心霊なんでも相談室

相談事例18


今回は2年前から当相談所にお見えになっている福岡市内のご家族からのご相談である。

ご家族とは云っても、主に30代のお母さんと、そのおばあちゃんからであるが。

ご相談と云うのは地獄に落ちている6歳の息子さんとお母さんの姉の子供、姪ごさんを助けて欲しいとの事なのである。

要するに地獄の淵から人間界に降りている魂ばかりが集まる集落まで引き上げて欲しいと云うご依頼なのだ。

と言うのも今回、お見えになる数日前にお電話で息子さん、姪っこさんの現在の魂の状態を調べて頂きたいとのご依頼があり、調べてみるとお二人の魂が地獄の淵に落とされている事が分かったのである。

それで、ご家族で当方にお出でいただきお二人の魂の救済を行なった。

あげたところは人間界に降りている魂ばかりが集まる集落である。

この時同行していたご主人の魂も見ていただきたい、とのご依頼を受け調べてみると、ご主人も地獄の淵に屯する化物に憑かれている事が判明した。

所謂、ご主人の魂も地獄の淵に落とされていたのだ。

と云う事は怨霊を除ける前に、既に怨霊から地獄の淵に落とされていたと云う事になる。

でご主人の魂もお二人と同じところに上げることになった。

更に、お母さんの魂も地獄に落ちていた。

お母さんについては数ヶ月前に分かっていた事だが。

それだけではない、おばあちゃんも地獄の淵に屯する化け物の餌食となっていたのだ。

なんと2年前に怨霊を除けた4人全員、地獄の淵に落ちていたのだ。

怨霊を除けた後はどうしても地獄の淵に屯する化物にとり憑かれやすくなる。

だからと言って怨霊を除けない訳にはいかない。

と云うより、怨霊を除けた場所が問題なのだ。

怨霊は、復讐の最終手段としては掴まえている魂を地獄に堕とすのが目的なので、掴まえると同時に地獄の方にズルズルと引きずり下ろすのである。

その引きずり下ろしている最中に私が怨霊を除け魂を助けるのだが、助けた場所が問題となる。

助けた場所が薄明るいまだ上の方なら地獄の化物に掴まるような事はないのだが、助けたところが地獄の傍、真っ暗闇の中だと怨霊を除けた後、直ぐ化け物に掴まるようなのだ。

では、地獄の化物に掴まらないようにするにはどうしたら良いのか?

と言っても今のところ手立ては何もない。

だからと言って怨霊を除けなけないことには生涯、不安と恐怖、病に苛まされる事になる。

最終的に、前世の罪を背負っている人が安らぎを求めようと思えば魂を人間界に降りている魂ばかりが集まる集落か、或いは天国まで引き上げないとダメだと言う事だ。

その第一歩が前世の因縁を除ける事なのだ。

この、前世の因縁が全く憑いていないと云う人はそう多くはない。

確かに憑いていない人もいるにはいる、が少数である事は間違いない。

と云う事は、人間は生まれながらに前世の復讐を受ける定めとなっている、という事なのか。

では、怨霊が憑いたまま死んでいくとどうなるのか?

と言えば、それこそ死後は三途の川ではなく、即地獄逝きとなる。

或いは怨霊に掴まったまま苦しみが続くと言う事。

どちらにしても怨霊を除けない限り救われる事はないと云う事だ。

と云う事で大部分の人々が霊界に帰る事はできないのでは、と危惧する。

ただ単に怨霊を除けると言っても霊能者なら誰でも、という訳でもない。

やはり私との出会いがなければ難しいだろう。

でなければ怨霊から救われる事もなければ霊界に帰る事もできないと云うことになるのではないだろうか。



ところで、今回はご主人と6歳になる息子さん、それにお母さんの実姉の中学生になる姪ごさんの3名の魂を助ける事が出来た。

助け上げたところは罪人とは全く縁のない優雅なヒトビトばかりが暮らす大変明るい場所。

ここは所謂、人間界に降りている魂ばかりが集まる集落なのである。

怨霊から言わせると、怨霊の棲む林の直ぐ上、這って逝ける場所だと云う。

が実際はこの林から抜け出ようとするモノからすれば遥か彼方の上になるのだ。

逝けども行けども、いくら走って走って逝けども、まだまだ遥上、もう疲れた、と逃げるのを諦めたくなるほど上にあると云うのだ。

故に、怨霊の林に引きずり込まれたものは絶対逃亡はできない仕組みになっているようである。

要するにあの世は、前世で一人でも人を殺したものは絶対復讐から逃れられる事は出来無い定めとなっているところなのだ。

という訳で霊界は、殺されたものたちの為にある、と言うか復讐をさせる為にある、と言っても過言ではない。

だから人間界で殺されたからといって泣き寝入りする事はないのだ。

霊界で十分復讐ができるようになっている。

故に、殺される側も大変不幸であるが、殺した側も不幸。

殺した側に待っているのは、あの世もこの世も苦しい苦しい未来だけである。

それで、この世とあの世の均衡が保たれている事になるのではないだろうか。



3名の魂を助けた後、今年3歳になった娘さンの前世をこれまで一度も見ていなかった、と言う事で今回は良い機会だとばかりに調べてみた。

するとやはり、と言ってはなんだが前世の因縁が潜んでいる事が分かった。

それで早速前世の因縁、怨念を私の中に呼び込、前世で何がありとり憑かなくてはならないような事態に陥ったのか、を訊いてみた。

呼び込んだモノに

「お前は福岡リエ(仮名)か」

と聴くが知らぬ、存ぜぬ、関係ないとばかりに無視をする。

それでもしつこく訊いていると

「うるせー!!!」

と怒りを顕にデタ!

「うるせー?お前は福岡リエかと訊いただけだろう」

「うるせーー!」

「うるせーか、お前は人の話を聴く耳はもたないか」

「うるせーウワワワワワタタタ、ヤメテクダサイヤメテクダサイヤメテクダサイ」

あまりの横着ぶりに念を入れ懲らしめる。

「ヤメテクダサイと言う前に人の話を聴く耳は持たないのか、と言ったのだ」

「いや、それは申し訳ございません、今度ばかりは今度ばかりは、あああなた様はどなた様でしょう?」

「我は宇宙総帥と言う神じゃ」

「カカ、カミサマカミサマ、神様が何で私をお呼に?」

「お前を呼んだのではない。福岡リエを呼んだのだ」

「ああ、さようで、も申し訳ありません」

「ところでお前はなぜリエに憑いているのだ」

「いえ、憑いているという訳ではございません」

「お前は憑いているから出てきたのだろう」

「さ、さようで」

「お前は前世では仕事は何をしていたのだ」

「わ、私百姓でございました」

「百姓か」

「さようでございます」

「では、このリエは何をしていたのだ」

「このオンナはですね、私このオンナに殺されたのですよ」

「そうか、だがリエは何をしていたのだと訊いているのだ」

「このオンナはある大店のお嬢様だったのでございます」

「大店のお嬢様か」

「さようでございます」

「では、なぜ百姓のお前と大店のお嬢様が関係があるのだ」

「いえいえ関係と云うのはないのです・・・直接の関係は全くないのでございますが・・・・私たちが野菜とかが作れないときに大店の、まぁここのご主人が大変優しい方で、私たち百姓が困った時にはいつも金子を用立てして頂いていたわけでございます・・・それで私たち百姓は何人かでいつも逝くわけですが、ここの、この女はもうお金に対して小さいと云うのかなんと云うのか、私らがお屋敷に顔を出す度にこの女が出てきて”あんたちまた来た、またあんたち来たの、またうちのお父様にお金の無心に来たの”と、だから、いえ大変もうしわけありませんお嬢さん、大変申し訳ありません、とそう言ってお嬢様に頭を下げて旦那様のところに逝って金子を借りて、なんとも知れないものを買って食べていた訳でございますが、であまりにも私たちが頻繁に逝くものでございますから、このお嬢様が怒ってしまって”もういい加減にして!あなたなんかが来れば、うちのお父様の財産が減ってしまって私たちが苦しくなるから/」

話を中断して私が聴きたい事を先に聴く、でなければ訊かなければならない事を忘れてしまうからである。

「おい、ところでな、その大店とはどのような商売をしていたのだ」

と云う事が訊きたかった。

「ここのご主人のところは大店でございます・・・まぁ大店と言っても、普通のこういう町屋のお店ではなくて、もう直接お城に品物を納品する、もう本当の大店でございます・・・ですからお店に逝っても商品とかはあまり置いていないのです・・・直接お城に運ぶものでございますから、ですからお金は相当あるのでしょうねーまぁブゲンシャ(お金持ち)と云うのは、ぶげんしゃですけど、まぁ娘さんは可愛い顔をしていつもニコニコしているのですが、もう一度言いだしたら利かない性格なんですよ、だからそういう強い性格で”もういい加減あなたなんか、もうお父様のところに来るのはやめてくださいよ、あなたなんか食べるものがなかったら山に逝ってイノシシでも鹿でもなんでも獲って食べたらいいじゃないですか、一回一回来られたら私なんか困るんですから”ともう、だけどもうどうしょうもならんのですよ私なんかもう、山に逝っても中々獲れないし私なんか百姓ですから、そんな山に逝ってイノシシとか獲る罠のかけ方も知らないし、ただまぁそういう山に逝ってかけるヤツは知っていますが、そう言う時にはたまには貰えるのですがいつも貰うと言うわけにはいきませんから、それで或ときまた大店に逝ったらお嬢様がもう家の前に出て”もう来るんじゃないかと思っておりました、お帰りください!”と言うから、いやいや私なんか食べるものが全くないものでございますから、どうかどうかご主人様にお会いさせてくださいませ、と云ったら”いやダメ、これ以上はもうダメ”と言うから何とかお願いしますお願いします、と云ったらもう一人の私と一緒の若いニイちゃんが”お嬢様、あんたそんなに冷たい事を言わんでいいでしょ、私たちお嬢さんから借りるんじゃないんだから、ご主人様からお借りするんだから ”と云ったらお嬢様が怒って”じゃ分かった、あんたなんかもういい、もう帰んなさいよ!!”と言われましたが私なんかそこでじっと待っていたのですよ、そうしたらお嬢様はもう部屋の中に入ってしまって・・・ところが暫くたって、今度若い兄ちゃんがバーっと何人か出てきて、私なんかもう木刀で、踏んだり蹴ったりされて、殴られて殴られて気が付いたらもうこっちに来ていたのでございます・・・もう悔しくて悔しくて・・・ちょっとご主人様に金子をお借りするだけなのに殺されてしまって、殴られて殺されてしまって、殴られて殺されてしまった以上これは絶対許すことはできないと思ってとり憑いていている訳でございます」

「そうか、お前たちはそこのご主人から金子をかりようと思ったらこの娘が出てきて若いニイちゃんたちを呼んできたと言う訳だな」

「そうそう、さようでございます・・・だから私たち、確か3人で行っていたのですけど、皆叩かれて叩かれて 、だけど気が付いたらこっちに来ていたのは私だけなんです・・・私だけ殴り殺されていたのです・・・ですからもう悔しくて悔しくて、この女にとり憑いて一生こいつを、人間界にこいつがなんか居るようでございますが 、一生人間界で生きていけないように苦しめて苦しめて、そしてこれ殴られて殴られてもう半殺しにされて、そして死ぬような目に合わせて、そしてコッチに来させてやろうと思っております・・・私の身体が凸凹になっておりますからこの女の身体も凸凹にして、身体中凸凹にして、そしてこっちにこらせてやろうと思っております」

「そうか、分かった、ところで今お前は体中が痛いのか?」

「痛いちゅうもんではございません、もう骨が折れてクニャクニャクニャクニャなっております・・・ですからこいつにとり憑いてこいつもクニャクニャなるように、そして呪って呪ってノロッテ、そしてこいつ生涯金に苦しむようにしてやろうと思っているんです・・・金に苦しんで、お金お金オカネと、今度はお前がどこに行こうともお金オカネ、とお金を借りるのは恥ずかしかろうけど、前世で大店のお嬢様だったのが、今度人間界に生まれ変わって乞食になれ、乞食になれ、と乞食にしてやろうと思っております」

「なに、乞食にしようと思っていると言う事か」

「さようです」

「そうか、お前の恨む気持ちは十分分かった。では我がお前の骨の折れた身体を治してやろう」

「ええっ、あなた様、神様私の身体を治して頂けるので」

「そうだ、身体を治してやる。ところで今お前が居るところは暗いところなのか?」

「ここはわりと暗いと云うよりも薄明るいんですけど、まぁだけど人間界の夕方ぐらいですかね」

「夕方か」

「さようでございます」

「この下に降りると、まぁどんどんどんどん暗くなって真っ暗になるのですけど、私なんかの居るところはまぁ夕方のようなところです・・・だからこの女を下に引きずって逝こうと思っているのです。今からどんどん引きずって、そして最後に地獄に叩き落としてやろうと思っているのでございます」

「そうか、分かった。では今からお前のその身体を治してやる」

「ええ!私の身体は治るのでしょうか?」

「そうだ治るのだ」

「あ、ありがとうございますありがとうございますありがとうございますウウウウウウウアリアリアリアリ、ウウーッアアアアアア/////////////////////」

怨霊が感謝の言葉を述べている時には既に両手を動かしキズを治す術を始めていた。



今回、怨霊を除けた後、りえちゃんが地獄の化け物に掴まらなかったのは、お母さんたちが掴まっていた場所より上の方だったからだ。

だけど、りえちゃんが幼児のうちに前世の因縁から開放されて良かった。

万一、憑いたまま成人しているとどんな危険な目に晒されてしまっていた事か。

実害を被っていない うちから禍の芽を摘み取ったのだから良かったと言えるのではないだろうか。

何しろ、前世で殺した、その殺し方と同じ方法で復讐を受ける事になるのだから。

何と言っても『人に殴られ・・・・金に困らせ乞食にする』と言っていたのだから。

だけど本人が直接手を下し殺した、と言う訳ではなかったので少しは救われた。

が、殺された方からすると若いニイちゃんに殴られた事が死の原因だと思っているから復讐するのはやむおえない事だろう。

しかし、今後はナニからも作用されることなく自分の人生を全うする事が可能となったのだ。

と云うより、自分の心に素直に従う事ができるようになったと云う事だ。

怨霊が憑いていればそうはいかない。

心まで奪われる、と云うような結果になっていたからだ。

そして後日魂に、今どこに居るのだ?

と訊くと、今走って上に昇っていると言う。

と言うのも私が怨霊を除けた後、疲れて 少し休みたいと言うのを無理やり上に向かって昇って行けと命令していたからだ。

怨霊がいなくなった後、怨霊の林でウロウロしていると悪霊に憑依されるか、地獄の淵に落とされる可能性が高いため、そのように言ったのである。

そして翌日、また今どこだ?

と居場所を訊くと、まだ上に昇っている、上はまだまだずーっと先のほうです、と云う。

今後も休む事なく人間界に降りている魂ばかりが集まる集落目出して頑張って昇って逝って欲しいものである。

人間界の身体は、今は3歳、一番可愛い盛り、皆に可愛がられ、大事にされてスクスクと健康に元気に育って頂きたい。

そしてお母さんやおばあちゃんのように優しい女性に成長して頂ければ嬉しい限りである





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下記は2年前にお見えになられた時におばあちゃん、お母さん息子さん、姪っ子さんに憑いていた怨霊の叫びである。



今回のご相談者は、福岡にお住まいされるお二人のお子さんをお持ちの可愛い31歳の女性である。

この方は、おばあちゃんと今年ご入園の息子さんと3名でお見えになった。

息子さんの事(霊的エネルギーが出ている)が気がかりになり除霊にみえたのである。

と云うのは、事前に、この方からのご依頼でご家族の皆様方を霊視していたのだ。

その結果、息子さんから霊的エネルギーが発している事が分かった。

が息子さんを視る前に、先にご相談者の前世を視る。

視るからと云って、別にご本人から霊的エネルギーが出ているから、と云う訳ではない。

更に、別段、体の不調を訴えた訳でもない。

強いて言えば過去、首の辺りに違和感が生じていた位だと云う。

そこで、前世からの因縁、怨念が心に潜んで居ないか、を調べる事にした。

調べるにあたってご相談者のお名前を呼び、ご相談者の魂を私の中に呼び込むことから始める。



.

