く、あらっ?」

「後は何が視えるのだ、良く視てみろ。大きな石などは無いのか」

「石でございますか、石などは視えないのです。なんか背丈の短い草があり、そして風が、ちょうど気持ちのいい風が吹いております。うーん季節で云えば春のような感じですねー春ですねーここはいいところでございますねー」

「他には人間は居ないのか」

「に人間ですか?いやっ、あちらに何か皆集まって食べているような感じです・・・ああっあっちにも居りますねー あっあっちにはなんか女の方と男の方がなんかえらい楽しそうに、なんかこうハイキングに来ているような感じで、何か物凄く楽しそうでございます」

「そうか、そんなに楽しそうか。ところでその人間は近くに視えるのか、それとも遠くに視えるのか」

「うーんみためはわりと遠くになんですが、こうじーっと視ればわりと近くに視えるんですよ」

「そうか、では今人間界は視えるか、上を覗いてみろ」

「に人間界ですか?いや人間界は視えないんですよ」

地獄の淵に居るときは上を視ると人間界が視えると言っていた。

「では額に手を当ててみよ、視えないか?」

「額に手をですか、あっああ視えます・・・あっ、あらっ私の前に妻が居りますね」

「そうかそうすれば視えるのか」

やはり地獄と天国では、人間界を視る方法が違うようだ。

「みみ、視えております・・・あらっこの部屋は、これは家の中ですか」

「そうじゃ我の部屋じゃ」

「ああっさようでございますか、神々しいお部屋でごいざいますねー何かお部屋の中がピカピカピカピカ光っておりますねー」

「そうか光っているか、よしではもう少し周りを視ているがいい」

「わわ分かりました・・・いやーここは綺麗なところです。何ともいいようがありません」

「先ほどいたところはどうだったのか」

「いやー先ほどの事は言わないでください。もう背中になんか虫とか、なんかもう気持ちの悪いところでございました。あそこに私、ずーっと居ったのでございます」

「だがお前には侍などが憑いていただろう。その時はどうしていたのだ」

「さ、侍もおり、いやあの時はですねーもうちょっとあそこ(地獄の淵)ではなかった感じがするんですよ。あの時はなんか林の中のような感じでしたけど、ああいうものが居なくなって気がついたら、私だけここ(地獄の淵)に居たんですよ。あの水溜りの中におったんです。あそこはもうなんとも知れないところでございます。 沼のようなところでございます」

「そうか、では今からお前はそこで暮らすのだ」

「ああっここ、ここが私の暮らすところでございますか」

「そうじゃそこがお前の暮らすところじゃ」

「ああっありがたき幸せにぞんじます。ありがたき、あ、あなた様、かか神様でございましたよねー」

「そうじゃ神じゃ」

「ああっ有り難きしあわせ、私の、私の妻を、妻をありがたき幸せにぞんじます。今後とも妻をどうぞ宜しくお願いいたします。わ私が何も出来ませんから・・・つまを、妻をどうぞ宜しくお願いいたします・・・しつれい失礼致します・・・」

