心霊なんでも相談室

宇宙総帥相談事例6


今回のご相談者はタウンページに掲載されている、当方の心霊なんでも相談室を見てお電話を掛けてきた、という。

 お話によると、これまで、年に数回、ある女性霊媒師の元に通っていたという。

”なぜ”その霊媒所に通うようになったのか、その理由をお聴きすると、足や腰が痛く、杖なくして普通に歩く事も出来ず、病院に行ったが原因不明と云われ、どうしたものか?と困り果てていたところ、ある知人が”凄い霊媒師が居る”と紹介されお祓を受けるようになったのが始まりだという。  

そこでは”霊が憑いている”と云われ、行くたびにお経を上げてお祓をして頂いた、と云う。  

だが、その霊媒師からは、何時も除霊ができました、と云われるが、外に出ると、また再び霊にとり憑かれていたと云う。  

この霊媒師の所には数年間、十数回は通ったが何も解決しないまま同じ行為の繰り返しをしてきたと云うのである。  

これではきりがない、と他にどこか信頼出来る所はないかとタウンページを捲っていたところ、当方の”心霊なんでも相談室”が目に飛び込んだと言い、そこで早速電話をしたのだ、と云う。  

さて、果たして足腰の痛む原因が霊的世界から解明されるのであろうか。  

たとえ解明されても、長期に渡り患部が傷ついた状態で放置されていたとすれば、霊的作用が解決したとしても一朝一夕に元の正常な状態に戻るには時間を要するのではないだろうか。  