では、ご相談者のお名前を呼び、魂を呼び込む事にする。

「福岡可愛(仮名)入って来い!福岡可愛入って来い!」

と呼ぶが、入って来ない。

<昨日から何か不安があったんですよ。その何かが分からないのですが?ずーっと不安だったんですよね>

とご相談者はいう。

お名前を呼び直ぐに入って来ないと云う事はご相談者の魂がナニモノかに捕らわれているという証拠でもある。

更にしつこく呼んでいると

「・・・?・・・」

入っては来たが無言。

「お前は福岡可愛か!」

「・・・・・?」

と聞くが何も反応を示さない。

そこで、すかさず頭上で印を組み、念を入れる。

すると

「ウッ、ググググッ、ヤメテ、ヤメテクダサイマセ!」

「ヤメテ欲しいのか!」

「ヤヤヤ、ヤメテッ//////!」

と泣きが入る。

「お前は福岡可愛かと聞いているのだ!」

「チチチチッ・・・」

「福岡可愛ではないのだな!」

「チチチッチ・・・」

違うと云いたいのだろうが、先程の念が効いているのか、口が上手くまめらないようだ。

「お前はハッキリ喋れないのか?」

と云うが

「カカカッ、クククwwwwwwwwwww」

と云うばかりである。

このままでは中々喋る事ができない。

故に少し間を於いて再び・・・・・・

「どうだ、もう喋れるのか。今から聞くことに全て応えられるか?」

「す、少しお待ちくださいませ」

「よし、分かった」

「・・・タイヘンナ事がオキタ?????」

「大変な事が起きた?お前が福岡可愛にとり憑いたからこうなったんだろう」

「ハッハァ????・・・」

「お前は男か、女かどっちだ」

「わたしは・・・おおお・・・」

「ハッキリせんか!男か女か、どっちだ!」

「おお、男でございます」

「男か、ならばお前の前世の仕事を云ってみよ」

「わわわ、私は乞食でございました」

「なに、お前は乞食か」

「さ、さようでございます」

「では、この福岡可愛は前世で何をしていたのか、お前に分かるか?」

「ここ、この女はお侍様方の姫でございました」

「なに、ではこの女は前世では姫だったと云う事か?」

「さ、さようでございます」

「では、お前との関係は何なのだ。お前のような乞食が憑いているとは」

「わわ、私との関係なんかございませんが」

「では、なぜ関係ないものがとり憑くのだ」

「・・・・・・・・・・・・・?」

「関係ないものがなぜとり憑くのかと聞いているのだ!」

「かか、関係はないのですが・・・日常の関係は全く無いのですが、わわ、わたし、私たち乞食は、毎日、毎日、おまんまのおめぐみを、“おめぐみを―、おめぐみを〜〜”と云って、毎日、毎日私たちが決められたお屋敷を廻っているのでございます」

「そうか、お前たちは決められたお屋敷を、おめぐみをーと云って廻るのだな」

「ささ、さようで、さようでございます」

まだ興奮しているのか、何か喋り方がおかしい。

「落ち着け、落ち着け、もう天罰は架けないから落ち着け、ゆっくり喋るがいい」

あまりにもオドオドした喋り方をするので落ち着かせる。

「わわわ・・・ところで、ところで、あなた様は、どなた様でごご、ございますか?」

「お前の頭の上を視るがいい、頭の上じゃ」

「わたしの頭の上?ワッ、ウワッウワッ、まま眩しい!!!」

「その光が我じゃ」

「ああ、あなた様、ウワーッ、グワッ、眩しい!!かかか、神さまでございますか?」

「さようじゃ、我は神じゃ」

「ウワーッ、ささ、さようで神さま、たた、大変ご無礼を、ご無礼を・・・たた、大変申し訳ございません」

「よーし、では分かったなら、之から我の聞く事に全て応えるがいい」

「わわ、分かりました・・・す、全てお答えいたします」

「では、どうして姫に憑いているのだ」

「わたし、先程申しましたように“おめぐみをー、おめぐみをー”と廻って、この女のお屋敷にも逝ったのでございます。そそ、其の日は、私は、私の女房と、私の子供と、後は仲間が3,4人居りました。そして、このお屋敷に逝ったのでございます」

「そうか、ではその頃の季節はいつごろだ」

季節を聴くのは怨霊の状態を知るため。

たとえば、冬に殺されていた場合、怨霊は死後も寒いと震えている。

すると憑かれている人間も冬になると異常に寒がるのである。

「その時は、冬でございました。寒い、寒い冬でございました。みんなで寄り添いながら寒い雪が降る時にドンドンドンドン、裏の木戸を叩いたのでございます。そそ、そしたらお屋敷の、何時も出る兄ちゃんが、下働きの兄ちゃんだと想いますが、それが、何時も私たちがおまんまを“おめぐみをー、おめぐみをー”と云うと、そのお兄ちゃんが出てきて、オオオオ(泣き始める)昨日のおまんまの残りを色々くれて“ああっ、ありがとうございます、有難うございます”とお礼をいい、それを持って川原に、川原に小屋があるもんですから、そこで何時も貰ってきたのもを焚いて、炊いて食べておるのでございます。アアアアッ(泣く)たまたま、その日は、そのお兄ちゃんが居なくて、この女が、この女が、憎たらしいこの女がーアアアアッー、この女が出てきてアーッッ“おめぐみを〜〜”と云ったら“汚い!汚い!汚い向こうに逝け、此処に一歩なりとも入ってはならん。木戸のところから一歩も入ってはならん”と云われ、ウウウウウッ、私たちは木戸のところに蹲って頭を下げて居りました。アアアアッそしたら “そこに待っとけ!”と云われ、暫く待っていたが中々来なくて、また“おめぐみをー、おめぐみをー”と云いウウウウッ、すると今度は、この女が、ぼ、木刀持って“うるせーっ!うるせー!”と云って、木刀持って、その木刀で私の頭から首から、アアアアッ、滅多打ち、アアッ滅多打ち、ウウウッ、いまも、今も・・・首が、くびが折れて、くびが・・・その・・・アアアッみんなに支えられて、ハハッ這うようにして、はうようにして、小屋に、こやに帰り、そして小屋で寝て、そしてそのままアアアアッ、ここ、こっちに来て、アアアッこっちに来てアアアッ、悔しくて、悔しくて・・・」

「よし、分かった。お前は頭から首を殴られて殺されたと云う事だな」

「そそそそ・・・」

殺された時を思い出したのか興奮して......喋れなくなった。

「よし、少し待っておれ」



あなたの、首痛の原因は、乞食を木刀で殴り殺していたためですよ。

<酷いですねー、話を聞いていて酷いですねー>

と言うご相談者

怨霊が興奮して泣いていますから私も疲れますよ。



「よし、では次を話せ」

「ウウウッ、悔しくて」

「そうだな、お前の悔しい気持ちは十分分かるぞ。ところでお前は、復讐はどのような事をやっているのだ」

「ふふ、復讐でございますか?」

「そうじゃ、この女に、お前は復讐をしているだろう」

「ふくしゅう?そんな事を神様にお話をして私天罰を受けないのでしょうか?」

「そうじゃ、お前は殺された側だから天罰は与えない。しかしお前が素直に話さなければ天罰を与える。全て話せば、お前の殴られて痛む首や頭のキズを治してやる。だから正直に話すがいい」

「わわ、分かりました。私は嘘なんか、嘘なんか絶対に云いません」

「よし、ではどのような事をしていたのか喋ってみよ」

「はは・・・かか、神さま本当に喋っても、喋っても天罰は、天罰はもう受けないのでしょうか?」

「天罰はもう掛けないと云っているであろうが、お前が本当の事を喋る限り掛けない。しかし、一つでも嘘を云えば天罰を掛けるぞ」

「わわ、わかりました、分かりました。包み隠さず全て・・・全ておお、お話いたします」

「突然之までの事を話せと云われても全ては思い出せないだろうが、想い出せるだけでもいいから話すがいい」

「わわ、分かりました。わたしが、私は冬寒い時に殺されましたから、ですからこいつも寒い筈でございます。そして首も悪い筈ですよ。こいつ何時も震えておりますよ」

「寒くて震えていると云う事か」

「さ、さようでございます。こいつ、いっつも寒くて、寒くて”なんか幾ら服を着ても全然温まらないわっ、寒いわ、寒いわ“と何時も云っておりますよ」

「そうか、ではその事を確認してみよう」



今、これが喋ったように寒いですか?

<産んでから大分良くなったのですが、それまで本当に寒がりで、冷え性でずっと足が冷たいです>

《寒がりで首がどうかある時は吐き気がしてねー(母親)》という。



「おい、お前の言う通りのようだな。では次を話すがいい」

「ははい、要するに寒いと云ったんですかねー」

「そうじゃ、寒いと云ったのじゃ、其の他にはないのか?」

「その他には、この女、何時もうなされております。何時も魘(うな)されていますよ」

「魘されるのは、本人は知っているのか?」

「それは、本人はどのようになるかと云うのは、何時もうなされて怖いんですよ。これは世間が怖いんですよ。特に、何か初めて合う人に対して物凄く、なんか恐怖心を感じる筈なんですよ。わたし・・・私なんか乞食は、新しくお屋敷に逝くと、ど、どんな事を言われるか分かりませんから、やはり怖いんです。ですから私、この女にとり憑いていると・・・この女私と同じような感覚になっておりますから何時もこの女ビクビクして、何か物音がすると“だ、誰か来た、誰か来た”と慌てますよ。」



如何ですか今喋った事は

<人の顔色を伺います>

では、こいつの云っている事は当たっていますか?

<誰とでも仲良く出来るけど、本当に心を開ける人はあんまり居ないです。急に人が来ても引いてしまう>

では、これがお宅に憑いていると云う事は分かりますか?

<うん・・・>

では、また続けますよ。



「よし、お前の云っている事はご本人も認めたぞ」

「ささ、さようで・・・その他には、この女ねー、私が、私が乞食でございますからねー、この女もねー乞食のような根性を持って“今自分が、私なんでこんなにいやしいのかなぁ、ほんと私いやしい”と何時もこの女自分の側に食い物とか無いと、全部自分のところに置いておかないと安心出来ないんですよ。その子供が何か食べても“あんた、よくもっとかんと取られたらいけんのよ!”とちゃんと取られんように何時も怒っております。そしてこの女、自分の体の匂いに物凄く敏感で“私何か匂いがしていない?私何か臭くないやろうか?”といっつも、この女の鼻自体に、もう何か匂いがついているみたいな気持ちになっております」

「そうか、では匂いに敏感になっていると云う事か」

「敏感と云うよりも、自分でも何か匂いが気になっている筈でございます」

「では、それも聞いてみるか」

「は、はい。どうぞお聞きになってくださいませ」



<かなり敏感です。他の人が臭わないのも、臭いわねーてっ、直ぐ分かります。で自分が、自分の息が臭くないかなぁとか常に気になります>

とご相談者はいう。



「その他にはどうだ」

「そ、その他と云うよりも私首が痛くて、そして肩から、ずーっと背中から腰から悪いもんでございますから、この女も私と同じようにしています。先程聞いておりましたらこの女、“首は、まーえ、悪かった、今はそんな事はない“といいましたが、そんな事は嘘でございます。そのように想っているのでしょうが良くない筈ですよ。肩から背中から、ずーっと体が張っている筈ですよ。で何時もこの女、今向こうに居るのは母親でございますか(隣に座っている)?」

「そうじゃ、お前はそれも視えているのか」

「み、視えております」

「お前はどのようにしてこちらが視えているのだ」

「どのように?私の上に神さまがいらっしゃいます。私の目をじーっと細めたら神さまの体を通して視えておるのでございます」

私の上とは、私の魂が怨霊の棲む林の中に逝き、この怨霊の頭上から話をしているからである。

聴こえる側の怨霊からすると上からでなく、頭の中でガンガン聴こえると云う。

私の中に呼び込むとは、私の口を使って喋っているので私の中に入っているように見える、が実はそうではない。

向こうでのやりとりが私の口をついて出ているに過ぎない。

「そうか、ではこの母親に何か言いたいのか」

「この女、自分の母親や身内も全く信用していないのです。ですから”この子は変わった子やなぁ〜“と云うお母さんに、このお母さんは私の本当のおかあさんなの、何か違うような、と何時もそのような不信感を持っております」





そのようにありますか?

<うーん、中々“お母さんが変わった子やなぁって”感じていたり、うん、本当に自分の親かなぁと思った事はあります。子供の時とか・・・うちの家族って、皆仮面被っているわよねー、うちのお父さんとか、皆本音でぶっつかり合わないから、皆影で文句いっているんですよ>

その事を、この乞食は云っていたんですよ。

疑心暗鬼だと

<うーん>



「その他にはもうないのか?」

「その他には私、こいつを孤独にしてやろうと想っているのです。そして、家族から、皆からのけもんにされて、こいつ私と同じように放浪の、放浪の世界に、乞食に近い放浪の世界に引きずり込んでやろうと想っているんです。ですから、こいついずれ家から追い出される形になるように仕向けるんでございます」

「そうか、ではいずれ家から追い出されるようにすると云う事か」

「さ、さようでございます。ですから、こいつは喰いもんやら金やら、物凄く意地汚いと云うか、全く乞食根性そのものですから、ですからまだまだ私は、こいつが私たち乞食に近づくように、どんどんどんどん導いて最後は、冬の寒い時にのたれ死ぬようにしょうと想っているのでございます」

「そうか、最後はのたれ死ぬようにしようと思っているのか」

「さ、さようでございます。本人は時々、私ら乞食の家を視たりしたら“あっ、あーゆうの、私いいなぁ、あれ気楽やなぁ”と想っているのです」

「お前が云うのはダンボールハウスのことか?」

「かか、紙で出来た掘っ立て小屋みたいのを視ると“私、あれもいいなぁ”と想っております。何れこいつも、ああゆう生活をさせるように、どんどんどんどん近づけているのでございます」

「そうか」



何れダンボールハウスに住むように仕向けていると云っているのです

<うーん。だから可哀そうと思ってフトンとか持って行こうかと思っていた時期が凄いあって、さっき云っていたのがいいなぁと思っていた時期もありました。それに、後お金の事を云っていたのと、食べ物がとられんかなぁ、とられんかなぁと、まぁかなりあります>

と乞食の云っている事をほぼお認めになった。

しかし、このような感情になったのはあなたのせいではありません。

全て前世の怨霊の作用で、自分の意思ではなかったのです。

意識を操られていたからです。



「おい、お前に聴きたいが、お前以外にこの可愛に憑いているものはもう誰も居ないか?」

「この女に、私以外でしょうか?」

「そうじゃ、お前以外にはもう誰も居ないか」

「こ、ここは暗いもんでございますから、ただ私以外になんか憑いているのはまだおりますよ」

「まだ居るのか?」

「さようで、まだ居ります」

「わ、私が疲れて、ションベンする時に、なんかちょっろとこの女にとり憑いたりしております」

「そうか、良し、分かった」



今喋ったように怨霊は小便もするのですよ、嘘のようですが

<はー、トイレとかはないのですか?>

そうですねー、この怨霊の棲むところは霊界の山の麓、林の中ですからそのようなものはありません。

怨霊が云うには、自分が小便をしている間に、他の怨霊がとり憑いていると云う事なのです。

人間界からすると、ただ、ほんの数分の出来事のように思われますが、霊界は人間界とは大変な時間差がありますから、その数分が人間界に置き換えると何年間か離れていたと云う感覚になるのです。

その間は、乞食が之までやってきた霊症は治まり、新たな怨霊の作用、霊症に変わるのです。



「おい、まだ他に誰か居ると云う事は分かった。他にはもう何もしていないのか?」

「ほ、他に、他にと云えば、これは単純な事でございますが、私なんか乞食はあまり熱いものは食べられないものですから、この女も、その点、熱いものは受け付けない筈でございます」

「そう か、ならばその事も確認してみよう」



熱いものは食べられませんか?

<はい、当たっています>

では、間違いなく、この怨霊が貴女に憑いていたと云う事がお分かり頂けましたね

<はい>

では、今からこの怨霊の殺された時のキズを治しあなたから離す事に離に致しましょう。

もちろん貴女から殺された記憶も全て消しさります。



「おい、お前の首の悪いところを治してやろう」

「なな、治して頂けるのでしょうか、私じゃ首が治るのでしょうか?」

「そうじゃ、首が治るのじゃ、今から治してやる」

「ああ、ありがたき、でも私、首が治ったらこの女から離れないといけないのでしょうか?」

「お前が離れる、離れないではない。お前の記憶を全て消す、だからこの女の事も忘れるのじゃ」

「さ、さようで、神さま、そ、そのような事が・・・わ、私の記憶も消してしまうので・・・」

「そうじゃ、乞食だった事も忘れるのじゃ」

「ささ、さようで、そ、それでは・・・寒いのも治るのでしょうか?」

「そうじゃ、寒さも治るのじゃ。そことは違う場所に逝くのじゃ」

「さ、さようで、か、神さま、どうぞ、どうぞ宜しくお願いいたします」

「では、そこに跪いておれ」

「ああ、分かりました。あり難き幸せに・・・」

「では、今から始める」

「ああっ・・・」

ああ、とだけで聞き、あの世で跪く怨霊のキズの手当てに入る。

両手を大きく広げ回転させる。

そして宇宙総帥独自の動きに入り、向こう側で跪く怨霊を光の中に包み込む。

そして10数分後・・・

「ウーッ、ガガガッ/////////////」

キズを治す時に感じる痛みの声。

「我慢せい!」

と怒鳴るが、三途の川に着いたようだ。

「アッアーッ・・・ここは・・・ここは?」

「そこはどのようなところだ」

「どこ?私の頭の中で、頭の中で誰かが・・・はなす・・・」

私の事も記憶の外にあるようだ。

「そこはどのようなところかと聞いているのだ。言うてみよ!」

「ここは・・・なんか、ここは川の中、ここは川の中だけど、えらいなんか石ころが多い、ウワーッ、だけどここは暖かいなぁ〜暖かいなぁ〜」

「そこの川の周りには何があるのだ」

「ああっ、周り?まわり、あっ、向こうの方に山があるんかなぁ、あっ、あれは何かなぁ、あっ、ずーっと山の下に木がいっぱいあるみたいやなぁ(此れまでいた怨霊の棲みか)・・・うわーっ、向こうは何か曇っているみたいやけど、ここはわりと天気がいいなぁ・・・ほう川の」

「今は川の中か」

「川の中、だけど浅い川です」

「そこの周りにあるものを全部喋ってみよ」

「ま、周りちゅうのは、あらっ、向こうにお百姓さん、お百姓さんがおります。なんか、背中に何かかるうておりますねー」

「百姓が背中に何かかるうているのか?」

「な、なんかかるうているなぁ、あれなんやろうか?あれ、初めて視るなぁ・・・あらっ、あっちにはりょ、漁師が居ります」

「なに、漁師も居るのか、漁師は魚でも獲っているのか」

「魚と云うより漁師が、あらっ、魚釣り、魚釣りをしているのかなぁ・・・ああーっ」

「そうか、他の景色はどうだ」

「け、景色と云うより漁師のところは、川のところですけど、あっ、お百姓さんのところには何か、あっ、こ、小屋があって・・・は、畑があって、あっちが山で、あーっ向こうの方に、お花畑があります」

「お前の前には誰か居ないか」

「私の目の前には何もありません。あっなんか向こうから、ふ、舟が、小船が、小さい舟が、うわーっ、何かガタガタの舟やなぁ・・・ああっなんか船頭が、船頭が手で呼んでおります」