と妻を気遣い宜しくと云って離れて逝った。  

今回、ご主人の着いたところは、山の裾野のように、なだらかな傾斜が果てしなく続く地。  

30cm程の背丈の綺麗な緑の草が辺り一面に生えているという。

まさにハイキングにうってつけの景色のようである。  

驚く事に焼肉をしている人も居たという。

煙があがり匂いまでするとはリアルな事だ。  

そこは、わりと庶民的な感覚の持ち主が集まる場所のようであり、暖かい地方の、ゆったりとした時の中に身をまかす豪族の方々の姿が頭をよぎる。

牛馬は見当たらないようだが、ここは天国の傍でも少し下に位置するのではないだろうか。

これまで上にあがった人達とは少し違うようだ。    

共通点としては、広い緑の草原、空気が綺麗、人間が皆楽しそう、と、また食べ物は豊富そうだ。  

これまで食べ物類の話は一切出てこなかったが、今回は食べ物が出てきた。

それも焼肉だ。  

食べ物と云えば天国にしかない。

唯一、子孫から供えられなくても食べ物が豊富にある場所なのだ。

天国では食物や飲み物が自在に手に入る。

更に空気がとても新鮮だと云う。

共通の環境と云う事は、ご主人の着いた先もやはり天国の一部に違いないようだ。  

天国の傍に着いた翌日、ご主人のお名前を視ると、やはりまた不穏なエネルギーが発している。

と云う事は、また闇夜に落とされ化け物にでも憑かれたのだろう。  

今回も落としたのは先祖に違いない。

先祖以外に天国にあがっている魂を落とせるものなどいないからだ。  

これは、ご相談者である奥さんやおばあさんの例をみれば明らかな事である。

今回ご主人の魂を天国の傍まで上げた事はご本人は全く知らないのである。

それどころか、奥さんが当相談者に訪れている事すら知らせていないのだ。

死後、気がつけば天国に・・・と云う事だ。  

さて化け物を取り除き、ご主人の魂が今どのようになっているのかみてみよう。    

私の中に呼び込んだ魂に

「おい、お前はデモ鳥夫か」

「は、はい、デモ鳥夫でございます」

「いま、何処におるのだ」

「いえっ、ここはどこか分かりません。真っ暗闇でございます。うう、うっ何がなんだか分かりません」

「何がなんか分からんと云うが、今お前にナニカ憑いていただろう」

「なナニカ?多分あれは、へ蛇ではないでしょうか、私の、か、体中が締め付けられるように、もう身動きとれませんから・・・」

「そこには木や林はないのか」

「ここは木とかは何も視えないのですが、ただなんかひろーい感じでございます」

「足元はどうなっているのだ」

「あっ足元、足元には水はないんです。水は無いしただもう・・・ひろーい、何かひろーい荒野の中に、なんか落とされたような感じです」

「そこは広い荒野ののようなところか」

「さようでございます」

「そこには他にナニカ居りそうな気配はあるか?」

「ほ、他にと云うより全く音がしないんですよ・・・突然飛びつかれたような感じになりましたから」

「お前、上にいたんだろう。天国の近くに」

「ああっおりましたおりました。」

「どうしてそこから堕ちたのだ」

「ど、どうしてかは分かりません。突然後ろ髪を引っ張られるようにして”ドーン”と堕ちたのでございます。き、気が付いたらここにおりました。ま、まだ真っ暗闇で何がどうなっているんか全く分かりません」

「ではお前を落としたものは誰か分からないと云う事か」

「だ、誰か分かりません」

「良く考えてみろ。誰か頭に浮かばなかったか(インスピレーション)」

「あ、頭に、頭に浮かんだのは、なんかデモの先祖かなんか分かりませんが、鎧兜を着た、それが何か頭にポッと浮かびました」

「そうか、ならばそれが先祖かも分からないな」

「さ、さようでございますかねー私の先祖は侍だったのか、侍かな?」

「では、今からまた上にあげてやる」

「あっありがたき幸せに・・・い、今、今話したのは私の女房でございますか?」

ご先祖さんの事をご相談者にお伺いした事を聞いていたのだ。

「さようじゃ、お前の女房から上にあげてほしいと頼まれたのじゃ」

「さ、さようでございますか『ありがとうね、あんたにいっつも私迷惑ばっかしかけて、ご、ごめんなさいね。 だけど何時か必ず恩返しが出来るから、また肩がこったら肩を揉んであげるし、あ足が痛いときはまた揉んであげるからね。ご、ごめんなさいね、ありがとう、ほんとうにありがとう。もうお礼しか言えないわーっ、それじゃ失礼しょうごめんね』」