多分、多少痛みは軽減するとは思うが。

それでは、早速霊的観点から探ってみよう。

それには、まずお名前を拝見し、霊的エネルギーの有無を確かめてみなければならない。  

そこで紙面に記されたお名前を拝見する、とやはりお名前から霊的エネルギーが出ている事が確認された。    

だがこの霊的エネルギーはご本人から直接出ているものか、或いはご住所、お住まいから発しているものか、今のところ定かではない。    

そこでご住所も書いて頂いた。

するとやはりご住所からも、お名前と同じエネルギーが出ている事が分かった。

と云う事は、ご相談者のお住まいされている土地にも因縁があると言う事が分かったのだ。    

先の霊媒師の方は、家に問題があるなどとは一言もいわなかったようだ。  

その旨をお話すると、大変驚かれ『えっ家が悪かったの!』とビックリされる。

がまだ、この時点では家だけと決め付ける訳にはいかない。  

まず、この土地から霊的エネルギーを出しているもの、多分数百年前の土地の持ち主だと思うが、その持ち主を呼び出し、障りを出すのをやめさせ、今後一切関わる事を禁じる。    

或いはこの場所から撤退させ霊界に昇らせる。

そうする事により、今まで出ていた不穏なエネルギーはたちまち消えさる筈だ。  

その後、再びお名前を拝見し霊的エネルギーの有無を確認する。  

もし、万一除けたにも関わらずエネルギーが消えていなければ、ご相談者ご自身が何らかの霊に憑依されていると云う事になる。

では土地に潜んでいるものを呼び出すとしよう。

それには、ご住所を読みあげ私の中に呼び込まなくてはならない。  

早速、記載されたご住所を読みあげる。  

 「別府市・・・町・・・番地・・・アパート・・・号、ここに潜んでいるもの出て来い。別府市・・・・アパート・・・号、ここに潜んでいるもの、出て来い!」

と呼ぶとすぐさま私の中に入って来た。  

「おい、お前がここに潜んで居るものか?おい、お前がここに潜んで居るものか?と聞いているのだ。返事をせんか!」

と云うが私の首を傾げるだけで返事をしようとはしない。

そこで無理やり応えさせる為、両手で手印を組、頭上に掲げ念を入れる。

すると掲げた瞬間2,3秒であろうか、堪らず叫び声が上がる。  

「うっ、ヤヤヤメテヤメテください!!ヤメテクダサイマシヤメテ!」

「やめてくれ!?」

「ヤヤヤメテクダサイマセ」

「お前が返事をしないからだろう」

「サササヨウデゴザイマスカ」

「では今から聴く事に全て応えるか?」

「は、はいお応えいたします」

「では、お前は前世の仕事は何をしていたのだ?何をしていたのじゃ」

「わわ、わたし、侍でございました」

「侍か、ならばなぜここに居るのだ?」

「こ、ここは、私の屋敷です」

「なに、屋敷か」

「さようでございます」

「お前は我の前に居る女人を視た事はあるか?」

「み、視た事あるか?と云うよりも私の屋敷の中に勝手に入ってきてうろうろして居ります」

「ではこの女人が家の中でどのような動きをしているか喋ってみよ。お前は良く視ているのであろうが」

「よ、良く視ています。こ、この女人は足を引き摺りながら部屋の中をうろうろして居ります。殆ど、私が視ている時は、殆どこの女は横になって何か視ております(テレビ)」  

土地に潜む数百年前の持ち主は、部屋に住む人間は視えても家具等は全く視えない。

丸い枠のような中に、住んでいる人の顔や体がぼーっと翳んで視えるだけ。

更に一歩屋外に出れば自分が生きていた頃と全く同じ景色になると云う。  

「殆ど横になっていると云う事か」

「さようでございます。そして何か食べる時だけ足を引き摺りながら、なんか起き上がって、なんかごそごそやって、なんか食べては独り言をなんかぶつぶつよく言っております」

「独り言をいっているのか?」

「さようでございます。良く一人でぶつぶつぶつぶついっちゃ、なんかかんかいっちゃ食べてまた横にごろごろごろごろなって、大体それが日常みたいでございます」

「そうか、ではこの人間の癖とかは視た事あるか?」

「く、くせと云うよりも、こ、この女人は、何時も体を掻いていますネー、か、体がかいいのでしょうかねー。足やら、なんか背中に手をまわして、何か体を良く掻いております」

「そうか、よしちょっと待て」



   

如何ですか?と、ご相談者にお聴きすると

<えっその通りです>

ではこれがお宅に潜んでいたのですよ。

<うっ・・・うわーっ>とビックリ。

だからお宅の事を良く知っているでしょ

<・・・うん。それではこの人が私の腰やらを悪くしているのですか?そして、歩けないんですよ>

では少しお待ちください、その事も聴いてみましょう。



 

「おい、今聴いたか?」

「き、聴いておりました」

「ではお前が腰や足を悪くしているのか?」

「わわ、私はこの人間にとり憑いて、ようするにこの家から追い出すようにはしております」

「では足腰は関係ないと云う事なのか?」

「さようです。わわ、私はこの人間にとり憑いていつも、イライラさせております。ですからこの女、いつも家の中に居る時は、いつもイイライラライラして”私どうしてこんなとこで生きているのやろうか?もう早く向こうに逝きたい、早くどこかに逝きたい、もう何時までもここに居ってもしょうがないから”と良くそのうようにぶつぶつ云っております」

「ではお前が足腰を悪くしていると云う分けではないのだな」

「わ、私は足腰は悪くはしてはおりませんが、こ、この女人には他のなんかモノが憑いておりますネー」

「なに、他のモノが憑いているのか、それは人間か動物か、どちらだ?」

「なんか、人間と云うよりもなんか乞食のようなものが憑いておりますネー」

「乞食か?」

「さ、さようでございます。そ、その乞食が足やらなんか腰が悪いみたいです。それがこれに憑いて同じようにしているのですよ」

「そうか、よし良く分かった、少し待っておけ」



   

お宅は何時も家の中でイライラしていますか?

<している。もうここが痛いから、もう(腰に手を当てる)落ち着きがないんよ、今云うとおり。もう早いとこあの世に逝きたい。高いところから飛び降りたらね、楽になるち、私いつも独り言を云うんよ」と言うご相談者。

では、この怨霊にご飯をお供えして、今後手出しをさせないようにしましょう。

ご飯のお供えはできますか?とお伺いする。

<はいできますよ>



 「おい、今聴いていたか」

「聴いておりました」

「お前に飯を供えさせるから、飯じゃ」

「えっ、わ私おまんま頂けるのでしょうか、おまんまを」



<お神酒もさしあげるから>

と言うご相談者にお神酒は駄目ですよ、とお断りする。

あの世のものは、お酒など、アルコール類は一切口にする事はできない。



「おお、おまんま・・・」

「おうそうじゃ、お前におまんま供えるように云っておるから、おまんまを頂いたら、二度とこの部屋には手出しをしてはならんぞ。そして今度はこの部屋を守ってやるがいい、分かったか」

「わわ、分かりました」

これからは部屋を守るように、と命令する。

 ”禍転じて福となる”ではないが、今後は家の守り神となるのだ。

これで部屋から出ていた霊的エネルギーは完全に消える筈だ。

 だが、この部屋に潜む前世の土地の持ち主は”イライラ”させ家から追い出すようにしてはいたが足腰の痛みには関わってはいなかった。

それどころか73歳のお年寄りに乞食の霊が憑いていると云う。



さて次は”乞食が憑いている”と言っていたが、その乞食とご相談者の間には前世でどのような”どろどろ”とした事件が起きていたのだろうか。

その経緯(いきさつ)を聴いてみよう。  

数百年前に遡って・・・

ご相談者の切なるご要望である、足腰に関わる因縁が必ずここで暴露されるのではないだろうか?