「船頭が手招きしているのか」

「ええっ、なんか私?わたし・・・ああっ分かった。私もう逝きます・・・じゃぁじゃ」

と云って舟に向かって逝った。

今居たところが三途の川の待合所である。

ガタガタの舟で迎えに来たのがご先祖なのだ。

まぁガタガタのボロ舟と云うのは乞食の先祖だからである。

お侍さんのご先祖が迎えに来るときは歩いてくる。

それも数人で、ニコニコと笑顔で談笑しながら。

かくして、乞食の脳裏からは、前世で殺された事や私との出会い、その全てが記憶から消えてしまったのである。





さて次は“何かが居ります”と先程の乞食が云っていた、その何かを出すとしよう。

「福岡可愛はいって来い!福岡可愛入って来い!」

と呼ぶが今度は、と云うより前回よりも中々入ってこない。

それは、先程の乞食が突然いなくなった為警戒しているのだ。

もしくは林の中を逃げ回っているのだろうか。

それでもしつこく呼び続けていると、やっと入ってきた。

「お前は福岡可愛か?・・・違うなぁ」

「・・・?・・・」

と聞いてもやはり無視。

そこで手っ取り早く念を入れ口をこじ開ける事にする。

両手を頭上に掲げ印を組む。

すると

「ウワッ、ググググッ、オオオオッウッウッ、ヤヤヤ・・・ヤヤヤメテ・・・ヤメヤメヤメ、ヤメテクダサイマセ、ウウウウ」

念を入れると苦しみながらであるが声を出した。

そこで

「お前に聴きたい事がある。我の聞く事に全て応えるか!」

と問う。

「なな、なにをわたしきかれるのでしょうか?」

「お前は男か女か?」

「わわ、わたし男で・・・女でございます」

「お前は女か」

「さ、さようでございます」

「では、前世ではお前は何をしていたのだ」

「わわ、私でございますか?」

「そうじゃ、お前に聴いているのじゃ、前世では何をしていたのだ」

「わわ、私は、お城に、お城に勤めておりました」

「お城では女中をしていたのか」

「さ、さようでございます」

「では、この女(ご相談者)は何をしていたのだ」

「こ、この女はご家老様の娘でございました」

「お前との関係はどうなのだ」

「わ、私ご家老様のお屋敷にも出入りをしていたものですから、その関係で、この姫とも顔馴染みでございます」

「顔馴染みだったのか。では、お前がこの姫と知り合ったのは幾つの時だ」

「私が、この姫と初めて合ったのは、この姫が小さい、3歳か4歳位の時でございました」

「では、お前が死んだのは幾つの時だ」

「わ、私がこっちに来たのでございますか?」

「そうじゃ、そっちに逝ったのは幾つの時だ」

「わ、私がこっちに来たのは、十八か九だったと想います」

「では、その時、この女は幾つぐらいだったのだ」

「私が来る時、この女はじゅ、じゅう、私より五つか六つ位下だったと想います」

「では、お前はそのような小さな時から、この姫のお屋敷に逝っていたと云う事か」

「さ、さようでございます。小さい時からご奉公にいっていたのでございます」

「そうか、ところでお前が死んだのは幾つと云ったかのう」

「私が死んだのは十七、ん、じゅうしち?か八・・・八うん?私なんかはハッキリ年が分からないのでございます」

一応、先程聞いた年齢と合っているか確認しただけ。

「そうだろうなぁ、お前達の時代には生まれた年がハッキリしている人は少なかったのだろうなぁ」

「さ、さようでございます。多分十八だったと想いますが」

「では、お前が殺された時には、この女は十二、三だったと云う事だろう。なぜ、そのような小さな子供に殺されたのだ?」

「さ、さようでございますねー、この女はですねー、物凄く気性が激しいのです。気性が」

「そうか、気性が激しかったのか」

「気性がもう、ちょっとでも自分が何か、人から何か云われたり、何かあっても絶対に自分から“すいません”とか云わないのです。もう激しいと云うのか、こんな女の子で、こんなに激しいのはおりませんよう。好き嫌いというんか何というんか、我がままというんか、ご家老様のお姫様ですから、得意の我がままというんか、何というんか、一筋縄ではいかない娘だったのでございます」

「そうか、では顔立ちはどのような顔をしていたのだ」

「顔立ちは、顔は可愛い顔をしているんですよ。顔はまんまる、まん丸でございましたねー、顔はもう可愛くて、周りの人から“あすこの姫は可愛い子じゃ、ありゃぁ将来えらい別嬪さんになるぞ!ありゃぁ、可愛い子じゃ”と良く云われておりました」

「そうか、ではもう一度性格を聞くが、お前からみたらどのような感じだったのだ」

「せ、性格?先程も云いましたが、大変勝気な子供でございました。自分の思うとおりにならないともう、癇癪(かんしゃく)みたいな、もうカーッとなって、誰がどこにおろうと“ウワーッ”と叫ぶのでございます」

「そうか、ではその事をお聞きしてみよう」



如何ですか?

<うふっふふふ、当たっています>

では、これも貴女に憑いていたと云う事がお分かりですね。

<うん>

性格や顔立ちは前世と今生は殆ど変わりません。

顔も2、3百年前とあまり変わらないのです。

ご両親は当然違う筈なのですが・・・。

<両親はやっぱし違うのですね>

そうですねー。

だけど顔は同じなんですよ、不思議ですねー。

<私はプライドが高いというんかセレブ意識が消えないんですよ>

それが、やはり前世ではご家老様のお姫様だったと云う証拠でもあり“姫”としての気位の高さが無意識のうちに出てくるのではないでしょうか。



「おい、お前はなぜ憑くような事になったのだ」

「私が憑くようになったと云うのは、私は、この姫の世話係をしていたのでございます」

「そうか、世話係をしていたのか」

「さ、さようでございます。もうこれ程手を焼く娘は他には居りませんでした。私がこっちに来たのは、この女に殺されたのでございます」

「お前は殺されたと云うが、その時はこの女はまだ12,3歳だったのだろう。そんな年端がいかないのがどうしてお前を殺すのだ」

「わ、私も侮っていたのでございますが、私はただ、私はもう・・・」

慌てているのか口がまめらなくなった。

「慌てなくても良い。ゆっくり話すがいい」

「わわ、私の父親も、ここのご家老様のお屋敷で下男として働かせて頂いていたものですから私は小さな時から父親と一緒にこのお屋敷に仕えていたのでございます」

「では、なぜ殺されたのだ?」

「で、ですから私、この女の世話役をやっていたのでございますが、私が着物を着せたりとか、色んな身の回りの事を全部やっていたのでございますが、私は、この女から毛嫌いされていて、事あるごとに“あんたのような女は、向こうに逝け、向こうに逝け!”と云われ私は其のたびに姫の側を離れると、ここの母上がまた大変気性の激しい母親で、私を物凄くなじったり、もう大変な事でございました。でそのような事が暫く続いて私、とうとう我慢できなくなり、この姫の、私もう自害するつもりでいましたから、姫の顔を叩いてそのまま山に逃げていったのでございます。私この女を、私がこの姫を叩いたら私の父も、私もここのお屋敷に出入り禁止になるのですが、私もう自害する覚悟で、我慢できないで姫の顔を叩いてそのままお屋敷から逃げて山に逝ったのでございます。そして私、そこの山の崖から谷底に飛び降りてこっちに来てしまったのでございます」

「では、お前が直接この女から殺された訳ではないのではないか」

「いえっ、結局私はこの女から殺されたのと同じではございませんか。もういじめられっぱなしで、この母親には大変な目に合わされ、ですから最後は自害するつもりで姫の頬を叩いて跳んで逃げて死んだのでございます。この姫が私にそのような事、いじめたり苦しめたりしなければ私も死ぬような事はなかったのですから、この姫のお陰で私死んだ訳でございますから、ですから姫に殺されたのも同じでございます」

「そうか、それでとり憑いたと云う訳だな」

「ささ、さようでございます」

「では、とり憑いてどのような復讐をしているのだ」

「とり憑いてどんな事と云うよりも、あなた様は私に色々喋らせておりますが、あなた様どなたで、どこから私に話しかけているのでしょうか?」

「お前は我の事が誰かも分からずに、ベラベラ喋っていたのか」

「いいえ、先程カミナリが、せせ、背中に落ちてもう痛くて、痛くてもう、あなた様誰ですか?喋らなければまたカミナリが落ちると、怖くてこわくてもう喋っていたのでございますが、良く考えたら姿の無い人に話をさせられているのも、何かおかしな感じでございますから、あなた様、どこから話をされているのでしょうか?」

「そうか、ではお前の頭の上を視るがいい、頭の上じゃ」

「ああ、頭の上でございますか、あっ!ここ、これですよ、こ、これがもうカミナリになる、せ、背中に落として、もう今も背中から、もうなんかザックリ割れているんじゃないか、ウワーッ、コココ」

「その光が我じゃ」

「ひひ、ひかり?ああ、あなた様、おひかり様でございますか」

「そうじゃ、神じゃ」

「カカカカカ・・・」

「落ち着けと云っているであろうが」

「アアアッ、かか神様・・・カカカカッ、かみさま、お許し、かかか、神さまおゆるし・・・も、もう何もしませんから、ど、どうかおゆるしください・・・」

「そうか、ならば許してやるが、お前が、この姫にどのような復讐をしていたのか、全て話せば許してやる。だが、少しでも隠しだてすると許されないぞ!」

「ウウウ、シャベル、喋っていい?そんな事神さまに喋って宜しいのでしょうか?」

「そうじゃ、お前が素直に全て話せばお前の体の悪いところを治してやる。どうだ分かるか」

「わ、分かります。だけど、私の体はもうガタガタでございますよ。谷底に落ちた時に足なんか拠れ曲がって、頭からは血から何か、頭の中に入っているものがぜーんぶ出て、もう体なんかペッチャンコになって、こっちに来ましたから、でですから未だに耳やら、頭のなんかこう、首のところが、この辺とか、ずーっと全部悪くて、体中もうガタガタでございます」

「そうか、それを全部治してやると云っているのだ」

「ほほ、神さま私、とり憑いて苦しめたのに私を治してくれるのですか?」

「そうじゃ、お前が全部話せば治してやると云っているのだ」

「ぜぜ、全部話させて貰います」

「では、復讐はどのようにしているのだ」

「わわ、私この女に苦しめられていじめられた。その仕返しとして、この女も人から馬鹿にされるようにしております。ですから、この女は人と会うのが物凄く、人と会おうとすると胸騒ぎがして人とは会えない様にしています。そして、何時も空耳のようなものが聞こえる筈です。誰かが何か私の悪口を・・・“私の事を、あっあの人やろうか、誰やろうか?なんで私の事を責めるんやろうか?“と何時もそのような声に怯えている。怯えておりますよ」

「そうか、ではその事をお聞きしてみよう」



<当たっています。ウフフフッ、うん、誰かこう噂しよるんやろうか?とか、あと友達と約束しているじゃないですか、前持って約束していると当日になると行く気がしないんですよ。だから前もって約束するのも駄目なんです。断ったりして>

そのような事もこの“オンナ”がやっていたのです。



「よし、お前の云った事はご本人も認めたぞ」

「さ、さようでございましょう。私がしている事ですから」

「そうだろうなぁ。後はどのような事をしているのだ」

「あ、あと、私、こっちに来たのは、なんと云ったらいいのでしょうか、暑い夏が過ぎたら・・・あ、秋と云うんでしょうか」

「そうだ。夏の次は秋だ。夏と冬の間が秋と云うのだ」

「そそ、その夏と冬の間にこっちに来て寒かったのと暑かったのが、なんか入り混じったような感覚ですから、私がこいつにとり憑いている時は、こいつ寒いのか暑いのか分からないような感覚になって、何時も頭の中が痒くなったり背中がカイイとか、何時も体をボリボリかいているんです。私もなんか崖から落ちて体がバラバラで痛くて、痛くて堪りませんから、ですからこの女も、その時の私と同じように関節とかが、なんかかんかある時に関節が疼いている筈でございます」

「そうか、ではそれもお聞きしてみよう」



今喋ったような関節の痛みはありませんか?

<いや、それは分からない>

それは分かりませんか?

<はい>



「おい、それは分からないと云っているがどうだ」

「いやいや、それは分からないで・・・本人にとっては、“足の関節が少しおかしいかなぁ、あっ、なんか肩もおかしいかなぁ“と云う程度ではございますが、ただ痒いのは、自分で良くかいておりますから本人は良く分かっている筈でございます」



痒いのは如何ですか?

<うーん、あんまり・・・目が痒いのは良くあるんですけど・・・あと、関節はよくあります。親指が、調子が悪いとか、うんウフフフフッ>

では、痒いのは良く分からないのですね。

<分からない・・・>



「おい、痒いのも分からないと云っているぞ」

「いえいえ、そんな事はございません。無意識のうちに手がこう耳のところに逝ったり、こうなんか何時も触っておりますよ(耳とか頭)」

「触っているのかと云うのか、では、それも確認してみよう」

「確認してみてください。何時も良く、頭とかこうやっています。私が側でじーっと視ているから間違いございませんよ」



如何ですか?

<うーん>

無意識のうちに手が頭にいっているとかはありませんか?

<髪はあります。前髪とか、こう上げています>



「おい、他にはどのような事をしているのだ。もっとハッキリ分かる事を言え」

「ほ、他にでございますか?この女はですね、自分で自分を良く責めておりますよ。自分の喋った事にね、物凄くね、責任を持って怖いんですよ。ですからねー、あまり喋れないんですよ。自分が進んで喋った後に“ああっ、私何を言ったのやろうか?ああっ、また何か悪い事いっていないやろうか?”と何時も不安がっておりますよ。ですから、この女、心から自分をさらけ出す事はできませんよ」

「そうか、ではそれもお聞きしてみよう」



この事に関しては如何ですか?

<あるよねー、“さっき何か言い過ぎたかなぁ“と良く他の人に聴きます>

では、それは合っていると云う事ですね。



「おい、今の事はご本人も良く分かっているようだな」

「さようでございましょ」

「そのようにしたのは、お前がいじめられたからか?」

「さようでございます。ですから私、飛び降りてこっちに来て、そのままこの女にとり憑いておりましたから」

「では、お前はこの女の前世からとり憑いていると云う事か」

「さようでございます。ですからこれは夜が怖いんです。夜、これは寝付いた後が怖いんです。これは」

「そうか、夜が怖いと云う事か」

「さようでございます。要するに記憶としては、自分では分からないのでしょうが、しかし、夜になると怖いんです。ただ、只管(ひたすら)怖いんです。ですから、“誰でもいいから側に居って欲しい。私を抱いていて欲しい。側に誰でもいいから居ってほしい”とう何時も誰かに縋るように、縋るようにして居るのでございます」

「そうか」



そのようにありますか?

<うん、一人では寝きらない。だから旦那さんが夜勤の時は何回も鍵が締まっているか確認したり、みんな寝静まると急に怖くなるんですね>

と云う。



「後はどのような事をしているのだ」

「私、こっちの山の崖から飛び降りて来ました。ですから、堕ちる時の恐怖、下を見た時の恐怖、もう、もう一回飛び降りれと云ったら、もう私、もうだから今でも下を視ると怖いんです。」

「では、高いところから下を視ると怖いと云う事だな」

「そ、そう、それはね、この女も一緒です。これも高いところとか、もうちょっと上がると怖くて、怖くて駄目な筈です」



と云う事ですが、如何ですか?

<あたりなんですねー、ジェットコースターとか絶対無理だしウフフフフッ>

ビルから飛び降りた人も死後下を見ると怖いんでしょうねー。



「よし、お前の云っている事は大体分かった。では将来はどうするつもりだ」

「ショウライ?将来はこの女には無いですよ。もうこれは何れ・・・ところで私の前に憑いていた・・・私の前に憑いていた、何か変な汚いのが居ったけど、あれ何処に逝ったんですかねー、何か突然いなくなったもんですから私もどこに逝ったのか探しているんです。何しろここは暗いもんでございますから、ああ、あの汚いのが憑いて、色々やっていたようでございますが、私あいつが居ないから今、この・・・・・ところで、あ、あなた様私を凄い力で追いかけて来ましたねー、私もう怖くて、怖くてどんどんどんどん走って逃げたりしましたが、あなた様の光がもう、追いかけて来てとうとう捕まって」

「そんな事はいいから将来はどのようにするつもりだったのかと、それを聞いているのだ」

「それは、あの乞食が居なくなったから、私だけになるとですねー、これはやっぱり自殺するように仕向けようと想っていたのでございます。だけど、あの汚いのが居るから、あいつが居ない間に必ず自殺するように仕向けようと想って、ですからこれ死ぬと云う事に対し、何時もこれ死を考えております。私がこれに憑いている時には、何時も“死じゃ死ね、死じゃ死ね”と何時も囁いておりますから、これは“死ぬ、死ぬ、死ぬ”と云うのがずーっと心の底に溜まっていくのでございます。それをずーっと続けていくとこれは“死ななきゃいかん、死ななきゃいかん”と想うように、そして死ぬ事になるんでございます。そしてこちらに引きずり込んで、そしてこいつを地獄の責め苦に合わせてやろうと想っているのでございます」

「そうか」



自殺と云う感覚はありましたか?