と突然奥さんに向かって女性のような語り口で話し掛ける。

実際に肩を揉んでいると言う。

喧嘩三昧の日々からえらい変貌ぶりだ。

 「よ、宜しくお願い致します」

と頼まれ”よし少し待て”と言い、元の場所に戻してやった。  

そしてデモ鳥夫の名前を呼び先祖を呼び出す。  

私の中に入って来たナニカに

「お前は誰だ」

と聴くと

「デモの先祖でございます」

「デモの先祖か」

「さようでございます」

張りのある声で矍鑠(かくしゃく)と答える。

「お前は前世、仕事は何をしていたのだ」

「私は侍、侍でございました」

ご相談者の母方の先祖とは大違いだ。

母方のご先祖も侍大将と云っていたが、やはり向こうでの長い飢餓の暮らしに心身共に衰えていたのだろう。

「お前は鎧兜を付けているのか?」

「さようでございます。こちらに居ても何時戦いがあってもいいように心がけておるのでございます」

「そうか凄い事だな。ところでお前が子孫の夫を落としたのか」

「お、落としたと云う訳ではございませんが、私の子孫、夫様が、突然かみさまに、神様に呼ばれ上にあがり、神様の僕(しもべ)のようなところにいかれたものでございますから私達、戸惑い、私達はこれからどのようにしたらいいか、どうしたら私達だけこちらで、夫様が神様に順ずる上の方にあがられ私達一族、今まで私達、子孫のオット、子孫を見守ってまいりました。私達も一緒にあげて頂けないかとお願い致したくて、夫様をちょっと、ちょっと失礼ではありますが下に降りて頂いたのでございます。あなた様は神様でしょうか?」

「さようじゃ我は宇宙総帥と云う神じゃ」

「あああ・・・・おそれ恐れ、おそれおそれ・・・か神様にこのような、このような横柄な口、横柄な口、ああ・・・神様もし宜しければ、わ私達一族も上にあげて頂けないでしょうか?」

「よし、お前達の子孫であるデモ鳥夫も上にあがった以上、お前達も上にあがるべきであろう。のう〜」

「ささようでございますか。あ、有難うございます。で、では私達も夫様と一緒に上にあがっても宜しいのでしょうか」

 「おうそうだ、上にあがるがいい。ところで今後夫はどうするつもりなのだ」

「いえっ、どうこうも夫様です。わ私達一族の神様になられる方でございますから、今後ともオット様に付き従っていく所存でございます」

「そうか、では今後オットに従っていくと云う事か」

「か、神様と崇めていきたいと想っております」

「よし、分かった。ではお前達もあげてやろう。皆一緒にあがるがいい」

「あああっ、ありがたき幸せにぞんじます。ああっ、有り難き幸せに存じます」  

と云う事で先祖全員上にあげる事となった。

それにしても、天国の近くまで昇ると云う事は、物凄い栄誉な事のようだ。  

私としては、ただ成り行きにまかせただけなのだが・・・。

 確かに人間の魂としては、意図して昇れるような安易な場所ではないとは思う。

生きとし魂の最高の位置に到達する事になるのだ。  

ましてや先祖からは永遠と”神様”と崇められる立場になったのだ。

更に死後、そのまま天国にいく事になり、二度と人間界に降りる事もなくなったのだから。

それも知らぬ間に・・・。  

では上にあげた先祖達はどのようなところに着いたのか聴いてみよう。  

「ウウウウウーッ、ウーウウウウウワワワワwwwwwwww・・・・」

上に昇る時にかかる重力は如何程か?

はて、あの世のものに重力は関係あるのか?