再びご相談者のお名前を呼び、ご相談者ご自身の魂を呼び込む。

 「越野タタン入って来い越野タタン入って来い」

と呼ぶと、直ぐにご相談者の魂らしきものが私の中に入って来た。

しかし、入って来たものはご相談者の魂でないことはすぐに分かった。

私の呼びかけに無視をしているからだ。  

これは多分、前世の因縁、怨霊であろう。

だが、この前世の因縁はまだ私の事を知らない、その為直ぐに入って来たのだ。

たが入ったが最後、出るに出られぬ袋小路、では無いが捕らわれの身になるとも知らずに・・・。    

しかし、私に捕らわれた方が本人の為にはなる。

復讐は途中で残念しなければならないが、それに見合った報酬は受けられる。

その報酬とは、死に至ったキズや痛みが完全に消え去り、殺された事や、その殺された相手の記憶まで消されてしまう、と言う破格の報酬が待っているのだ。    

そして”普通に死んだ”人々が逝く霊界の入り口まで運んでもらえるのである。

これほど良い事はないだろう。  

対して殺された人間が目覚めるところと言えば薄暗い怨霊の林である。

此処は、至るところに死臭が漂い、首や手足、或いは顔が半分しか無いものから、腹からはヘビのように腸がクネクネと飛び出したものまで、まるでお化け屋敷に出てくるような連中がそのままふわふわと辺りを彷徨っているようなところなのである。  

それに比べ霊界の入り口、通称三途の川は、生前の暮らしぶりにもよるが大変のどかな場所。  

たとえば花畑の中や、浅い川の中、或いは石ころだらけの場所、と降りる所はまちまちだが、それでも怨霊の棲家のような血なまぐさい場所よりは遥かに安住の地と言えるだろう。   

まぁ安住の地とは言っても、霊界に棲む身内が迎えに来るまでの、ほんのひと時だが。

それでも、その一瞬の安らぎは得られる筈だ。   



では、ここで本題に戻そう。   

ご相談者のお名前を呼ぶと私の意図しない前世の因縁らしきものが入ってきた。

その因縁に

「お前は越野タタンか?」

と再度聴くが無視をする、そこで 両手で手印を組、頭上に掲げ念を入れ、口をこじ開けにかかる。  

すると、間髪をいれず

「ヤヤヤメテクダサイ・・・」

と叫び声をあげる。

更に「ヤメテクダサイマセヤメテクダサイマセ」

と哀願するように。

「ヤメテくださいではない。越野タタンカと聞いているのにお前が無視をするからだ」

「いいや、無視ではございません。何が起きたのか?ととまどっていたのでございます」

「お前は、男か女どっちだ」

「わわ、私は女でございます」

「女か?」

「さ、さようでございます」

「お前はなぜこの越野タタンに憑いているのだ」

「な、なんでと申しましても、私この女が原因で、こ、こっちに来たのでございますよ」

「なに、この女が原因でそっちに逝ったと云うのか」

「さ、さようでございます」

「お前は前世では何をしていたのだ。仕事は?」

「わ、私仕事と云いましても、こ、乞食でございますから」

「乞食かお前は」

「さ、さようでございます」

「この越野タタンは何をしていたのだ」

「こ、これはあるお屋敷の賄(まかな)いをしていたようです」

「賄いか?」

「さ、さようでございます」  



 

あなたは前世で賄いをしていたようですが、お料理は好きですか?