<うーん、学生の時とか良く思っておりましたねー>

それは乞食が居ない時でしょうねー

<うんうん、で何か一時期死ぬのが凄い恐怖になった時がありました>

最後は自殺するように仕向けていたというのです。

自殺する人はこのような怨霊が憑いて、日々“死ね、死ね”と囁かれているのでしょう。

結局ご相談者は、お年を召すと浮浪者になり、それをはかなんで自殺するというような筋書きになっていたのだ。



「おい、お前の云う事に全部間違いはないようだな」

「さ、さようで、私の頭から出ているのは、これ脳みそですか?これ、気持ち悪くて、ブヨンブヨンして・・・これが治るのでしょうか?ぶよんぶよんしているのに、あああっ、頭からぶよんぶよんして、目はチカチカチカチカしてもう、目もチカチカして毎日どうしょうもない。これを治して頂けないでしょうか?」

「よし、分かった、今から治してやろう」



それはそうと、先程目が何とか言っていましたねー

<目がすっごい疲れやすくて豆電球を点けて寝ると次の日目がいたくて、痛くて・・・>

では、この怨霊と同じですね。

目がチカチカするのは

<うーん、今この方が入って耳鳴りが酷いんですよねー>



「では、今からお前が死ぬ前の体に戻してやろう」

「そそ、それは、かか、神さま、またカカ、カミナリを」

「雷は打たないから心配しなくてよい。お前の体を治してやるのだ」

「ああ、ありがたき、あり難き幸せに存じます。どうか、どうか宜しくお願い致します」

「では、そこに跪(ひざまず)いておれ」

「わわっ、跪いておれないんですよ」

「そうか、お前は体がバラバラになっていると云っていたなぁ」

「よよ、横になっていいでしょうか?」

「では、横になっているがいい」

「ああっ・・・」

さて、これから飛び降り自殺してバラバラになった身体の修復を初めよう。

先程の乞食の時と同じように両手を動かし始める。

とあの世で横になっているであろう女の身体を優しい光の膜が覆う。

両手を動かし始めて数分後

「ググッ・・・アッ、ここはどこ?どこ・・・」

三途の川に着いたようだ。

「そこには何があるのだ」

「ここはどこ、ここ・・・・あらっあなた様どこから話を、あらっ、誰か私の頭の中に居るのかしら・・・ここはどこ?」

私の姿はみえず声だけが頭の中でガンガンと聴こえる。

「そこには何がある。視えるものを全部喋ってみよ」

「ここは、何か草が、草がいっぱいある・・・」

「草がいっぱいあると云うが、その草は小さいのか、大きいのか、どっちだ」

「草は低い。ここは何か草がずーっとあって、向こうになんか川があって・・・」

「そうだ視えるものを全部話すがいい」

「ところであなた様はどこから話しかけているので」

「お前の頭の上からじゃ」

「あ、頭の上、ウワッ眩しいー!!!あっ、眩しい!こ、こんなところに太陽が、どうしてこんなところに太陽があるの?・・・うわっ、まぶ!!」

「その光が我じゃ」

「えっ、あなた様、私の中に・・・ああっ、なんか気持ちがわるい・・・早く帰らないと」

「帰ると云っても、そこの事を説明しなければ帰れないぞ」

「せ、せつめい?わたし、あらっ、体が動かない」

「そうじゃ、お前が我の云う事を聞かないから動かないのだ。そこには何があるのだ、云ってみよ」

「分かりました。分かりました。体が動くようにしてくださいませ〜」

「よーし、分かった。喋ったら動くようにしてやる」

「うう、分かりました。ここには草がいっぱいあって、向こうに川が流れていて、あっちの方にお花畑があって、こっちの方には岩がいっぱいあって・・・あ、あれっ、なんか?うしがおる、牛がおる、うう、牛がおります。牛が」

「牛がおるのか、馬はいないのか」

「うま?いや牛が・・・お百姓さんが牛をなんか・・・はたけ?畑をなんか、畑に逝っているみたいで・・・」

「そうか、他には何があるのだ」

「ほ、他にですか?他には・・・あらっ、あれは小屋かな?なんか小屋があって・・・か、柿の木が1・・2本植わっています」

「そうか、柿の木があるのか」

「あらっ、わかった、分かった(迎えに来たものに)・・・神様すいません、何か、誰かがそこに来ております。なんかあんまり風采があがらんけど、なんか私の顔を視てニコニコしております」

「何人来ているのだ」

「なんにんち、イチニ、二人でございます・・・なんか、とっしょりの爺さんと婆さんが私に手招きをしております」

「手招きをしているのか」

「舟ではなくて道端にきているのか」

「舟ではなくて、あっ、なんか私の顔を視てニコニコしている。私にコイコイ云っておりますが、逝ってもいいんでしょうか?」

「そうか、ならば逝くがいい」

「そうですか。それじゃ、それ・・・」

それ、といったまま離れて逝った。

三途の川に迎えにみえたのは人の良さそうなジイちゃんとバアちゃんだと云う。

今回の“女の霊”は草が沢山生えている霊界の待合所に降りたようだ。

先の乞食は川の中と云っていた。

このように、どこの待合所に逝くかは生前の暮らしぶりから決まっているようだ。

しかし、どこの待合所に降りても田舎の風景そのものだ。

牛や馬もいる。

更にお花畑には蝶々も飛んでいる。

それに投網で魚を獲っている漁師もいるのだ。

これらの事を鑑みると死後の世界は人間界の延長線上にあると云っても過言ではないようである。

如何かな、死後の世界を垣間見た感じは、これを読まれている方は多少は安心されたのではないだろうか。

霊界の待合所は人間界のどこにでもあった、のどかな昔の風景そのものなのだ。

老齢の方にとっては懐かしい景色でもある筈だ。

ところがこのような場所に逝けるのは、まず普通にお亡くなりになった方々だけなのである。

この普通に死ぬ、とはどのような死に方を指すのか定かではないが、不慮の事故や自殺、事件、癌や脳卒中等、重篤な病で亡くなられた方々でないのは明らかである。

残念ながら上記のような亡くなり方をされた方々は霊界の待合所には逝けないのだ。

なぜ逝けないのか、と云うと、不幸な亡くなり方をされた方々には怨霊が憑いている可能性が高いからである。

では、不幸な亡くなり方をされた方々の魂はどこに逝くのか?

と云えば怨霊の棲家か、地獄、或いは闇の中を徘徊することになる。

怨霊の棲みかとは、あの世の、山の麓の薄暗い林の中。

ここは、首の無いものや顔が半分しか無いもの、手足の無いもの、と身体に欠陥が生じている魂が浮遊霊となってさ迷っているところなのだ。

更に、不気味な幽霊さながらの霊が集まる場所である。

このような場所に連れて行かれないためにも、怨霊の憑いている方々は如何に怨霊を除けるか、が人生最大の課題となるであろう。

何しろ、悩みのある方々の殆どに怨霊が憑いているのだから。

と言う事からも、人間として生まれて霊界に帰るのがどれ程難しい事かお分かり頂けた事であろう。

死後穏やかな暮らしをお望みの方々は先ず怨霊を除ける事から始めなければ。

がしかし、残念な事に、この人間界には怨霊を除けきる程の能力を持っている霊能者は誰一人としていない。

死後は、為すがまま運命に任せるしかないようである。



 

次は、今年幼稚園に入園予定の息子さんに憑いている、と思われる前世の因縁である。

やはり前例通り、息子さんのお名前を呼び、息子さんに憑いている因縁、怨霊を私の中に呼び込む。

お名前を呼び入ってきたモノに

「おい、お前が可愛Jrか?」

と訊いても

「・・・・・・・・・?」

無視

「お前、無視をするのか!」

と云い念を入れる。

すると

「ウウッ、分かった、分かった・・・分かり申した」

念が効いたのだ、苦し紛れに返事をした。

「分かったのか!」

何が分かったのかな?

「ウウッ、分かり申した・・・ちょ、ちょっと緩めて頂けないでしょうか?」

「おう、ならばお前は、これから我の聴く事に応えると云うのか?」

「ううっ、分かりました・・・きき・・・ところであなた様、ナニモノでございますか?」

「ナニモノ?なに!!」

と一喝すると

「ウウッ、ウワーッ!!・・・あ、あなた様、まさか神さま?神さまではないでしょうか」

「そうじゃ、神じゃ、良く分かったなぁ」

「神様以外、このようなお力をお持ちの方は、私このような凄いお力をお持ちの方とお会いするのは初めてでございます」

「そうか、では我の聞く事に全て応えるか」

「こ、応えるも何も、神様から応えろ!と云われれば、このような、このような大変なお力を・・・私を、私に苦しい、苦しい・・・このような力を与えられる神様に逆らう訳にはまいりません。何なりと、なんなりとおっしゃてくださいませ」

「では、まずそなたの前世の仕事から聞こう。お前は前世で何をしていたのだ」

「わ、私は、神様に大変近い尊大な仕事をやっておりました。」

「我に近い仕事?と云えば、お前は神主だったのか」

「さ、さようでございます・・・か、神主でございます。では、この可愛Jrは何をしていたのだ」

「こ、この男も私と同じ神主でございます。神に一番近く仕える神主でございました。」

「そうか、神主だったのか」

「さ、さようでございます」

「では、この男の性格は知っているのだな」

「はい、性格は良く知っております」

「では、お前との関係はどうなのだ」

「私との関係は・・・こ、この男は、私の、わたしの一番弟子だったのでございます」

「お前の弟子か?」

「さ、さようでございます」

「では、性格は良く知っていると云う事だな」

「性格は・・・これは平気で嘘を云う。何時もニコニコ笑って平気で嘘をつくのでございます。」

「そうか、嘘つきと云う事か」

「せ、性格は、この男は生まれ持って頭のいい子供だったのでございます。生まれながらにして、これはご両親も神に一番近い仕事をする神主の一族でございました。」

「そうか、では頭がいいと云う事と、他に性格は」

「この男は平気でニコニコ笑って嘘をつくのでございますが、皆この男の云う事を信用していたのでございます。そして、騙されるのでございます。」

「それは、そうとお前が知っていた時、この男は幾つだったのか」

「私は、これが小さな時から知っておりましたが、私がこれから殺されたのは、私が二十歳になるちょっと前でございましたから、この男は、まだ十四か五でございました」

「お前は十四五の男に殺されたのか?」

「さようでございます。恨みがもう・・・私を殺した以上は、神主を殺した以上は、物凄い苦しみを与えてやろうと想ってとり憑いているのでございます」

「お前はどのような殺され方をしたのだ」

「どのような殺され方と?それはこいつに毒を呑まされたのでございます。もう喉が焼け、内臓からもうめちゃめちゃでございます。」

「そうか、お前は毒を呑まされたと云う事か」

「さようでございます」

「なぜ、そのような毒を呑まされるような事になったのだ」

「なぜ?」

「おい、其の前に、この男はどのような顔立ちをしていたのだ。お前の弟子だった頃の顔だ」

顔立ちを聴くのは今生と前世の顔の比較をするため。

「こいつの顔は、顔はもう大変男前でございましたねー、もう何しろ若い女がこの男を視ると“キャーキャーキャーキャー”云っておりましたから、それにこれは大変愛嬌がいいのでございます。そして、この男は物凄く優しい喋り方をするものですから皆が騙されてしますのでございます」

「そうか、ではなぜ殺されたのだ」

「なぜ殺されたと云っても、私これの上司だったものでございますから、私はこれの教育をしていたものでございます。私たち神主はある一定期間、寄宿舎のようなところがあって、そこに皆勉強に逝く訳でございます。神主の勉強に逝く訳でございます。そこで私は、この男たちに色々な事を教えていた訳でございますが、この男は私が教えている時に、この男はニコニコして“先生、ご神官様、あなた様の云う事は良く分かっております。あり難き幸せに存じます”と大変言葉使いも綺麗で、もう本当にこいつは真面目なやつだなぁと想っていたのでございますが、それが嘘で、根っからの嘘つきだったのでございます。そして、ある日、同じ神主の勉強をしている子供のお金が無くなったのでございます。それで、誰が金を取ったのだ?神主になろうと想っているものがそれではいかんじゃないか!この中に犯人が居る筈じゃ、犯人は必ず名乗り出てくるがよい!神に仕えるものが、そのような手癖が悪くてはどうしょうもならん!そのようなものには、絶対神主の資格を与える訳にはいかん。しかし、自分から素直に白状すれば今回に限り罪を軽減してやる、と云う形で何十人も居る神官を一堂に集めて私が話をしていたが、誰も名乗り出て来るものはいなかったのでございます。で、この男は、話が終わった後私の所に来て“何々が盗んだのではないでしょうか”と私に云ってきたのでございます。それで、その子供を呼び出し大変な折檻を与えたのでございますが、その子は全く白状をしない。それで、お前本当に視たのか、と云ったら“いや、視たのじゃなく、そんな感じがする”と言葉をクルクル変えて、お前おかしいのではないか、と云ったら“いや、そんな事はありませんよ”といい、お前がもしそんな嘘を云ったら、この養成所は首じゃ!と云ったら“いえっ、そんな事はありません。私は確かにあいつが取ったような気がしたもんでございますから”といい、ハッキリせんとつまらん。また明日私のところに来るがいい!と云うと“先生、そこまで云うのなら私を、私がお金を取ったと云う事で私の両親に打ち明けてもらって結構です。そこまで云うのなら、私の身の潔白を立てない限り、この養成所ではやっていけませんから”と云う事で、よし、分かった。ならば、明日お前の家に逝くぞ!と云えば“分かりました。じゃぁ先生明日私がお迎えにまいりますから、それでハッキリさせましょう”と云う事になって、こいつの家は私達の宿舎から何里も離れておりましたもんですから、途中で饅頭を食べると云う事になって、こいつが親から造って貰っていた饅頭を包みに入れていたのでございますから、途中、私たちが歩くところはもう殆ど山道でございますから、山道の景色のいいところに上がってちょっと休憩して饅頭を喰って逝くか、と云う事になって“先生そこがいいですよ。”と連れて逝ったのが山の人気が無いところで“まぁいいや、そこで座って喰おう”と座って喰ったのでございます。そしたらそれに毒が入っていたのでございます。そして、私はもう七転八倒の苦しみで、苦しみで気がついたら、もうこっちに来ておりました。未だに口から血の泡が吹き出ているのでございます。もう腹が悪いやら、胸やら何やら、もう毒が通ったところがもう爛れてしまって、今でも口から血の泡が吹き出るのでございます。もう、この血を視るたんびに“こいつも!こいつも!こいつも絶対に、こいつにも毒を喰わせて、わしを殺した以上こいつも、こいつも必ず呪い殺してやる!(声が呪いの声になる)アアーッ、のろいころしてや〜〜るっ、こいつが!!アアーッ、どくをくわせやがって!!どく饅頭をくわせやがって!!こいつを必ず地獄の果てに叩き込んでやる!!アアッ〜〜、たたきおとしてやる!!のろってやる、おぼえておれ!!“」

「そうか、それ程悔しいのだな・・・」

「クククッ、毒を呑まされて血を、血の泡を吹いて・・・アアアッ、七転八倒の苦しみでこっちに来て、未だにのた打ち回って、この苦しみが・・・か、神様にご理解出来るでしょうか?」

「そうだなぁ、我にはその苦しみは分からない。だが、お前の悔しい気持ちは理解できるぞ・・・しかし、この男は、今はまだ小さな子供だ」

「さようで・・・小さな子供であれ皆大人になるので、こいつはそれまでに地獄に叩き落してやろうと想って、クソッ!しかし、またどうしてあなた様のような神の元に、こいつが縋っていったのか今でも信じられません。私のちょっとした油断で神様のところに逃げ込みやがって!!」

「では、お前は今、復讐はどのようにしているのだ」

「こいつは、まだ私がやっている事には何にも理解できん。理解できません。しかし、こいつの先はもう無いでしょう。何れ、こいつは血を吐きますよ。私は口から血の泡を吹いているのです。こいつの内臓もガタガタにしてやりますから、みとってくださいませ神様。こいつも口から血の泡を吹くように内臓をめちゃめちゃにしてやります。」

「では、今はどうしているのだ。今だ」

「今は、まだそこまではいっておりませんが、しかしこいつの体は半分ガタガタでございますよ。こいつはまだ小さいでしょうが、だが成長するたびにもっとどんどんどんどん悪くなっていくんでございますよ。成長すればするほど、こいつは悪くなり、最後は口から血を吐くように仕向けるのでございます。」

「そうか、よく分かった。少し待て」



と云う事ですネー

<半分ガタが来ていると云う事は、何かもう障害が出てくるんですかねー>

成長と共に悪くなると云っていますねー

<ふーん、良かった、来て。短命て言われた事があって、生命線が短い>

口から血を吐くようにするとも云っていますから・・・相当の怒りがあるのでしょう。

<良かった、来て・・・>



「おい、お前の云う事は良く分かったぞ」

「さ、さようで、かみさま、神様」

「今からお前の内臓を全部元のよう治してやる。それに口から血を吐いていては気持ちが悪いだろうし、苦しいだろう」

「苦しいなんちゅうもんではありません。口から血の泡が吹き出るたびに、こいつを・・・こいつを、早くこいつを成長させて同じように口から血を吐くように、そしてこいつを殺して、こっちに引きずり込んで、そして必ず、必ず地獄に、引き摺りこんで地獄の底でのた打ち回って苦しむように・・・ウウッ、アウッ(苦しみ始める)ウウッ、アウッ・・・みみ、視てください。この血を、顔も血だらけ、アッウウウウウッ、顔も血だらけ・・・まま、真っ暗じゃ・・・はは、鼻から、鼻から耳からも・・・チチ、血が・・・アアッ苦しい、アアアッくるしい!」

「よし、分かった。お前の苦しむ声には耐えられん。今すぐ治してやろう。元の体に戻してやろう」

「ああ、ありがとう、アアッありがとう」

「そこに居るのか?」

「ここに、ここに、オオッオウッウウウウッ・・・」

と云う事で早速治療を始めよう。

治療と云っても、こちら側では私が両手を回したり、印を組んだりするだけだが、この動きが向こう側では大変なエネルギーに変わっていくのだ。

多分、これは私の想像だが、向こう側にいる私は光である。

所謂太陽に近い光なのでは無いかと思われる。

と云うのも向こう側に居る怨霊が“たた、太陽が!”と驚きの言葉を発したからである。

その光が、キズだらけの体を満遍なく覆いつくすのだ。

そしていたるところに出来た身体の障害を復元させる。

それとともに、記憶を司る神経に作用し、死んだ事や死の経緯、死ぬ直前の痛み、恐怖の全てを忘れさせるのだ。


両手を動かし始めて数分後・・・。

「ウウッウーッウーッウーッ・・・ウワーッウワーッ」

と暫く唸っていたが・・・。

「ウウッウウッ・・・うん?・・・ほう、ここはどこか?なぜお花が・・・綺麗な花がいっぱいだなぁ、ここは、なぜお花がいっぱいなのか、うわーっ、いい匂いじゃ、これは・・・ほんとにいい匂いじゃのう、これは、うわーっいい!最高じゃのう、うわーっ綺麗なとこじゃ」

降りたところは三途の川の待合所。

「そこには、何があるのだ?」

「ここには何があるのか?うーん、誰じゃ、喋りかけたのは?」

私の事も忘れているようだ。

「神じゃ」

「かかか、かみさま?かか、神様でございますか」

「さようじゃ」

「うわーっ、かか、神様にやっと、神様に、わわ、私神様にお仕えしてもう長いもんでございますから、やっと神様に」

「そこは、どのようなところだ、云ってみよ」

「ここ、ここは神様、あり難き幸せで、おお、お花畑でございます」

「視えるものを全て喋るがいい」

「ああ、ああ分かりました・・・神様、私どうしてここに居るのでしょうか?」

「お前は死んだからそこに居るのだ」

「わわ、わたし、死んだ?」

「そうだ」

「わわ、わたしなんで死んだのですか?」

「なぜ死んだのかは分からないが、そこは死んだものが逝くところじゃ」

「ワワワッ、私、神様・・・おかしいなぁ?神様わたし、死んではいないですよ」

「死んでは居ないではなく死んだからそこに居るのだ」

「いえいえ、私は死ぬような、えっ、酒を呑んで?何か食べたっ、そう云えば・・・い・の・しし・の肉、あのイノシシの肉があたった?」

「何かは分からんが」

「そういえば、あのイノシシが少し古かったからかなぁ?あのイノシシの肉が古くて当たって死んだんですかねー私は」

「そうか、それは分からんなぁ」

「いやっ、イノシシの肉、いやっ、魚、魚の骨が喉につまったかも分からんなぁ、魚も食べたんですよ。魚はもう私、骨から全部食べるものですから、まさか魚の骨で?いやっ、イノシシの肉が当たって、だけど私、死んでないんですけどねー」