それにしても、何時もながら昇る時の声は凄まじいものだ。  

さて静かになったが着いたのだろうか、上に居るオットを呼び出し先祖の事を聴いてみるとしよう。

「デモ鳥夫居るか」

「ここ、ここにおります」

「そこはどこだ」

「先ほど上にあげて頂いたところと同じところです」

「そうか、お前の先祖もそこに居るのか?」

「先祖の姿は視えませんが私と一緒にあがったと想います」

「そうだろうな。先祖は霊界、お前は人間界から上にあがったのだから同じところでは無い筈だ。」

「さ、さようでございましょうねー先祖は私に”有難うございます有難うございます。神様神様”と私に跪いている姿が浮かびあがりました」

「そうか、それは良かったな、今後はもう二度と落ちるでないぞ」

「落ちるも何も、私こんないいところ、ほんとこんないいところに居って、ほんと大丈夫なんでしょうか?また私天罰かなんか喰らって、もっと悪いところに落ちるんじゃないかと不安で不安でたまりません」

「それはもう心配する事はない、そこがお前の棲みかじゃ。お前は今後未来永劫、其処に棲み続けるのじゃ」

「ああっ、有り難き幸せにぞんじます。かか、神様有り難き幸せに存じます。か神様私のつまに、妻に一言礼を云わせて頂けないでしょうか」

また女房に何かいいたいようだ。

「お前はなぜここに女房が居るのが分かるのだ」

「いえっわ私頭に浮かんでいるんです。 ですから私は目を閉じて、あ頭に浮かんで、そ、そしてあなた様の、く口をお借りして、そしてあなた様の中に入らせて頂いて、そしてあなた様のお顔から、私の妻を視ているのでございます」

「そうか、ならば我は何に視えるのだ?」

「ああっあなた様は光としか視えません。そしてあなた様の光が私の体をスッポリ纏っているのでございます。ですから私が目を閉じたら、あなた様と同じ形に目の前の様子が視えるのでございます」  

人間界からでは、私の中に入って視ているようだが、向こう側では私のオーラーとでも云うか光に包まれ、その光の中から外をみると丸い出窓のような空間があり、そこを覗くと人間界が視えるようなのだ。  

「そうか、では我の視るもの全てお前にも視えているという事だな。よし分かった。それでは女房と話をするがいい」

「ああっ、ははい、わわかりました分かりました。大変すいません。少しの時間で結構でございます」

「では話すがいい」

「は、はい・・・『お、お姉さんごめんね、あっお姉さん、お姉さんと私言いたかったの。お姉さん何時も私の面倒ばっかし懸けて、面倒かけてほんとうに私ごめんなさいと想って、い、いつかお姉さまの役に立てるような、いい妹になると想っております。特にこんなところに上げて頂き、もうどうしていいか分かりません。ただこれからはお姉さまに、お姉さまの云うことに、ただ付き従い、そしてお姉さま毎日楽しい人生を送りますよう私も共々お姉さまに協力して毎日笑顔で、お姉さまと会話が出来るように努力したいと想っております。宜しくお願いします。今回は本当に有り難き幸せにぞんじます。ありがとうございます・・・それじゃそれじゃ・・・もう時間がありませんから失礼します・・・』か、神様もう宜しいです」  

とご相談者の奥さん、自分の妻に”妹”として有難うと感謝の言葉を述べた。

それをお聴きしたご相談者の目には涙が・・・また感謝の言葉を述べて居る時も私の裏声を使い女性になりきっていた。

本当に心から女になりたいのだろう。

小さな声で

≪ありがとうございました≫

とご相談者。    

先祖の様子を聴こうと思って呼び込んだのだが思わぬ方向に話が進んだ。

まさか女房に日頃のお礼を云うとは。

 さて改めて先祖を呼び出してみよう。  

「デモ鳥夫の先祖、降りてこい」

「こここっ・・・私達こんな、こんなとこ、こんな神々しいとこ、うわわわぁあ、こんな神々しいところ・・・わわたしら生まれて初めてでございます・・・あああっここは、ここは素晴らしいとこでございますねーここは、あーっ本当にどこを視ても、どこを視てもキラキラ輝いて・・・神々しいところでございますねー、ああっこんなところにー私達、私達一族が居って私、私の一族のオット様、本当に一族の誉れでございます・・・こ、こんな素晴らしいとこ、素晴らしいとこに私達を導いて頂きありがたき幸せに存じます」