とご相談者にお訊きする。

<料理は好きです>



 

「ではこの女は賄い婦だったと云う事だな」

「さようでございます」

「ではお前との関係はどうなのだ」

「わ、私との関係はでございますネー、まぁ関係といってもたいして関係はありませんけど、私達乞食は毎日毎日、おまんまの”おめぐみを〜”と言ってお屋敷、お屋敷を、一軒一軒周るのでございます」

「あぁそうかおめぐみに周るのか」

「さようでございます」

「お前達はいつも何人ぐらいで周っていたのだ」

「わ私は、私達には仲間が居りまして、いつも3、4人ぐらいで周っておりました」

「そうか3,4人で周っていたのか」

「ささ、さようでございます。そ、そして私、この女のお屋敷に、わ私、私達皆で”お、おめぐみを〜おめぐみを〜〜”と裏の木戸を叩いて言っていたんでございます。い、いつもなら、この女が、直ぐ木戸を開けて”おめぐみを〜”と云えば、ここのお屋敷で喰った後の残りをバケツに入れて持ってくるのですよ。そ、それを私達のかごに入れて、それを川原に逝って、川原に小屋を建てているんですが、そこにござを敷いて、み皆で鍋に川の水を入れて炊きなおして食べるんですよ」

「おおそうか、ところで残り物とはどのような物だ」

「お、お屋敷の残り物と言っても、さ魚の骨とか、野菜の屑とか、そのようなものでございます。そう言うものをもう一度鍋で煮て食べるんです」

「そうか、骨とか野菜の屑を食べるのか」

「さ、さようでございます。それでも、私達にとっては、だ、大事なおまんまでございますから」

「ああ、そうか」

「そして、その時は、いつもの事でございますから、この女の居るお屋敷に逝って、おまんまを貰って帰りまして、それを食べたのはいいんですが、また次の日も、次の日も、いつもずーっとお屋敷を周って、それでもおまんまのおめぐみが足らなかったので、またこの女の居るお屋敷にお伺いしたんですよ。そ、そしたらこの女が、同じように出てきて”おめぐみを〜、おめぐみを〜”と言いましたところ、この女はいつもと変らず、お屋敷の方々、皆さんが喰った後の残りをくれたので、それを頂いて帰ろうとしていたのです・・・そしたらこの女が、わ、私達を追いかけてきて”おいあんた、待ちなさい!”私ら≪あっ、なんでございましょうか?≫と云ったら、この女が、”あんたら、もううちのお屋敷には来ないほうがいいよ、うちのお屋敷はお侍さんの偉い方が来るから、あんたなんかが来ると匂いが出るから、臭くなると裏の匂いが、お屋敷のお座敷まで匂いが入ると、お侍様方が嫌な顔をなさるから、お屋敷のご主人様もそのように言っていますから、あんたなんか、もううちには来ないでください”ちいったんですよ。で私なんか≪さようでございますか、それではどうもすいません≫と云ってその日は帰ったのですが、やはり・・・」

「その季節はいつごろだったのか?」

「季節は、寒い冬でございました。体にむしろ纏って、むしろかけて、あ、頭からむしろかけて、そしてだんごのように皆でくっついて歩くんでございますよ。そして、もうあのお屋敷にはいかれんなぁ〜、と云う事で、もう仲間と”あのお屋敷に逝くのはやめよう”と云う話になって、そしてまた次の日も、やはり同じように”おめぐみを〜おめぐみを〜”と各お屋敷を周っていたのでございます。で、ですが想う様におめぐみが入らないのでございます。私達いつも3人とか4人で廻るのでございますが、一人分ぐらいしかおめぐみが入らないものでございますから、まぁそれでも一人分を皆で分けて川の水を沸かして、その日は腹も減っていたのですが、そのまま寝たのでございます。そして次の日も”おめぐみを”逝くのですが、同じように入らなくて、そしてその日は山に逝って木の根っこを掘ったり、草を食べたりして腹のすいたのを癒しまして、そ、そして次の日も周るんですが、やはり”おめぐみを〜”と云っても、は、入らないのでございます。それでしょうがないから、この女のところにまた逝ったのでございます。そして木戸を叩き”おめぐみを〜”と云っていたら出てきたんです。出てきたのはいいが、こ、この女は木戸のつっかい棒を持って出てきたのでございます。この女、体が大きくて力が強かったんでございます。そして私達”おめぐみを〜”と云うのを『こらっ待たんか!こらっ!!』と云って、その木戸で私達の体を叩いたのでございます。私、背中から腰から足から、もうこれ以上動けん、と云うぐらい叩かれて、みんな叩かれて、そして寒い冬の時、這って、みんなで這って川にある小屋まで帰ったのでございます。そしてそこで火を焚いて寝ていたのでございますが、気がついたらこっちに来ていたのでございます」