「いやっ、お前は死んではいないようにあるだろうが、実は死んでおるのだ」

「さ、さようでございますか、か、神様、そう云えば、死なんと神様にお会いできませんねー」

「そら、そうだなぁ、お前が死んだから我と会えたのじゃ」

「さ、さようでございますねー、だけど、神様、死ぬと云う事は悪い事ではございませんねー」

「そうだ、いい所だろう」

「いや、大変いいところでございますねー、ここにはお花がいっぱいありましてですねー、何かずーっと向こうの方にはですねー小高い山(先程までいた怨霊の棲みか)がありましてねー、林がありますねー、そして、おうっ、川が、川がありますねー、川の向こうに、何か百姓みたいな人が居りますねー、ここはだけど、お花畑でですねー、何か蝶々がいっぱい飛んでおります・・・うわーっ、綺麗なところでございますわっ、本当に、ここは本当に死んだ人が逝くところなら私、何回死んでもいいですねー私、わたしがやっぱし神様にお仕えしているから、こんな綺麗なところに来れたんでしょうかねーー」

「そうか、それ程綺麗なところか」

「いや、匂いはいいしねーもう、蝶々が、何かもうほんと、いやっいいところや、のどかなところやぁー、む、向こうには何かお百姓さんも居るし、うわーっ、なんか夫婦ですかねーあれは、側にちっちゃい子供も居りますねー、のんびり、のんびりしています。あっ、何か誰か向こうに迎えに来ています」

「何人来ているのだ」

「1,2,3、えっ、4人、5人、うわーっ、いっぱい来ていますわっ・・・ろ六人、うわっー、まだ居りますワッ」

「どのような感じの人だ」

「ど、どんな感じ?うわーっ、なんか知らんが、皆えらいニコニコして裕福な感じの、年配の方でございますねー、うわーっ、皆ニコニコしている、うわーっ、何か呼んでおりますわっ、私を、私なんか知っている人かなぁ、何か記憶があまり、あっ、分かった、分かったっ、直ぐ逝きます、直ぐ逝きます。神様ちょっと逝ってきますんで、ああっ、分かった、分かった・・・」

とお迎えに見えたご先祖さんに返事をしているのか私との会話も上の空で、ちょっと逝ってくると言ってそそくさと去ってしまっった。

が死んでも、死んだとは気づかない程霊界の待合所は生前と同じと云う事なのだ。

あれ程死んだと云ったのだが納得はしていないようだ。

多分今頃“ここは天国”と勘違いでもしているのではないだろうか。

お花畑で匂いが良く、蝶々が飛び、子供が遊ぶ風景、何回でも逝ってみたくなるような風景だと。

今回の神官が降りたところが死後の世界を疑似体験された方々が視るお花畑と大分似ているような気がするのだがどうだろうか。

やはり前世が神官と云う地位にいただけに先祖も裕福そうなヒトビトばかりのようだ。

またお迎えも華やかなものだ。

大勢でお迎えに来たとは。



さて次に女性の怨霊が出てきたのだが、残念な事にこの怨霊との会話は録音されていなかった。

が殺された時のキズを治し成仏させたのは言うまでもない。


と云う事で、三番目の怨霊の叫びを記すとしょう。

「可愛Jr入って来い、可愛Jr入って来い」

と呼ぶが警戒しているのか中々入ってこない。

が入っては来たが、なぜか泣いている・・・?

「おい、お前はどうして泣いているのだ?」

「あっああああ・・・」

「どうしたのだ、なぜ泣いているのだ」

「アアッ・・・タタッ、アアアアッ、おお、おゆるしくださいませ、えーん、えんえん、アアアッア―ンア―ンアン・・・」

「許してやるから、なぜ泣いているのだと聞いているのだ」

「ううっ、も、もうやめてくださいませ・・・おお、おねがいいたしますから、も、もうやめてくださいませ」

お前は誰だ!と言っても返事をしないから先ほど念を入れていたのだ。

その念が相当きつかったのか?

えーんえーんと泣かれると何か可哀想な事をした気がする.......。

「やめろ、と云うから今は何もしていないだろう?」

「アアアアッ・・・アアアアアッ」

「お前は男か女か、どっちだ」

「アアッ、私女でございます・・・わたし、わたし・・・」

「私わたしと云うがお前は可愛Jrにとり憑いているものだろう」

「とと、とりついていると云うがアアアアッ、、この男にくるしめられて、苦しめられて、アアアッ、毎日、まいにち、じじ、じごく、地獄でございます・・・おお、おねがいですから許してくださいませ・・・」

「お前は誰に謝っているのだ」

「ウウッ、わたし、私自分の運命をのろっているのでございます・・・ウウッかみさまでもいいから、私を許して」

「お前を許してやりたいが、まずお前がこの可愛Jrに何をしているのかそれを云ってみよ。お前が全て喋ればお前を助けてやる」

「わわ、わたし、私、この男は全く知らないのでございます・・・わわ、わたしは庄屋の娘で、えーん、えんえん・・・お町に逝って帰る時に、アアアアッ、お家に帰る途中、アアアアアアッ、ととと、突然暗がりからアアアアッ、首を絞められ、山に引き摺り倒されアアアアアッむむむ、無理やり足を、あしをひらかされアアアアッ、あしを、足を開かされアアアアアッ、あ石で、アタマ、アタマアアアアアッ、アアアアアッだれかわたしを、だれかわたしをアアアアッいたくて、痛くてああああっ、あたまから、あたまから、ああああっ、あたまがいたい!あたまがいたい!アアアッアタマが痛い!!」

頭の痛さと足を無理やり広げられた恥ずかしさ、悔しさで泣きながらやっと喋っている。

なんだか余計に可哀想になって来た。

「そうか、それほど頭が痛むのか。ならばその頭の痛みを先に治してやろう。そこでじっとしておれ」

と云い、あまりに激しく頭の痛みを訴えるため急遽、両手をそそくさと動かし頭痛を治すことにした。

そして数分後・・・。

「どうだ、痛みは薄らいだか」

「いたみ?あらっ、痛み?あらっ、あらっ、あれだけ痛かったのに、痛みが消えている?ああらっ、うそ、嘘?あなた様は、どど、どなた様でございましょうか?私のいたみは?あらっ、痛みが消えた、ど、どうしたっ!」

「我は神じゃ、お前が我を呼んだのだろう」

「ああっ、かか、かみさま?もう、本当に神様でございますすか」

「さようじゃ、神じゃ」

「ああっ、ありがたき、あり難き、わたしのねがいが、私の願いがと、届いたのでしょうか?」

「お前は、どのような願いをしていたのだ」

「神様に私、助けて頂きたかったのでございます」

「お前はどうしてそのような状態になったのだ?」

「ど、どうしてこんな状態になったのか、私も分かりません・・・わ、私十二の時に、とつぜん、突然、私がお家に帰る時に後ろから首を絞められ、引き摺り倒され、足をひらかさられ、頭を石でガンガンガンガン、ガンガンガンガンたたかれ、叩かれ、ガンガンガンガンたたかれ、叩かれ、きお、きお、きお、こっちに・・・目が覚めたら頭が血だらけで、血だらけで、下も血だらけで、ここ、この男の匂いだけが体に残って、今も鼻に、鼻にこの男の・・・なんとも知れん匂いが体に残って、私はこの匂いを元に、私を殺したこの男に、とと、とり憑く!!アアッわたし、わたし、お父さまやお母さま、お姉さまやお兄さまに・・・と、突然こっちに来てしまったものですから、ああっ、逢いたくて、逢いたくて・・・ああっ、頭が痛くて、頭が痛くて、一言、私の不幸をお父さまやお母さまにお詫びしなければと・・・誰か助けてーー!誰かたすけてーー!と何時も叫んでおりました」

「そうか、それは悲しい事だなぁ、では、お前はこの男にとり憑いてどのような事をしているのだ」

「どど、どんな事も、こんな事も、この、この、この悔しさは、わたしまだ子供ですよー、私まだ何も知らない子供だったんですよー、其の私を、無理やり首を絞めて引き摺り倒し、頭を石でガンガンガンガン、何回も、何回もガンガンガンガン・・・私の記憶が無くなるまでガンガンガンガン・・・そして気がついたら、こっちに、こいつのにおい、におい、匂い、においだけを頼りにこいつに、こいつ、私こいつ、こいつを、こいつ、こいつをじごくに、地獄に、じごくに、じごくにククククッ・・・のろってやる!呪ってやる!こいつを、こいつを末代、末代まで、こいつが結婚して子供が出来たら、またその子供共に乗り移って、そしてその子供が結婚したら、またその子供にも乗り移って、こいつ、こいつ、こいつの未来永劫まで・・・こいつの子供に乗り、孫に乗り、其の孫、其の孫、そのまご、みんなを呪って、のろのろのろ・・・い殺してやる!!」

「そうか、よく分かった。少し待て」



凄い執念!

<凄い残虐になってっ・・・恨みがぜーぶ凄いねー・・・殺し方が?・・・女の人が多いですネー、最初がそんな感じだったから>

昔は町を抜けると殆ど森のような林の中ですから

<うーん・・・・>

昔は犯人が中々捕まらなかったから、何人もの女性が犠牲になっていたのです。

女性の恨みは怖いですネー

<この子が生まれる時に臍の緒が二つ半ぐらい巻いていたんですよ。それでよー助かったなぁと思って、えらい心配したんですけどねー>

《お腹に居る時からそうあるんですねー》

そうでしょう。

たとえ人間界が千年経とうとも怨霊の世界はほんの三四年ぐらい経た程度ですから、浦島太郎の(諸説あるが)童話でもあるように龍宮城で三年遊んで暮らし、帰ってみると既に三百年経っていたと言う逸話があるくらいですから、人間界と霊界では途方も無い時間のズレがあるのです。

だから、孫から孫に、と恨み、復讐を続ける事ができるのです。



「おい、今でも頭から血が流れているのか」

「ちち、血が流れるとかそんな生易しいものではございません。頭がボコボコで何か出て、出て、もうそれよりも痛くて、痛くて・・・考える、ただ考えるのはお父さまやお母さまに挨拶もせずこっちに来てしまった事が、ただ後悔、こうかい、さびしくて、寂しくて、さびしくて、頭が痛くて、あたまが痛くて」

「そうか、よし、では今からお前のその頭のキズを治し、痛みをなくしてやろう。そしてお前が死ぬ前の綺麗な身体に戻してやろう」

「ヒエッー、そのような事が、かか神様、そのような事が・・・」

「そうじゃ、我は神じゃ、其のぐらいの事は直ぐできるのじゃ」

「さ、さようでございますか、私着物がもうヨレヨレ、着物はヨレヨレで血だらけで、こ、このような格好では幾ら体が治っても父上や母上、お父さまやお母さまのところにご挨拶逝く訳にはいきません。」

「だから、その着物も新しいものにしてやる。死ぬ前よりももっと綺麗な体にしてやろう」

「今もこの体を視ると血だらけで、歩くのもこの状態ではもう歩けません」

「もう歩かなくても良い。今から治してやるから安心するがいい」

「ああっ、さ、さようでございますか、だけどこの、だけどこの恨みだけは、恨みだけは忘れる事ができません。恨みだけは絶対できません」

「分かった。恨みは忘れるな。仕返しもちゃんとやるがいい」

「そそ、さようでございますか、かか、神様にありがとう、有難うございます・・・どうか、身体を治して頂けたら、一目だけでも父や母上、お父さまやお母さまの元に逝ってご挨拶して、そしてまた戻ってきて、この男を、この男を地獄の底に引きずり込むまで、未来永劫祟ってやろうと想っております」

「そうか、お前の気がすむまでやるがいい、分かったなぁ、では今から始めるぞ」

「ああああっ・・・」

<あのう、他に憑いているか聞けますか?>とご相談者。

「おい、そこに居るのか」

「こ、ここに・・・」

「おい、お前は、周りは視えるのか?」

「まわり?ど、どこの周りでございますか」

「お前のおるところの周りじゃ」

「あああっ、わわ、分かりません・・・まわりなんかもうどうでも、どうでも!」

「分かった、分かった、そこにおれ」

「あっああああ・・・」



と云う事で、先程と同じように両手を動かし、キズを治す術を始める。

そして・・・ついた、三途の川に

「わたし、今まで何をしていた?早く、お父上と母上のところに逝かなくっちゃ・・・お町でお買い物をして、お饅頭を食べてお友達とお話して・・・今日は一日楽しかった・・・早く帰らなきゃ、お父様やお母様、お姉様、皆が心配している。早く帰らなきゃ・・・早くかえらなきゃ・・・」

早く帰らなきゃ、と言って突然消えた。

・・・・・・まだ可愛い少女だった。

こんな可愛い少女が残虐な殺され方をしていたのだ。

優しい父や母や姉に囲まれて幸せな人生を歩いていたのに。

しかし、前世で酷い殺され方をした記憶が消えた事に少しは安堵する。

そして・・・・・まだ生きていると勘違いをしている。


今回、庄屋の娘は、霊界の待合所には逝かなかったのか?

まだ生きていた時の延長線上にあるのだろうか“早く帰らなきゃ”とは・・・このようなケースは始めての事だ。

だか、何とももの悲しい結末だが、助ける事が出来て良かった。

が、この可愛Jrの怨霊の祟りは、これで終わりではなかった。

まだ前世の怨霊が他にもいたのだ。

果たしてこの後何人の女性を手にかけていたのだろうか。

まだ可愛いさかりの、この坊やは生まれながらにして呪われていたのだ。

が私との今回の出会いが無かったら、と考えると、そら恐ろしい人生の結末を迎えていたのではないだろうか。

しかし、これも何らかの縁があったから助ける事ができたのだろう。



次は四人目の怨霊である。

「可愛Jr入って来い、可愛Jr入って来い」

と呼ぶがやはり今回も簡単には入ってこない。

あとに残っている怨霊は警戒しているのだ。

前に居た怨霊が突然皆いなくなることから何が起きたのか、と。

それでも諦める事無く呼び続ける。

そして、5分過ぎ、呼び疲れた頃・・・。

入ってきた

「お前は可愛Jrか?」

と聴いても無視・・・・・・・。

それで......

「ヤメテッ、ヤメテクダサイマセ」

入ってくるなり念を入れる。

「やめてくださいではない。早く出てこないからだ!」

「すす、すいません」

「お前は可愛Jrにとり憑いているものだな」

「と、とりついている?さ、さようでございます」

「お前は男か、女かどっちだ」

「わ、私女でございます。」「お前は女か!」

「さ、さようでございます」

「お前とこの男はどのような関係だったのだ・・・お前は前世で何をしていたのだ」

「私は、可愛Jrに仕えていた女でございます」

「仕えていた?と云う事は肉体関係があったと云う事か」

「さ、さようでございます」

「では、妾と云う事か」

「さようでございます。まぁおめかけさんと云う形で仕えていたのでございます」

「そうか、妾だったのか」

「さようでございます」

「では、この男の性格は良く知っているのだろう」

「性格は良く知っております」

「では、お前が、この男の性格をちゃんと云えれば、お前が間違いなく前世で仕えていたもの、憑いているものとして認めてやる」

「可愛Jrに憑いている、いないじゃなくて、別にそんな事は関係ありません。私は、恨みがあってとり憑いている訳でございますから」

「そら、そうだなぁ、ならば性格を云ってみよ」

「セイカウ?この男は、見た目は大変男前で、みんなから“やさしーい、あの方はやさしーい人やなぁー”と皆から云われるんですよー」

「そうか、では、この可愛Jrは、仕事は何をしていたのだ」

「ここ、この男は神主、神主様でございました」

「神主だったのか」

「さ、さようでございます」

「では、お前と知り合ったのは幾つの時だ」

「私が、この男と妾として暮らすようになったのは私が、十・・・二十歳、二十一だったのです。」

「では、お前は、結婚はしなかったのか」

「私は、結婚は全くする気はありませんでした」

「では、お前の両親は何をしていたのだ」

「私の両親は百姓でございますから」

「そうか、百姓だったのか」

「さようです。ですから可愛の妾になれと云われて、私、まぁおまんまの、いいおまんまが食べられればいいと想って一緒になったのでございます」

「そうか、ではもう一度、この男の性格を云ってみるがいい」

「性格はだから、先程云いましたように顔は大変男前だし、で大変優しいんです。で喋り方も本当にあのう、ゆっくりした喋り方で“ああっーこの方は知性豊かなんだなぁ”と誰でも彼でも直ぐ分かるのでございます。で、ですが、それは表面上で本来はほんと冷たいんです。で、ですから、外面と内面が全く違う訳でございます」

「外面と内面がそんなに違うのか」

「さようでございます」

「では、お前が妾になった時は、この男は幾つだったのか」

「この方は、うーん28・・・9だったと想います」

「28,9だったのか」

「さようでございます」

「では、なぜお前は殺されたのだ?」

「私、この男に殴り殺しにあったのでございます。私は、この男に仕えて、この男が、もうちょっとでも何かあると、本当に私誠心誠意仕えて、つくして、つくして尽くしたのですが、この男は大変嫉妬深くて、ちょっとでも私がお町に逝ったり、外に出て男の方とちょっとお話しただけで、その時はニコニコしておりますが、家に帰るともう大変な、ふんだり蹴ったりされるのです。もうそれで私の体は痣だらけで、もう毎日毎日、怯えて、怯えて、もう朝早くから起きて、ごはんの支度をして、そしてこの方が私のところに、もうみえない時は、もう私死んだようにグッタリ部屋で寝て居ります。ところが、この方は何時来るとか全く云わないのです。大変卑怯な、何時も突然、夜中だろうと、朝だろうと、昼だろうと、一日のべつまくなく何時来るか分からないのでございます。こない時は安心して“ああっ良かった”と安心して寝て、それでも突然来られた時にはもう慌てふためいて飛び起きますが、それではもう間に合いません。もうその時には、もう顔が鬼のようになって、私の髪を引っ張り回して、もうふんだり蹴ったりされるのでございます。まいにち毎日が恐怖、きょうふ、もう地獄の日々でございます。それでも優しい時には“おい、来なさい・・・お町に連れて行ってお前の好きなものを買ってやるから”と、この方はお金にはわりと不自由はしていないのです。神主様と“神主様、神主様”と顔が良くて人当たりがいいもんでございますから、わりと人気があって、お金には困らなかったのでございます。ですからたまには私に“おう、いいべべ買ってやるから、どれが良いか”と聴かれるが、私、べべを買ってくれる、着物を買ってくれると、嬉しくて着物やさんに連れて行ってもらうのでございますが、私の、この男は私の顔には手を出さず、体中痣だらけになっているもんでございますから、どこに逝っても私うらやましがられて“あのおめかけさんはいいねー、あんな男前の旦那さんで、あんなに優しくして貰って、そしてあんな高価なものまで買って貰って”と陰口を聞くぐらい、傍の人から視ると私をうらやましく想っていたのでしょう。ところが家に帰れば大変な事でございますから、まぁそれでもそういう優しさがありますから、まぁ私も耐えておりました。だけど、もう本当に毎日毎日が地獄でございます。ちょっと外に逝って何かお話しただけで“今日、お天気がいいですねーとか、今日は雨ですねー”とかその一言をもし視られたら、もう家に帰ったらもうふんだり蹴ったりでございます。髪の毛引きちぎられてふんだり蹴ったり、私顔は叩かれないんですが、顔が柱にぶっつかって口が切れて歯が折れて、ちが、血が滴り、恥ずかしくて、恥ずかしくて、外に出る時やお買い物をする時でも、口から手を離した事はありません、ウウウウッ、お、鬼のような男で私、とうとう最後は私、我慢出来ずに、に、逃げたのでございます。私は、私の実家に帰ると家まで追いかけて来るので、怖くて私の実家の、父親の親戚のところまで逃げて逝ったのでございます。そしたら、この男はどこで私の居場所を視つけたのか、探し当て、そしてそこで木刀のようなもので頭を滅多打ちにされて、わたし、私気がついたらこっちに来ていたのでございます。」