「そうか、そこが気にいったか」

「気にいったも何も、もうこんな、こんないいとこはもうありません・・・ああっ素晴らしい、素晴らしい」

「お前の居るところと、オットのおるところは違うだろう」

「さ、さようでございます・・・わ私達はわたしたちは、此方のくに(あの世)から此方にきました、オット様はまだ人間界にいらっしゃられる、場所が違うのでしょう。ここは最高でござます」

「そこはどのようなところだ」

「ここは、ではまず視得るところから云います。ここは色んな、黄金の、黄金の家が至る所に建っており、皆黄金で出来ております」

「なに、全て金か、ではそこは天国ではないか」

「さ、さようでございましょう、ここは天国でございますねー」

「そうだ、黄金の建物と云えば天国なのだ」  

やはりオットも人間界に誕生したものとしては最高の位置、天国の傍まで昇っていた。                         

この不出来な子孫のお陰で、先祖は黄金の国、天国に引き上げられたのだ。  

不出来な子孫を持ったから天国にあがれた、とは世の中とはそのようなものだ。

何が幸いするか分かったものではない。  

このご夫婦にお互い怨霊が憑いていた頃は、敵同士の如く毎日喧嘩に明け暮れていたが今では嘘のように仲良くなったという。  

それも妹を見ているようにと、ご相談者は云う。

だから土下座までして救いたかったのだろう。

更にあれ程激しかった、たぎる様な欲望ももかなり失せたようだと。  

後日、またご相談者から電話が入る。

”主人が私もまた・・・・?”と調べるとやはり先祖が憑いていた。

両家の母方である仏壇からの供物が全く無く飢えに苦しんでいる、何とか施しを頂けないでしょうかと云うものだ。  

それを知らせる為に両人に憑いたのだ。

だが、これ以上、先祖に構う事はできない。

キリがなくなる。

と言う事で無視をした。

この事から察するに世間には供養されてないご先祖があまりにも多すぎるのではないだろうか。  

天国の傍まで昇ったと知れるや、この時ばかりと縁の薄い先祖までもがたちまち縋りついてきたのだ。

少しでもあやかりたい、と子孫に。

この様子をみると人間界も霊界も殆ど代わりがないなぁ、と少々悲哀を感じる。  

これ以降、これまで五名の方を天国の傍まであげたが霊はもちろんの事、化け物にも一切憑かれる事はなくなった。

私の”霊の憑かないところ”と言った約束は守られた。

 人間の魂に憑依する霊は浮遊霊だけでなく怨霊、更にその下に潜む化け物、妖怪の類まで居る事が地獄の淵に落とされていた数名の魂のお陰で判明した。  

世間で言われている悪霊などは水辺の淵に浮かぶゴミ程度でしかない。  

その深淵に妖怪辞典から抜け出たような真の化け物が潜んでいるのだ。  

今回初めて地獄の淵や天国の近くを覗く事が出来た。  

地獄の入り口では、ヌラヌラと蠢く血の海や不気味な沼の朽ちた木々が手招きをしているが如く待っている。  

天国は、と云えば澄み切った青空に綺麗な空気、緑の草原、お花畑と極楽浄土を絵に描いたような世界。  

今回はその両極端の一部を垣間見ただけである。

今後も上に引きあげを希望される方が引きもきらさずお見えになる事だろう。

其の度また違う地獄や天国を覗く事になるのだ。  

絶える間のない前世の罪に脅かされている人間。  

その方々のほんの一握りの”幸運な人”が天国に誘われる。    

本編の欲望の描写は、創作ではなく、怨霊がご夫婦の日常の性戯を事細かく話したもを録音し記述したものである。

 今回登場する、化け物にとり憑かれ地獄の淵に落されていた方々を、天国の傍まで引き上げた。

は信じる、信じないは貴方の勝手だが・・・全て事実である。


最後までお読み頂き有難うございました。
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