「ではお前達は夜中に死んだと云う事か?」

「さ、さようでございます。ですからこの女が、結局私を殴り殺したのでございます」

「今この女の顔は視えるか?」

「み、視えております」

「前世の顔と今はどうだ?」

「む、昔の顔と?今の方が年をとっておりますが、同じような顔でございます。体は大きな体でございましたから」

「よし、少し待っておれ」



 

前世は力が強かったようですが、今どうですか、とご相談者にお訊きする。

<いや、今は持てれん>

いや、健康な時ですよ

<うん、まぁまぁそらぁ>

体も大きかったようですが?(今もお年のわりには大きい方だろう)

<うんうん>とご相談者。



 

「で、お前は今復讐をしているのであろうが?」

「さ、さようでございます。く、悔しくて悔しくて、腹が立って腹が立って、こっちに居っても体中が痛くて・・・腹が減って、体中が痛くて、今もこの女にとり憑いて一緒に寝ております。私、足や腰や体中が痛いものでございますから、寒さが酷くなると、足が疼いて歩けなくなります。その時この女も同じように痛くさせているのでございます」

「足をやられたから同じようにしていると云う事か」

「さ、さようでございます」

「その他にはどのような事をしているのだ」

「そ、その他には、私達乞食で、みんなの家を”お、おめぐみを〜おめぐみを〜”と歩いておめぐみを頂いている身でございましたから、この女にも、苦しい想いをさせております。ですからこの女も食べ物を食べる時にいつも喉に詰まらせるようにして、やっと食べておりますよ」

「そうか」

「さようでございます。今これを食べておかないと何時食べれなくなるか分からないから”なんとかして食べんといかん、なんとかして食べんといかん”と想って食べておりますよ。く、喰うのに真剣になっておりますよ。それは私達が今食べないと何時食い物が入るか分からんと云う気持ちと同じような気持ちにさせているのでございますよ」

「そうか、では少し待っておれ」



 

今食べておかないと何時食べれなくなるか分からない、と云う不安な気持ちになる事はありますか?とご相談者に。

すると<あっ、そうそうそうそう。今あるある>と云う。

<腰がわりいのと膝がわりいのはみなそうなんじゃな>とも。



 「その他にはどのような事をしているのだ?」

「その他と云うより、私達乞食は、いつも肩身の狭い想いをして、人様の目を逃れて生きておりますから、やはりこの女も人との仲が上手くいかないようにしております。ですからこの女、いつも孤独でございます。なにがあったか自分でも分からないでしょうが、いつもなんか孤独で”私どうしてこんなに人との付き合いができないの?”と不思議でならんといつも悩んでおりますよ」

「そうか、では少し待て」



 

 今の言葉は如何ですか、人との付き合いが出来ないと云うことに関しては

<うん、そう、あのねー、同じアパートでもねえうまくいかんのよ。あまり仲良くならんのよ>

そうですか、では、もうこの怨霊をのけるようにしましょうか?

<はいできたらお願いしますよ>



 「おい、今喋っていた事(ご相談者と)は聴いていたか」

「ははい、分かりました。私をのけると言う事ですか?」

「いや、そうではない。お前が木戸で殴られた、その痛む体を治してやろうと云っていたのだ」

「さようでございますか。この女からつっかい棒で想いっきり叩かれましたから、もう体中が痛くて痛くて、寒くて、痛くて、もうどうしようもありません」

「だからお前のその痛む体を治してやろうと思うのだ、どうだ」

「・・・なな、治す、あなた様お医者様でございますか?」

「医者ではない、我は宇宙総帥と云う神じゃ」

「かかかか、神様でございますか?そそ、そのようなご冗談を、あなた様そのようなご冗談を云っては駄目でございます」

「冗談かどうか、お前の頭の上には何があるのか?」

「わ私の頭の上でございますか?ウワーッ!!まま、眩しいんでございますよ、と突然私のこの上に光が降りてきて、今も私の体を光が照らして、眩しくて眩しくて動けないんですよ」