「では、お前が殺された季節は何時ごろだったのか」

「わ、私が来たのは夏の暑いさかりでございます。そして、気がついたらこっちに来て、頭から顔から血だらけで、もう体中が、もうぶくぶく、そして蛆虫が頭に、頭におって顔に下がってくるのです。だから、顔が痒くて、痒くて、ウウウウッ、この男絶対、この男絶対ゆるすものか〜ゆるすものか〜アアッ・・・この男、のろいころす〜のろいころす〜!(お化けの声に変わる)のろいころしてやる〜〜このかおをみよ〜、かおはちだらけじゃ〜、口は歯がぬけ、からだはがたがたにかわって〜〜そして、わたしは・・・うらみ〜はらさでおくものか〜〜アアアアッ、あなたさまはどなたさまかわかりません〜〜わ、わたし、くやしくて〜くやしくて〜このきもちわかっていただけますか〜・・・」

「よし、お前の悔しい気持ちは分かったぞ」

「ウッアアアア・・・」



《うーん、こわーい》

<何か、結構強い恨みが多いですねー>

《口が荒れてるのも、それかも知れない》

<何か、良くアレルギーと云うか口の周りがいきなり腫れたりとか・・・自分の息子が前世でしたことなんですが、何かこう罪を感じるんですよねー>



「よし、次を話してみよ」

「ウウウッ、わたしの気持ちを、少しは、少しは分かっていただけた出しょうか?」

「そうじゃ、お前の気持ちは良く分かった。我の目の前に居る人間は視えるか?(母親)」

「視えております。この方は確か、この男の母親でございますかねー」

「さようじゃー」

「あああっ、大変申し訳ございません・・・この男に私、ころされたのでございますよ〜ああっー毎日毎日地獄、そしてやっとにげて、にげて、にげて逃げたと想ったらしがみつかれ、ぼ、木刀で、木刀であたまを、頭を・・・ち、血だらけで頭の上には蛆虫が、うじむしがわいて、ウウウッ今も時々顔に蛆虫が、は、はうんです。わ、私、手も折れて、その蛆虫を手で除けられない、ですから蛆虫が這うから痒い、口は歯も無くて、口には血の塊が、いっつも塊が、口の周りが痒い・・・だ、だけど手が動かない手が・・・わたしのろってやる〜〜、にどと、二度とわたしのような犠牲者が・・・このおとこ、のろって、のろって、呪い殺して、じごくの、地獄の淵にたたっこんで、たたっこんでやる!!こやつは神主の・・・化けの皮を被った鬼でございます。わたしは、おには、鬼は地獄の、じごくのじごくのじごくの・・・淵にたたっこみ、たたっこんでやる〜〜」

「そうか、だがこの男はまだ子供だが、もう何かしているのか?」

「何かしている?わたし、この男がはやく大人になるのがまちどうしくて、まちどうしくて〜〜、今この男は、今この男が寝ている時には、私はじーっと上からいっつも、じーっと視ております。うへへへへ・・・こやつが一日も早くおおきくならんか、おおきくならんか、私は何時も上からじーっと視ております。そうすると、この親(母)は感が言いと云うか“誰か居る、誰かおる?”と何時も誰か居る、と夜中にヒヒヒッ、目を覚ましては“誰かが居る、おかしいなぁ誰かが居る”とよく、きょろきょろしております。私は、この子の頭の上からじーっと視ているのでございます。」

「そうか、では今はまだ何もしていないのか?」

「何もしていないと云う事はありません。今はまだちいさい、小さいから視ているでけでございます、ウフャウフャウフャヒャアアアアッ・・・よく、よく、この顔がどのように化けてしまうか、こやつがどのようになるか、貴女は母親で大変申し訳ございませんが私は、こやつに殺されたものでございます。こやつに殺された復讐だけはさせて頂きます。そしてこやつを必ず此方に引きずり込んでじごく、地獄の責め苦を、地獄の責め苦を、私は時々この母親にも入って居るのでございます」

「なに、お前はこの母親にも時々入っていると云う事か?」

「さ、さようでございます」

「だが、この母親にも色々入っていただろう(前世の因縁)」

「いや、それは、それは居りました。しかし、居ない時もあるのでございます。その時、私が入って、この女は、この母親は、私が入った時にはこの子供に大変厳しく怒らせるのです。そうすると、この女は気違いのようになって子供を叱っております。その時は私が入ってさせているのでございます。私は、これからも、これからもこの女に入ったり、あれに入ったり、これに入ったりして、この男を、この男を地獄の底に一日一日少しずつ引き摺り込んでやろうと思っております。」

「では、この男が大人になったらどうするのだ」

「このおとこ、この男はもう人間じゃないようにします。獣にします。獣にして、一切他の女子には手出しが出来ないようにしてしまい、そして、生涯女子を視ると、モンモンモンモンした感覚になり、そして何も出来ない。悶々して、悶々して毎日毎日、デレッとして視るだけ、視るだけ、一切何も出来ない体にしてしまう。そして、何時も酒に溺れさせ、酒の中でいっつも揉め事を起こさせ、そして人からふんだり蹴ったりされ、顔中が晴れ、歯も抜け落ち、ガタガタにして、それでも“女が欲しい、女が欲しい“とさ迷い歩く。しかし、一切できない。出来ないようにして地獄に引き摺り込んでやろうと想っております」

「よし、そうか、良く分かったぞ」



<あっ、何か胸が苦しいですねー、エヘヘヘッ気持ちが分かるし、でも自分の子供だし>

そうですねカッとなって怒る時はありましたか

<今まで、思い当たる事は2,3回あって、一番凄いのが何か、子供を蹴ったりとかはないんですけど、その時は本当に蹴り倒したいぐらい切れた時がありました。してはいないけど>

では、その時にはこの女が入っていた時でしょう

<で、ちょっと前は可愛いてっ感じないか、自分の子供なのに、たまーに、なんかこう、愛情が醒める時があったんですよね、“それなんだぁ!“と今思ってウフフフフッ・・・家でよく”あっ、今何か居ったよねーて、こう良く視ていた>

先程、怨霊が言っていたように怨霊の気配を感じていたと云うのだ。

やはり、感がいいと云うのか、霊感があるというのか、しかし、子供が寝ている姿を、じーっと上から視ていたとは・・・。

<誰かが、天井に女の人が居る、と云っていた時があったんですよね>

では、これからこの女(怨霊)の体を治してあげましょう。

可哀そうですからねー・・・。



「おい、お前の事は皆良く分かっていたぞ。今から、その蛆虫が這う頭のキズを治してやろうと思うがどうだ?」

「なな、なおしてあげる?ああ、あなた様、どなた様でございましょうか、どうして、どうしてそのようなお力があるのでしょうか?」

「我は神として人間界に降臨しているものじゃ」

「かか、かみさま、神様で、ではこの光、これがあなた様でございますか」

「さようじゃ、お前には光が視えるのか」

「み、視えるんですよ。私ぜんぜん・・・視えるんですよ。だけど私、目を閉じて視ているだけです」

「なに、目を閉じてみている?」

「はい、なんで目を閉じているかと云うと、私頭から血だらけで、目にも血が溜まっていて手が動かないから、目を拭う事もできないから目が開けられないんです。だけど、上を視たら光があるのは分かるんです。先程私にカミナリのような衝撃が走ったのも、このカミナリ、光じゃないのかと想って私、この光が私を追いかけて来るものでございますから、もうほう(這う)て、ほうて木の間を逃げて、逃げて陰に隠れて、どこに隠れても、とうとう捕まってしまってこのような、あ、あれがあなた様、神様でございますか」

「さようじゃ、神じゃ」

「ああっ、それは、かみさま、神様私、私が悪い事をしているのでしょうか?」

「お前が悪い事をしていると云うよりも、お前は殺された方だからなぁ、死んで恨むことしか出来なかったのだろう」

「さ、さようでございます。私は此方に来て恨みを晴らす事しかできなかったのでございます・・・ああっくやしくて、悔しくて、もう目も開けられず、血だらけの体で、ガタガタで、蛆虫が這っているのは分かるのですが、それを獲る事もできない体にされたのでございます・・・あれだけ尽くした男から、あれだけ尽くした男から・・・何時帰ってくるか分からない男をねらずに待っていた時もありました・・・アアアアアッ・・・ずーっと、ずーっと寝られずに何日も、何時帰ってくるか、いつ帰ってくるか、怖くて、怖くて、寝られず、ずーっと待っていた。それ程尽くしたのに、踏んだり蹴ったりされた。挙句の果てに殺されて、そして死んでまで、死んでまで蛆虫が獲れない体にされてしまって顔が痒くて顔が痒くて、口が痒くてもうアアアアッ悔しくて、かか、神さまお許しください。わ、わたし、この男を地獄の底に引きずり込むまで離れたくありません」

「そうか、ならば離れなくてもいい。だが、蛆虫が這う其の体では困るだろう。だから、体だけは治してやる。そうしなければ恨みは晴らせないだろう」

「ささ、さようではございません・・・カカ、神様、体が綺麗になるのですか?」

「そうじゃ、元の体に戻してやるのだ」

「ああ、あありがたき、それでは、それでは存分に、存分にふくしゅう、復讐が、ああっ、あり難き、あり難き幸せにぞんじます」

「では、そこに横になっておれ」

「ああっ、よこ?横になってよろしいので、そんな失礼な事はできません。ちゃんと、ちゃんと座っております」

「座る事はできるのか?」

「座るというよりも、なんとか神様が私の体を治して頂けるのですから、それなりの礼儀を尽くさなければ、私幾ら百姓の出とは云っても神主の、神様に仕える男のおめかけさんでございましたから、其れぐらいの礼儀、礼儀はわきまえております。」

「よし、分かった、お前の一番楽な姿勢で座っておけ。分かったのう」

「ああっ、あり・・・」

ありがとうと言う言葉を最後まで訊くことはなく.........

両手を動かしはじめ・・・10数分後

「あらっ、ここはどこ、どこ?」

三途の川だ。

「そこはどのようなところだ」

「ここは、どんなところ?あらっ私の・・・私のところに誰か居るのかしら?」

「そこはどのようなところだと聞いているのだ」

「うん?誰か私に話しかけている・・・ここ、ここは何か山の麓のような、何というところ・・・うーん、何かここはなんかこう山?私こんなとこ来た事はないなぁ」

「そこは、綺麗なところか?」

「きれい、と云うよりも何か山の・・・ふもとかなぁ、ああっ、あんなところに川がある。ど、どうしてこんな川があるのかなぁ?」

「そこに視えるものを全部云ってみよ」

「な、なにがあるか?あ、あなた様どこからお話をされているのでしょう?」

「お前の頭の上を視るがいい」

「頭の上ですかぁ、うわっ!!ウワッ眩しい、ウワーッ眩しい!うわーっ、眩しい」

「眩しいか」

「まぶしい!!うわーっ、眩しい」

「その光がわれじゃ」

「ええっ、あなた様、お光様でございますか」

「そうじゃ、光じゃ」

「さ、さようで、私なんでこんなところに居るのでしょうか?」

「お前は死んだからなのじゃ」

「えっ、私、死んだっ!そ、そんな馬鹿な、わたし、旦那さんの帰りが遅いからじっと待って、うたた寝していたのですよ・・・う、うたた寝して死ぬ?そ、そんな馬鹿なこと、私生きていますよ。ここはどこかなぁ、私初めて来たとこ、何か、なんか山の麓のよう」

「山の麓とは、そこに山があるのか?」

「や、山はむこーにあるんですよ。向こうにあって、下にずっと木がいっぱい生えていて、そのずーっと下に来ているんですよ。こんなとこは初めてですよ」

「そこは明るいのか?」

「あ、明るいんですねー、でなんか向こうの方に川(三途の川)があるんですよ。か、川があって、なんかうん?何かなぁあの川は、私が子供の頃視たような川、かわ・・」

「その他には何があるのだ」

「そ、その他には・・・まぁ、目立ったものは、なんかほんと、山の中の川?山の中にしたらえらい」

「おい、お前は、ところで旦那の事は覚えているのか」

「旦那様?私の旦那様は神主様ですよ」

「神主か」

「さようでございます」

「私の旦那様は、神様に仕えている大変お偉い方なんですよ」

「そうか、仲良くやっているのか」

「なかよくって?まぁ私旦那さんと一緒になって、まだそんなに日にちが経っておりませんから」

「そうか、では仲良くやるがいい」

「仲良くやれ?こんなところに私どうして一人で来たのか」

「だから、お前は死んだと云っているだろう」

「し、死んだ、死んだのは私信じられないんですよー。旦那さんの帰りをじーっと待って、うたた寝して、そのまま私死んだんですかねー」

「それは分からないが、お前は何か食べて死んだのではないのか」

「何か食べて?食べるほどいいものは、あっ、そうか旦那さんが、タイ、鯛、そうそう神主の仕事を やっていますからお屋敷を建てる時に、何かそこに逝って鯛を私貰って来て、あっ、鯛を旦那さんにお造りして、そして炊いて私もご相伴にあずかりまして、その時にお骨がありまして、あっ、あの骨が刺さったのでしょうか?」

「それは分からないが、お前は死んだのじゃ」

「ささ、さようでござい、あらっ、誰か、舟が来ました舟が」

「舟がきたのか」

「舟が来て、あらっ誰か百姓みたいな人が一人、おばあさんが乗っておりますわーっ!何かおばあさんが私に“こいこい”云っていますわーっ」

「そうか、ならば逝くがいい」

「い、いく?なんか、何か、汚らしいおばあさんやなぁ、私のお母さんも汚いけど、あのおばあさんの方が、ハイハイ・・・汚いなぁ、汚い人が迎えに、私おめかけさんですよ、あんな汚い人と逝ってもいいんでしょうか?」

「それは、お前を迎えにきたのだからなぁ、逝かなければしょうがないだろう」

「さ、さようでございますかねー、じゃー一応逝ってみます・・・せ、船頭さんこっちー、こっちまできてください。今から逝きますから・・・そ、それじゃ神様・・・」

と迎えに来たご先祖さんの舟に乗り去っていた。

自分の先祖とも知らずに汚いとは良く言ったものだ。

しかし、完全に前世の嫌な日々、殺された記憶は消されていた。

そして楽しい時の記憶だけを残して・・・可愛いものだ。


がこれで今回の、ご相談者の息子さんに憑いていた前世の因縁が全て消えたと言うわけではない。

まだ他に残っているのだ。

果たして後、どれほど悲惨な殺され方をした前世の因縁が残っているのだろうか?

できれば、全ての怨霊を救ってやりたいのだが。



次は、今回のご相談者が福岡県内の、とある別の集合住宅にお引越しをした時のことを記す。

引越しをした其の日、階下の住人から“うるさい!”と苦情がきたのだがどうしたものなのでしょうか?

という内容のご相談である。

“うるさい”と云われた苦情の原因は、果たして。

うるさいと怒鳴られた原因として考えられる事は、今年、幼稚園に入園した子供が部屋を走り回る足音ではないかと言う。

まだ、幼い子供が部屋中を走り回るのは致し方ないことであり、それ程、めくじらを立てるほどの問題ではないのではないかと思われるが、階下に住む住人にとってはうるさくて眠れない程の苦痛だというのである。

さて、このような苦情はどこの集合住宅でもつきものだろうが、果たして同じようなお子さんをお持ちのご家庭ではどのような対処をなされているのであろうか?

当相談所では、この苦情を“数百年前の土地の持ち主”の禍ではないかと思い土地の持ち主を呼び出してみた。

すると案の定........だった。



では、引越し先のマンションに潜む数百年前の土地の持ち主の言い分を記すとしよう。

「福岡市・・・に潜むモノ出て来い!」

と数回呼ぶと静かにナニモノかが私の中に入ってきた。

入ってきたのはいいが、私の問いかけに、やはり無視をしている。

その為、念を入れ喋らせる事にした。

すると

「イヤッ、ヤメテクダサイマセ、ヤメテクダサイ!」

とへりくだる。

念が効いたのだ。

「お前がこの福岡に潜んでいるものか?」

「さようでございます」

「お前は、なぜそこに居るのだ」

「なんでと申しましても、ここは私の屋敷でございます」

「そうか、お前の屋敷か。ところでお前は前世、仕事は何をしていたのだ」

「わ、私は、百姓でございました」

「百姓か、ところで、其処はどのようなところだ」

「ここは、殆ど・・・山ではないのですが、わりとひろーい丘みたいなところです」

「広い丘?のっぱらなのか、どうだ」

「のっぱら?・・・うーん、まぁちょっと高台にあって、うーん丘の、ひろーいところです」

「そうか。では、お前はそこに住む人々に何か(禍い)しているだろう。どのような事をしているのだ?」

「わわ、わたしここの人間にですか?」

「そうじゃ」

「と、ところであなた様はどなた様ですか?」

「我は神じゃ」

「かか、神様でございますすか?」

「さようじゃ、お前の頭の上を視るがいい」

「あ、頭のうえ?いえっ!これ、すごい!凄いカミナリが、これが私の頭の上に、なんか落ちて来ましたもので、び、ビックリしているところでございます」

「その光が我じゃ」

「さ、さようでございますか」

「お前に聞きたいのじゃが。そこの人間にはどのような事をしているのだ」

「わたし?そのような事を言ったらまた神様から怒られますから」

「いや、そうではない。お前が素直に喋ったら怒りはせん。そこはお前の屋敷だろう」

「さ、さようでございます。で、では話しても宜しいのでしょうか?」

「おう、全て喋るがいい」

「わたし、ここの連中にはみんな腹が立っているのでございます。ですから、一人ひとり家に入って、ぼろくそにやっているのでございます」

「ぼろくそ?とはどのような事をやっているのだ」

「ま、まず、ここの人間を毎日、毎日イライラさせております。ですから、ここの連中は毎日イライラしております。何かちょっとでも物音がしたらもう、すぐ喧嘩腰になってワイワイ言い合っております」

「そうか、それはお前がやっているのだな」

「さ、さようでございます。ですから、ここの連中はみんな、朝からもう大喧嘩ですよ。喧嘩ばっかしですよ、ここは、ここに入っている連中は皆喧嘩ですよ。」

「それはお前が腹が立っているからか」

「そうですね、それは、私がもう腹が立っているもんですから」

「其のほかには、どのような事をしているのだ」

「其の他と云うよりも、ここの連中はみんな頭がボケたようにしておりますよ。特に、物事に関しては敏感にさせておりますから、ちょっとの音でも、もうイライラするようにしていますから」

「其のほかにはどうなのだ」

「其の他と云うより、うーんただ、うーんなんと言いますか、私ここを、うーん馬小屋とか牛を飼っていたところなんですよ、ここは。」

「そうか、お前は百姓と云っていたなぁ」

「さ、さようでございます。ここには牛とか馬を飼っていたもんですから、其のときの臭いをこいつらに も、みんなにかがせております。ですから、こいつらいっつも、“なんか変な臭いがするなぁ、変な臭いがするなぁ”と良く言っておりますよ」

「そうか、ではそれもお前がやっていると云うことか」

「さようでございます」

「では、お前に命令じゃ。この12番の部屋は今度新しく変わっただろう」

「は、はい。新しく変わりましたねー。なんか子供が居ってワイワイしております。ですから、もうここの家も揉め事に引きずり込んでおります」

「では、ここの人間にはもう手出しはするな。あとは此れまでと同じでいい。ここの人間にだけは手出しはしてはならん。これは我の命令じゃ」

「さ、さようで、神様と関わりがある方で?」

「さようじゃ、我と関わりがあるものじゃ。だから、ここには手出しは一切してはならん」

「わ、分かりました。ではここだけ、後は手出しをしてもいいんですか?」

「おう、後はお前の好きなようにすればいい。だがここだけは何もしてはならん。ここの人間がこの部屋から退去した後はまた、お前の好きなようにすればいい」

「わ、分かりました。私神様の言われることは絶対守りますので、ちゃんと約束は守りますから、わ、分かりました。神様有難うございました。それでは失礼いたします」

「さらばじゃ」

「あ、ありがたき、ありがたき」

と言って私から離れて言った。

二度と手出しは致しませんと約束をして。



上記、前世の土地の持ち主との会話を、今回のご依頼者にメールで送ったところ下記の返信をいただいた。

その返信の一部をご紹介させていただく。


>一昨日、引越し作業していたらものすごく牛の糞くさくて、福岡には牛牧場はあるものの前すんでいた家よりあきらかに牧場からはなれているのに、はるかに臭いがつよくて、先生からのメールをみてあれも霊作用なのだとびっくりしました。 音に敏感なのもやはり土地の持ち主の方からの作用だったのですね。今度のマンションを管理されている管理組合長さんにご挨拶にいったら、すでに下の階の方から苦情が入っていましたf^_^;その方と話していたらついこないだも、そういう揉め事があったと話していました。あのマンションではたしかによく揉め事があっているみたいです。 先生のおかげで12号室には手出ししなくなったこと感謝します。ありがとうございます。ただ心配なんですが、みんなが音に敏感でイライラされているのでしたら、少しの音がきになって、これからも苦情がきたりしないでしょうか?<

と云う事である。



“臭いも出すのですねー”

と書かれているが、霊的作用としては臭いどころではない。

寝室のベッドがガタガタと揺れたり、テレビが突然点いたり、物が飛ぶ、誰も居ないのにエレベーターが上下する。

というような事が頻繁に起きている。

とこのように霊の持つエネルギーの凄さが此れだけでもどれほどのものかお分かりいただけるだろう。

霊的現象には、時として計り知れない程のエネルギーが加わることがあるのだ。



さて、次は祖母、ご相談者の60歳になられるお母さんの前世の因縁についてである。

「濱野よしこ(仮名)入って来い!濱野よしこ入って来い!」

と呼ぶが、初めからナニモ入ってこない。

初めから入ってこない、という事は呼び出しに応じるとナニカがあると警戒しているからである。

これは、多分、先ほど娘さんに憑いていた前世の因縁が突然いなくなった事に不信感を募らせているからであろう。

だから簡単には入ってこないのだ。

しかし、逆にナニカが居ると云う証でもある。

だからあえてしつこく呼び出しているのだ。

それでもしつこく呼び続けていると、やっと入ってきた。

「おい、お前は濱野よしこか」

と聞くが、やはり無視をする。

それでまた、やむなく念を入れる。

すると

「ウンッ、ウッウッ、ウーンッ・・・」

と唸り声をあげる、が音はあげない。

これは中々根性もんのようである。

では、どれだけ耐えられるのか試してみる事にしよう。

更に念を強める。

すると

「ウッ、ガガガ、ヤヤ、ヤメテ!ヤメテ、ヤメテッ」

ととうとう音をあげた。

この間2、3分程であろうか。

「や、ヤメテクダサイマセ」

「やめてほしいのか?」

「ややっ、ウワーッ、キキキツイ!」

「どうだ、それ程きついか!」

「キツイ!こんな経験ハジメテ・・・」

「お前が我慢などするからだ!」

「ガガ、ガマン?」

「お前は、この濱野よしこにとり憑いているものだな」

「とと、とり憑いている分けでは・・・ああーっ、くるしい・・・ああーっ、凄い!!」

「お前は中々の根性もんのようだなぁ」

「いいえっ、根性などはありませんが」

「お前は前世で仕事は何をしていたのだ」

「わわ、私はヤクザをやっておりました」

「ヤクザものか、お前は」

「さ、さようでございます」

「では、この濱野よしこは何をしていたのだ」

「この女は・・・あなた様、ところでどなた様で・・・どこから話をされているのでございますか?」

「我か」

「さようでございます」

「お前の頭の上を視るがいい」

「頭の上ですか?ウワッ、ナンジャコリャ!こ、こんなところに太陽が、えっ、たいようがこんなところに、太陽がある?」

「太陽ではない。我じゃ」

「わわ、我?あ、あなたさま、あなた様でございますか?」

「さようじゃ、神じゃ」

「かか、カミー、カカ神様が、ど、どうして私をおよび、呼び出されるようなことをしていますかねー、わたし?」

「お前を呼び出した分けではない。濱野よしこを呼び出したらお前が出てきたのだろう」

「えっ、濱野よしこ、さ、さようでご、ございます。わ、私、何事が起きたのかと想って出たら、突然カミナリが、おお、落ちてきてビックリして、何事が起きたのかと、今でも夢の中だと想っておりました」

「夢ではないのだ。この濱野よしこは前世では何をしていたのだ」

「こ、この女は大店のお嬢様ですよ」

「大店とは商売人の事か?」

「さ、さようでございます。それはもう、大変な大店のお嬢様でございますよ」

「そのようなお嬢さんと、ヤクザもんのお前がどんな関係があると云うのだ」

「いや、いや、私らヤクザもんと云うのは、大店にとって私らは嫌われもんでございますが、それでも私らヤクザもんと、この大店との関係と云うのは裏で密接な繋がりがあるのでございます。表で処理できないものは私ら裏のものが密かにやっておりましたから」

「では、お前はこのよしこと出会ったのはお店との関係か」

「さ、さようでございますねー。私、組を預かっていたのでございます」

「では、お前はヤクザの親分だったと云うことか」

「さ、さようでございます。こうみえても若い衆がかなりおったのでございますよ。ですから、私がアゴを少し動かせば、若い衆がなんぼでも出てきてどんなことでも出来る力を持っていたのでございますよ」

「そんなヤクザもんがどうしてこの娘にとり憑いているのだ」

「とり憑いているにはそれなりの訳があるのでございますよ」

「では、とり憑くようになった、その訳を云ってみよ。ところでお前は、この娘は良く知っているのか」

「いえっ、良くと云うよりも、そりゃ、私らは・・・私はあまり、この大店に逝く事がなく、この大店の、この女の父親が私らの家(うち)にやってきて、内々で話をするものですから、直接この娘と会うような事はあまりなかったのですが、それでも何回か、うちの組に、自分の父親が来られないからと云って、なんかの形で、なんか金子かなんか持っ てきた時に会ったんじゃないかと想います。そのような事が2,3回ありましたから、顔馴染みと云えば顔馴染みでございます。だからと云って外で会って声をかけるなどと云うことは一切致しません。私らヤクザもんと素人の娘さんとが、そんな会話などしたら、それこそ私らには関係ありませんが、素人衆に対しては、そらー、大店の娘がヤクザと話をしたと云うのが分かったら、それだけで大店の娘さんはキズものになりますから、生涯結婚など出来ないようになりますから、そのような会話など一切致しません」

「そうか、では、この女の性格などは分からないのだろうなぁ」

「まぁ、分からないと云うよりは、まぁ父親から娘の事などは聞いております」

「そうか、では父親はこの娘の事はどのように云っていたのだ」

「うーん、まぁ父親としたら、この娘は、なんでもまぁ中々素直でいい子ではあるが、まぁ少し手癖が悪いと云うことを、よく聞いておりました。なんか、店の金をちょっろと、とっちゃどっかに、うーんお茶屋かどっかに逝ってお饅頭を食べているとか、そういう話を聞きました」

「そうか、では手癖が悪かったと云う事か」

「うーん、まぁ自分の家の中の事でしょうから、此れほどの大店のお嬢様ですから、外に出てそのような事はまず考えられませんから、自分の家の中だけの事ではないのでしょうかねー」

「では、その手癖についてお伺いしてみよう」



如何ですか?

前世では、家の中で手癖が悪かったと云っていますが、と祖母に

<それは、ないですねー、家は貧乏でしたから>

そうですか。

前世では、相当 なお金持ちだったようですが。

今生ではそのような癖はないと云う事ですね。

<はい、それはないですねー>

分かりました、どうもすいません失礼な事をお訊きして。



「おい、濱野よしこはそのような癖はないといっているぞ」

「さようですか?」

「ところで、お前はなぜ、この女にとり憑くようになったのだ」

「私がとり憑くようになったと云うのは、まぁ話せば長いのですが、結局私とこれは好い中になったんでございますよ。」

「なぜ、ヤクザのお前と大店のお嬢さんがそのような関係になったのだ」

「いやいや、それは人には言われないです。この女はですねー、まぁハッキリ言ったら私らみたいなねー、やりっぱなしの人間がわりと好きなほうなんですよ。まぁ、なんと云うんですか、やっぱり昔から居るんですよ。やっぱー女でもねー、私らのような世界のものを好む女とねー、毛嫌いする女と、両極端なんですよ。だけど、この女はやっぱー、生まれがあまりにもお嬢さん育ちで、うーん丁稚やらなんやらいっぱい居るから、皆にぺこぺこされているから、自分が天狗になっているようなところがありますから、私らみたいな世界にやっぱー、憧れたんじゃないでしょうかねー、ですから私とこれは、人目につかないところで、まぁ男と女の関係になったんでございますよ」

「だったら性格は良く知っているだろう」

「まっ、それが難しいんですよ。ちょっとの間で直ぐもうお屋敷に帰らないといかんでしょう。ですから、そんなもう会話なんかないんですよ。ただまぁ、可愛かったですからねー、これ、これは大変可愛い顔をしていたんですよ。」

「そうか、ではこの娘はお前たちのようなヤクザもんが好きだったと言うのか」

「まぁ、多分、さようでございましょうねー」

「そうか、では少し待て、それもお聞きしてみよう」



ヤクザのような男が好きなタイプですか?

<はい、主人がもうヤクザみたいです。ウフフフ顔が>と祖母は云う。

そうですか

<ウハハハハ、だから近所の4年生の男の子が階段降りて行きよったら、下から家の主人が上がって来よったから『お母さん、ヤクザが上がってきよる』ちゅうて逃げ帰ったとです。ウフフフフ、本当、ヤクザに見える。気性が激しいし、言葉もキツイし>

≪刺激があったから引かれたんでしょう≫

と娘さんはいう。

やはりおばあちゃんは前世からヤクザのようなアウトローの男が好きだったようだ。



「おい、お前の云ったことが分かった。お前には、ここに居るご本人は視えるのか」

「み、みえておりますよ」

「顔は、お前が生きていた頃と比べてどうだ。似ているか?」

「顔は、顔だちはいっしょですよ。だけど、こんなに年はいっておりませんよ。私が可愛がっていた時はまだ若かったんですよ」

このヤクザが知っている頃は18歳ぐらいだったようだ。

「幾つぐらいだったのか」

「いや、世間の人に分からないようにしていましたが18,9だったのですよ。まだ可愛かったから、こんな顔になっていたら私もう、が、ガックリきますよ」

「お前は、人間界の顔を視るのは初めてか?」

「いえ、顔を視る事はありませんから、もうガガ、ガックリきました。今までこいつに憑いていても顔なんか視る事はありませんから、今はもう・・・・・ウワー、あのうーほんと、お前が・・・あのう、あの女の子か、ががが・・」

「お前、そんなにガックリ気落ちするなよ。そんなにガックリするのなら離れていけばいいだろう」

「いいえ、もう私、私この女がですねー、私の若い衆とねー、この女がねー出来たんですよ。それで、私この女を呼んでねー、話をつけているときにねー、この女と関係があった男がねー、私をねー後ろから突き刺したんですよ。」

「なに、どこで話をしていたのだ」

「いやー、私はこれと会う時には、誰も知らないようなお茶屋に逝っておりましたから、そして帰る時に海の視える綺麗なところがあるんですよ。いつも酒を呑んで帰る時にはそこによって景色を視ながら二人で色んな世間話をするわけですが、そこに若い衆が隠れていて、それも私が一番可愛がっていた若い衆ですよ、そいつが私の背中から突き刺したんですよ。私、その時にこいつの目を、こいつの顔を視たら、こいつはその男の傍に逝って抱きついたんですよ。その時私初めて、こっちに来る瞬間、こいつなんかの姿を視た時に、こいつが計画を立てたんじゃなーと云うことを直ぐ悟りましたよ。もう悔しいやらなんやら、死んでも死にきれんとはこの事でございますよ。うう、うしろから何回も刺されたんですよ。そして私、こっちに来て今も背中が疼いて、疼いて、私が殺されたのが寒い雪が降る時ですよ。ですから、もう寒くて、背中からドスをどんどんどんどん突き刺されましたので、もう腹からドスの切っ先が出て、今も背中に穴が開いてますよ。背中から腹から出ておりますよ。ちょ、腸が出ておりますよ、腹から、もうこの女に騙された、この恨み、私この女が可愛かったから人前には出さなかったんですが、二人きりになった時にはどれだけこの女を可愛がったか、この女は私には絶対忠実だと想ったから、やっぱしこの女、私の若い衆と私の知らない間に出来てしまっていたんですよ。そして、私はこいつに殺されて、もう悔しくて、悔しくて、この私を殺した男には、私は先にとり憑いて苦しめておりますよ。この女もだから私、ずーっと二人にとり憑いて苦しめておりますよ。」

「そうか、では復讐はどのようにしているのだ」

「復讐ですか?ですからこいつは、また私と同じような男とわざっと私が一緒にさせたんですよ。」

「なに、では今一緒になっている男はお前が一緒にさせたと云う事か」

「さ、さようでございます。この男は視た目は確かにヤクザのような顔をしていますが、内心はそんな事はないんですよ。わりと気は小さいんですよ。ただ、恰好をつけて“ウワー”とおらんではおりますが、本当のヤクザではありませんから、そこまでの根性はありません。まっ、中途半端な感じではありましょう。素人衆から視たら、そりゃヤクザのような顔をしていますからヤクザではございましょう。しかし、この男はわりと、この男はわりと女には持てる男なんですよ。そ、それで、そうかと云ってこの男は、この女に対してはわりと優しい事はするんですが、この女は、この男を全く信じられないんですよ。いつもだから、この男に対して不信感を持っておりますよ。」

「では、なぜお前はその男と一緒にさせたのか?」

「いや、一緒にさせたと云うのは、この女がこの男を裏切るようにするんですよ。そして、今度は逆にこの男からやられるようにするんですよ。ですから、この男はわりと嫉妬深いんですよ。大変な嫉妬深さがあるんですよ。ですから今でも、この女に聞けば分かると想いますが嫉妬深いのは人一倍嫉妬深いんですよ。こういうのはちょっと神経操れば、この女が離れた時には大変な事をしでかすんですよ。気が小さい分だけやる時には激しいんですよ。ですからこの女に私は、他の男をつくらせるように今まで何回もやってきました。」

「そうか、では少し待て」



分かりますか、云っている意味が

≪ウフフフ、素晴らしいぐらい当たっています(娘さん)。で結構ねー、三人で歩いていたら、後ろからなんかされたりとかねー、お母さんは良く声かけられよったよねー、一人で居っても知らん人から“不倫”しようよとか≫

<そーう>

≪ねー、バス停に居るだけでねー≫

<そうー>

と母娘の会話は続く。

ところでまだ何か聞きたいですか?

≪まだ聞きたいです≫

<はいエヘヘヘッ>

いいですか、では続けますよ。

<はい>



「おい、では続きを喋るがいい」

「で、ですから私、この女が、この男以外の男とも関係を持たせておるのでございますよ。」

「なに、では浮気をさせていると云う事か」

「さ、さようでございます。嘘ではございません。この女は自分でちゃんと分かっておるのでございますよ。ただ、見つからないようにしているだけで、しかし、何れ見つかるようにするんですよ。」

「では、それも確認してみよう」



今、云ったこと(浮気)に間違いはないですか?