「だから、その光が我なのだ」

「ああ、あなた様、お光様でございますか?」

「さようじゃ、我がその光じゃ」

「あっ、あもう・・・あなた様の声が、この光の中から耳に聞こえて、私、ど、どうしたんだろうかと想っておりました」

「我の云った事が分かるか、我は光じゃ」

「ああ、あっ分かりました。神様でございます・・・さようでございます。ああっありがたき有り難き、有り難き幸せに存じます」

「ところでなぁ、お前の、その殴られたキズの治療代をこの越野タタンが出すと云うのだ」

「えっ・・・かか神様、治療代が掛かるのでしょうか?」

「そうじゃ、たとえ我は神でも今は人間界に居る身じゃ、人間界と言うところは金が無いと生きてはいけないのじゃ」

「さ、さようでございますねー神様、おお気持ち良く分かります。人間界には私も乞食で生きていましたから、お、お金が無いとおまんまも食べれないし、き、着る物も着れません。で、ですから私乞食をしておりました。か神様、お気持ち十分分かります。わ私のこの体を治すのに、この女が治療代を神様にお供えするのでしょうか?」

「そうじゃ、この女からお前の体を治して頂きたいと金を預かったから、お前の体を治してやるのじゃ」

「うわーっ、あっありがたき有り難き・・・か神様ありがたき」

「我に感謝するよりも、この殴り殺した女も大変後悔している。だからお前の治療代を出すとまで云っているのだ。その気持ちを少しは分かってやれ、そして許すと云う気持ちになり、怒りを解いてやれ!」

「い、いやっ怒りを解くと言うわけにはまいりませんが・・・まっこの痛みがなくなれば、もうこの女に憑いていると云う事は致しません」

「そうか、だが我がお前のキズを治すと、これまでの、この女との関わり、その全ての記憶までなくなるのじゃ」

「えっ、わ私忘れてしまうのでしょうか?」

「そうじゃ、今お前の居るところは血なまぐさいところだろう」

「さ、さようでございます。ここはいつも霧が深くて山の裾野のようなところで、木がいっぱいありまして、寒くて寒くて、もうあっちこっちから血の匂いがして、首の無いものや、体が半分になったものや、そんなものがフラフラフラフラしております。ほんと不気味なところでございます」

「そうだろう。我がそこから引き上げ、普通の人間が逝く場所に連れていってやる」

「そ、そんな事が神様出来るのでございましようか?」

「そうじゃ、この女のお陰でお前と会う事ができたのじゃ。もしこの女と会っていなければ、お前とも出会う事もなかっただろう」

「さ、さようでございますか。うーん、まっ難しいでございますネー、こ、この女に感謝する?私この女からタタッ殺された訳でございますから、タタッ殺されたものに今更、体を治してやると云われて”ありがとう”と云う訳には逝きません。な、なにか分かりませんが、か神様にお任せいたしますから、どうぞ体をお治しくださいませ」

「良し分かった、では今から治してやるからそこにおれ」

「ああっ、わわ、分かりかした分かりました」

「そこに居るのか」

「ははい、ここに控えております」

「よし、ではそこで待っておれ」

「ははい、あ足が痛くて杖がないと歩けないのでございます」

「そうか、杖が無いと歩けないのか」

「はい、さようでございます」

「ではこの女(ご相談者)と同じではないか、杖が無いと歩けないのわ」

「わ私と同じですから、私と同じようにしています。杖を持たせて歩いております。そしてこの女も夜中になると、いつも足が疼いたり、背中が寒くなったり、と色々させております」

「では今人間界は真夏で、大変暑いが(8月)この女は寒気がすると云う事か?」

「さ、さようでございます。私寒いもんでございますから、この女どんなに暑くても、背中だけはなんか、うすら寒いような気がする筈です。それも聴いてみてくださいませ」



 

今、怨霊が話したように背中が寒いような気がしますか?とご相談者に

<クーラーを入れても前から当たるようにしています>

と、やはり背中がなんとなく寒いような気がすると云うのだ。  

と言う事で今から体と記憶を無くす術をしよう。  

死に至らしめた無数の殴打痕と記憶を無くす術は、やはり最初は左右の両手を回転させる事から始まる。  

その後、連続した両手の動かし方や酸素の吸入、排出などをするが前とはやや変わる。    

更に記憶を消す為、キズが治った時の”ありがとうありがとう”の連呼も消え、同時に治療の際の、あの激しい激痛、叫び声を聴く事もなくなった。  

そして”船が来る!”とせわしなく立ち去って逝くのだ。  

壁を背にして立ち上がり何時ものように両手を回転させる。

があの世では怨霊の頭上に降りた光(私の魂)が体全体をスッポリ覆いつくしている筈だ。    

此方では両手を動かしてはいるが、前とは随分違うゆったりとした動きに変わった。  

私の魂に、私の体を自由に動かせるよう何も考えないで全てを委ねる。  

もし考えるとしたら、此方の動きで向こうはどのようになっているのだろうか?と想像を巡らせる程度だ。  

”神”とは云っているが、此方では普通の人間であり、何とも頼りない男なのだ。  

昔の髪結い亭主を想い出す。

生活の全てを女房に委ね、自分は気ままに遊び歩いている姿を。  

私が魂に全てを委ねる、その委ねた姿と重なるのだ。(遊び歩くことでは無い)  

そうこう考え、なすがままにしていると



「ウッウーッウーッウーッ・・・あれっここはどこですか?(記憶を無くしている)」

「そこはどのようなところだ。お前が目に入るものを全て云ってみよ」

「ここは川の中でございますネー足のところに川の水が流れております」

「川が流れているのか?そこには川原の石ころが沢山あるだろう」

「石が?・・・石と云うより、広い向こう側がずーっと川でございます」

「その先には何があるのだ」

「その先・・・ずーっと川でございます。ここは・・・」

「なに、ずーっと川か?そんなに広い川か」

「さ、さようでございますネーずーっと川で、えらい大きな川ですネー」

「川の他には何が視えるのだ。その辺りは」

「何が視える?川の・・・あっ、あぁ向こうになんか船が・・・ありますネー」

「後ろには何が視える、後ろだ」

「後ろでございますか?あっ後ろは何かゴツゴツした岩がいっぱいありますネー」

「ずーっと岩か」

「さようでゴザイマスネーここ、水がちょろちょろと流れております。何か向こうの上の方に逝くと、なんか山がありますネーあまり高くない山が、その下に森みたいな林(今まで怨霊のいたところ)みたいなのがあります。あーっなんかこう・・・ここはどこですかネーゴツゴツしている」

「ゴツゴツしているのか」

「さようでございます。ところであなた様はどこで話をされているんですか?」

「我か」

「さようでございます」

「我はお前の頭の上じゃ、光っているであろう。光じゃ」

「光?うわわわわっ!!光が・・・こ、これは太陽でございますか?」

「太陽ではない、我じゃ」

「うわーっ、あああっ・・・あなたさ、あなたさまはお光さまでございますか?」

「さようじゃ」

」ああ、あっ私どうしてここに居るのでしょうか?」

「そこは死んだものが逝く所じゃ、お前は死んだのだ」

「わ私死んだのでございますか?」

「そうじゃ今までお前は何をしていたのだ」

「いいいえ、私今まで仲間と一緒に”おめぐみ”をして、か、川原でおまんま食べてちょっと寝てたんですけど」

「そうか、だがお前は死んだからそこに居るのじゃ」

「わ私どうして死んだのでしょうか?」

「お前がどうして死んだのかは分からん、が其処は死んだものが逝く所じゃ」

「さ、さようでございますか?わ私どこも悪くはないのに・・・おお、寒いから火をあたりながら、確か何か食べて・・・骨がひっかかって死んだんですかネ〜?」

「骨がひっかかったかどうかは分からんがお前は死んだのだ」

「さ、さようでございますか、あっなんか船がどんどん近寄って来ています。あっあの船に乗らんといかんような感じです。あっ船頭が手招きしていますから、わ私船に乗って逝きますので、それ」

「ちょっと待て、ちょっと待て。お前の前にいる、この女は視えるか?視た事はあるか」

「なんか視たと言うより、お屋敷のお女中さんじゃなかったか?あまり分かりませんが・・・ああっ、じゃ私、もう船が来ましたから、それじゃ、それじゃすいませんすいません途中で・・・」

と云って足早に船に乗り込み去っていった。

過去の記憶は完全になくしているようだ。

降りたところは通称三途の川なのである。  

今回の乞食は川の中に降りたようだ。

それも浅い岩のゴツゴツしたところのようである。  

降りるところは、これまでの生活環境か、或いは前世の成り立ちにによって決まっているのか、今のところそれは定かではないが。  

足腰が悪いのは、やはり前世が関与していたのだ。

それも木戸のつっかい棒で殴り殺した乞食が。  

その殺された怨霊も足を引き摺りながら歩いていると云っていた。

同じなのだ、自分の痛むところと同じ箇所に痛みを与える、これが怨霊の鉄則なのである。

前世の因縁である怨霊も上にあがった、これで一切の怨念は消えた。

今後一日も早く足腰の痛みから解放される事を期待したい。

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