<いや、今は全然いない。>

いや、今の事ではなく、前はそのような事があったのでしょうか

<あっ、前は・・・あーっ、関係があったではないけど、あのう好きな人と云うか“いいなぁ、不倫してみたいなぁ”と云う時期はありました>

私が、このような失礼な事をお聞きするのは、この男が(怨霊)喋っている事に間違いはないのか、それを確かめるためです。



「おい、今お聞きしたところ、そのような気持ちがあったのは有ったということだ。気持ちだ」

「いえいえ、そりゃぁない、そりゃぁない・・・それはいいでしょう」

「では、他にはどのような事をしているのだ」

「ほ、他にと云うより、ただ、私はこいつが私を裏切ったから、それと同じことを再現させているのでございますよ。そしてこいつも、私が背中をめったざしされたから、こいつの男が、この女をめったざしするように仕組んでいるだけでございますよ。ですから、こいつの心はいっつも揺れておりますよ。今の男の事に関しても、他の事に関してもいっつも心が揺れていますから、いつも“心此処に在らず“の感覚でございますよ。で私、こいつにとり憑いて、冬とか背中がいつも疼くもんでございますから、この女も、肩からなんから何時も張っておりますよ。”私、どうしてこんな事になっているのやろか?“と何時もつぶやいておりますよ。そして、私とこいつは海でいつも、酒飲んだ後は、崖のところでいつも二人で話していたもんですから、こいつは海を視ると大変懐かしさと、怖さが交差する筈ですよ。嘘ではありません。今でもこいつは海を視ると懐かしさの反面、なんか異様な怖さと云うものを感じるんですよ。その海で私を殺しましたからねー、その時の状況がずーっと脳裏に刻みついている分けでありますから、海を視ると複雑な感覚になる筈ですよ。それもこの女に聞いてみてくださいませよ神様」

「よし分かったお聞きしてみよう」



どう?如何ですか

≪海に行くのを物凄く怖がりますねー(娘さん≫

<そうねー、子供のころ海で溺れ死にかけた事があります。(ご本人)>



「おい、海で死にかけたと云っているが、それはお前に関係あるのか」

「海で死にかかった事ですか?いやいや、それは私じゃないですよ。私の他にまだ此れには居るんですよ。」

「まだ、他に憑いているものが居ると云う事か」

「さ、さようでございますよ。まだ、私の他に居るんですよ。そいつがさせているんですよ。こいつは、海の中で多分死んだやつでしょう。ですから私、ちらっと視たんです。私がちょっと離れているとき、ポット憑くのをみたんですけど、なんかびっしょり濡れているんですよ。ですから、海でこいつは死んだやつやなぁちゅのは直ぐ分りましたよ。それが、これにやっているんだと想いますよ。」

「それとは別に海を視ると怖いというのは?」

「それは、私がやっているのではなく、これ自身が記憶の中にある、と私は言っているのです。だから、これは海を視ると非常に複雑な感覚になる筈です。それを云っているんです。ただ、たまたま海で溺れかかったと云うから、それは海で死んだもう一人のやつが居るんだと云うことを云ったまででございます」

「そうか、では少し待て」



子供のころ溺れかけたのは、また別の怨霊の作用のようです。

<はぁそうですか。主人に対しても、暴言吐かれたりとか、暴力を振るわれたりとかした事もありますから、やっぱしこう何か言われると別れたいなぁとか云うのはありますねー>

≪常に不信感持っているもんねー、お父さんに、でお父さんにいつも言われるのは“お前心ここに在らずやなぁ”やねー≫

今のご主人は、この怨霊が憑けたと云っていましたからねー。

≪お父さんは嫉妬深いから≫

そして、貴方に浮気をさせご主人に刺殺されるように仕向けると云う事です。

<うわーっ、恐ろしいねー>



「おい、ではよしこは、最後には殺されるように仕向けていると云う事か?」

「さ、さようでございますよ。ヤクザもんなめたらいけません。ヤクザは死んでもヤクザですから。殺されたら地獄の果てまで追いかけていきますから。私はやりますよ。絶対やりますよ。私は、ヤクザを張って生きておりますから、自分が若い衆に殺された以上は、徹底して恨みは晴らしますから、たとえ神様が間に入って“やめろ!”と云われても私は生きている限り絶対止めることはありません。」

「おう、そうか、では止めなくてもいい。復讐をするがいい」

「えっ、カミサマ?神様、復讐をしてもいいなんか、そんな、そんな事、神様 が止めろ!ちゅうんかと想ってもう、そしたら神様が突然してもいいなんか、私、どうしていいか分かりませんよ」

予想外の言葉を言われたので慌てふためく。

「では、止めるのか」

「いえいえ、それは」

「ならば、お前が復讐しやすいようにお前の背中のキズを治してやろう。刺されたキズだ」

「ええっ、こ、このキズが治るんですか神様?」

「そうだ、治してやるから復讐を続けるがいい」

「か、神様私、どうしてそんなにお優しい、こんな半端もんのヤクザもんに、声を掛けて頂けるのでしょうか?」

「そうか、我はなぁ殺されたもんの味方じゃ。お前は騙されて殺されたのだろう。たとえ、ヤクザでも殺された方の立場に立つのだ。だから、お前が復讐しやすいように体のキズを治してやろうと云っているのだ」

「さ、さようですか、神様。さようですか神様、有り難き幸せ、かか、体の痛みが治れば私も本当に体が楽になって、もっと自由に羽ばたけると想いますので」

「よし分かった。では今から、その体を治してやろう、分かったか!」

「ああっ、さようでございますか、ああっ、ありがたき、有り難き幸せに存じます」

と云う事でこれから怨霊の背中に受けているキズを治す動きに入る。

本人(怨霊)は体のキズが治れば、また復讐を続けようと想っているのだろうがそうは、問屋は卸さない。

キズは治るが、此れまでの記憶も全て消え去るとも知らずに。

「おい、そこに居るのか?」

「ははい、ここに居ります。もう体がいたくて、痛くてもう・・・ふ、震えております」

「よし、では待っておれ」

と言い置き、あの世で、私の魂が施術を始められるように両手を動かす。

そして、10数分後

「ううっ、かか、神様、おお、お許しくださいませ、もう恨むのは、やや、やめ:*:*:(何を喋っているのか分からない)・・・・????ういういうい、ククク・・・ガガガッ、カカカ、カミサマ、どうぞお許しください、も、もう二度と悪いことは致しません。どうか、どうかお許し」

「二度と悪いことはしないか!」

「ああっ、悪いことはしません。悪い事はしません。どうかおゆるしを・・・」

「お前が二度と悪いことをしないと云うのならお前を許してやる。分かったか!」

「ああっ、神様、二度と悪い事はいたしません。ま、まっとうな人生を歩みます。どうぞお許しくださいませ、カミサマ、カミサマ、アアッ・・・」

何がなんだか分からないうちに“お許しください”と云った言葉を残して離れて逝った。

私が、此方で両手を動かしている間に、あの世で何かが起きたのだ。

余程、恐怖を覚えたのか怯えきっていた。

このような事は初めての事である。

此れまでなら“あらっ、ここはどこ?”と云っている筈だが。



さて、次は“海で溺れて死んだ”ものが居ると云っていた。

その“海で死んだ”ものを呼び出してみよう。

「濱野よしこ入って来い。濱野よしこ入って来い!!」

と呼ぶが何も入ってこない。

と云う事は何かが居ると云う証でもある。

もし、本当に何も居なければ、ご本人の魂が入ってくる。

がご本人の魂も入ってこないと云う事は・・・。

と思って呼び続けているが中々入ってこない。

余程遠くまで逃げまわっているのだろう。

数分後・・・・・・入っては来た。

と云うか捕まえた。

しかし、私の問いかけに何も反応を示さない。

そこで念を入れ閉じた口をこじ開ける。

「ウッウウ、ヤメテクダサイ、ヤメテクダサイ、ヤメテクダサイマセンカ」

「よし、ならば止めてやる」

「やや、やめてくださいませんかねー」

「止めてやると云っておるであろう」

「うわーっ、ウワーッ、ウーワッ」

「お前、大袈裟だなぁ」

「大袈裟なんか云うもんじゃないですよー、背中になんかもうー、頭が割れるかと想いましたようー」

「お前は、前世では何をしていたのだ」

「わわ、わたしは、前世は、ここ、乞食でございました」

「なに!お前は乞食か?」

「ささ、さようでございますよ」

「では、なぜお前はこの濱野よしこにとり憑いているのだ」

「濱野よしこにとり憑いていると云うより、わたし、この女から殺されたんでございますよ」

「なに、殺されたのか。どうして殺されたのだ」

「ど、どうしてって?こいつのお店(たな)の若い兄ちゃんたちに、茣蓙にくるまれて、川にほうり投げられて死んだんですよ。」

「川に放り投げられたのか」

「さ、さようでございます。簀巻きにされて川に捨てられて、私こっちに来たんですよ」

「お前は、この娘が前世で何をしていたのか知っているのか?」

「こ、この女は大店のお嬢さんでございましたよ」

「大店のお嬢様か」

「ささ、さようでございます」

「では、お前のような乞食がなぜ殺されるような羽目になったのだ」

「わ、わたしら乞食は、私ら仲間と、私らの縄張りがあるんですよ、乞食にも」

「そうか、乞食にも縄張りがあるのか」

「それでは、お前が死んだ季節は何時ごろだったのか」

「私が死んだのは夏の暑い盛りでしたよ。水の中に放り投げられた時は気持ちがよかったんですけど、簀巻きにされておりますから、もうくるしくて、苦しくて“もうくわっ!くぁーっ!!”ちゅう感じで、苦しいのは一瞬でしたが、目が覚めたら、まだ体中がびっしょり濡れて、今でも口から水が噴き出るんでございますよ」

「なぜ殺されるような羽目になったのだ」

「私が、だから先ほど言いましたように、乞食の仲間を連れてお屋敷を周るんでございますよ」

「何と云って周るのだ」

「なな、なんちゅうて周る“おお、おめぐみを〜〜おめぐみを〜〜”ちゅうて周るんですよ。木戸を、裏木戸を叩いて“おめぐみを〜〜おめぐみを〜〜”ちゅうて、一日のおまんまにありつけるまで、朝から晩まで“おめぐみを〜〜おめぐみを〜〜”ちゅうて周るんでございますよ。そして、このお屋敷の木戸を叩いて“おめぐみを〜〜”ち、私この木戸には、このお屋敷には何回も逝ったことがありますから良く知っておりますよ。ですから、いつものように木戸を開けて、お女中さんから残飯を頂く訳ですが」

「お前たちはどのような残飯を貰っていたのだ」

「大体、どこも一緒でございますが、魚の骨とか野菜の切れ端とか、もう普通の人が喰えないようなやつが残飯の中に入っている分けでございます。それを頂いて帰って炊くんですよ。どんどんどんどん炊いたら骨も柔らかくなって、野菜の屑やらなんやらかんやら入れて炊くんですよ。それを食べる訳ですが、その日もいつものお女中が普通道理残飯をくれたんですよ。で私ら、もう帰ろうとしたら、そのお女中が“あんた、ちょっと待ちなさい。うちのお嬢様が何かお話があるみたいだから”ちゅうから、私、お嬢様から話を掛けられるほどの高貴なもんではないから“いや、私ら乞食がお嬢様なんかに顔をお見せするわけにはいきませんから、これで失礼致します”ちゅうたらお嬢様が来て“あなたなんかにお願いがあるんですよ”ちゅうから、なんでしょうかお嬢様ちゅうたら“私、あなたなんかが、このお屋敷の中に入る事がどうしても許せないんですよ。うちは大店でございますからね、あなたなんかの匂いがこのお家の中に入るんですよ。そうすると、やはりお客様がね、嫌なお顔をされるんですよ。ですからお願いがありますから、ここの中には入らないでください”と云われたんですよ。それで、ああそうだ私ら臭いから、いや、本当の事を云ってどこに逝っても嫌われるんですよ。臭いから“お前らここに近づくな、もっと向こうから飯をまっとれ!”ち云われるんですけど、どうもついついもう、ぽっと足を踏み込んでしまうもんですから、何処逝っても“お前ら臭いからもっと向こうに逝け”といつも言われるんですけど、だけどまぁ癖ですかねー、足を一歩踏み込んで中に入ってしまうんですよ。まぁ、それで私ら何処に逝っても云われるもんですから“わ、分かりました。すいませんでした”ちゅうて帰って、それからまた何日かして、おめぐみを〜〜と云って逝った時に、また入ってその時もまた匂いが、私ら直ぐ匂いが付いて周るもんでございますから、中に入ったら今度お嬢様が直接お見えになりまして“また、この前も私お願いしたのですが、あなた悪いけど、もうここには来ないでください。でないともう、先ほども云ったように大店ですから、お客さんにご迷惑が掛かるから大変申し訳ないけど、もうここには来ないでください”と云われ、さようでございますか、大変申し訳ございませんでした、ちゅうて、それから暫くはもうそのお屋敷には近寄らなかったんですけど、だけどずーっと周ってもどっからも喰い物が手に入らなかったもんですから、まぁ暫くぶりだから、いいわなぁーと想って逝ったんですよ。そしたら何時ものお女中さんが出て、やっぱし持ってきてはくれたんですけど、その時に、ここの大店のお嬢様が表れて“あなたたち、どうしても私とのお約束が守られないみたいですねー”ちゅうから、いえっ、大変申し訳ございません。ちゅうたら突然若い衆がわーっと出てきて、私を踏んだり蹴ったりしたんですよ。踏んだり蹴ったり、その時は3人で歩いていたんですよ。私の兄弟が居るんですけど、私の兄貴、この兄貴は、私と同じぐらい頭が弱いもんですから、私ら生まれた時から、乞食の家で生まれましたから、やっぱり乞食の子供は乞食でございますから、やっぱしずーっと乞食をやっておりまして、で私の兄貴が居りましたが頭が弱いもんですから私が何時も“おめぐみを〜〜おめぐみを〜〜”ちゅうて中に入る訳でございますが、その時みんなでバーット、3,4人来てから木刀で滅多打ちに殴られてしまって、私の兄貴も殴られてしまって、もう一人居ったのは兄貴の連れ添いの女だったのですが、その女だけは誰も手出しをせず、私ら殴られて動けなくなったら茣蓙で簀巻きにされて私の兄貴も私も、川に放り投げられたんでございます。私は苦しくて、まぁ夏の暑い時でしたから水は気持ちがいいんですが、“ウワー、ウワー”もう痛くて、痛くてもう“ワンワンワンワー”と云ってる間にこっちに来てしまって、で今考えたら、おめぐみに周っただけでこんな仕打ちを受けてくやしくて、悔しくて私、この女にも水で死ぬ時の苦しみと、殴られる時の痛み、恐怖をこの女にも味あわせてやろうと想って何時も隙を狙っているんでございます。」

「そうか、それは苦しいだろうなー、ところでその復讐はどのようにしているのだ」

「復讐は、この女、この前私、この娘にも乞食が憑いているのを知っておりましたから、この女の娘の事を“変な人やなぁ”とか色々云っておりましたが、実を云うとこの女も同じなんでございますよ。この女は大変意地汚いんですよ。私ら乞食は何時も喰い物の取り合いで喧嘩になりますから、ですから同じようにこの女もなっているんですよ。たとえ腐ったものでも私らは平気で喰いますから、この女も少々腐っていても“大丈夫、大丈夫”と云って食わしておりましたよ。ですから、昔この子供が小さい時腹を壊した時がありますよ。腐った物を喰わせて、で、ですから私らこの女にとり憑いておりますから、この女も臭いんですよ。で、ですからこの女も自分自身が臭くて匂いに敏感なんですよ。娘が臭い」

「おい、では先ほど娘(実の)に憑いている怨霊が喋っているときお前は聞いていたのか?」

「そ、そら聞いておりますよ。同じような事をして“お前もそうじゃないか!お前もそうしているじゃないか!”と云っていたんですよ。殆ど同じような状態にしているんですよ。」

「では、少し待っておれ、その事をお聞きしてみよう」



如何ですか?

<ウフフフ・・・>

≪ウフフフ・・・分からない(娘さん)結構賞味期限うるさいよねー、ちょっとでも期限が過ぎていたら食べないよねー≫

<自分が、腸が弱いからですねー>

しかし、この乞食はそのような物をどんどん食べさせるようにしていると云っていましたねー

≪あんまり食べないねー≫

<うん>



「おい、お前は腐った物を食べさせると云うが、ご本人は食べないといっているぞ」

「いえいえ、食べんのじゃなくて怖いんですよ。食べるのが怖いんですよ。でだから物凄く神経質になっているんですよ。ですけど、自分でない私らが喰わせている時もあるんですよ。ですから、それはこいつら矛盾しているところがあるんですよ。今自分は“そんな事はない、そんな事はない”ちゅけど、良く考えたら、確かにそ云う事もあったなぁと云うのは気が付く筈でございますよ。いえ、嘘ではございません。今突然私がそう云うから物凄く神経使って“いえ、そんな事は無い、そんな事はない”と云っておりますが、そんな事がないんじゃなくて、そう云うのが現実にあるんですよ。もう一度確認してくださいませよ想いだしますから」

「よし、分かったではもう一度確認してみよう」



如何ですか、過去にでもそのような事がありませんでしたか?

<いやー、あんまりないです>

あんまり無いと云う事は、少しはあったと云う事ですか?

<少しあったかもしれないですけど・・・>

では、あったかも知れないと云う事は

<まぁ、食パンとか何日か過ぎたものを食べた事はありますが・・・>

では、ある事はあるのですね

<あることは、あるかも知れませんねー>

まぁ、この乞食が四六時中憑いていた分けではありませんから、先ほどのヤクザが居ないときに隙をみて憑いていただけですから、そのような事は何時もやっていたと云うわけではないのです。

<ああ、それでは少しはあったと思いますねー>



「おい、その他にはどのような事をしていたのだ」

「その他と云うより、私が川に簀巻きにされて捨てられましたねー、ですから、これは乞食を視ると、なんかいやーな感じがするんですよ。乞食になると自分も殺されるかという恐怖があるもんですから、乞食を視ると大変いやーな感じになります。そして、私は踏んだり蹴ったりされて棒でどんどん殴られたりして、そして川に飛び込まされて捨てられましたから、ですからこれも、体中がしょっちゅうやられるようにしておりますから、だから、前は旦那から良く殴られるように、この旦那には訳の分からんモノが憑いているんですよ。」

「なに、ではこのご主人にも何か憑いていると云う事か」

「さ、さようでございます。それは、私は知りませんが、憑いているんですよ。それは私も、この女の旦那にもとり憑いたりしていますから、そう云うのは旦那に憑いているものと一緒にやっておりますから」

「では、お前がこの女(祖母)を一番苦しめている方法としてはどのような事をやっているのだ。」

「どう云うことをしていると云うよりも、ですから私は水で死にましたから、ですからこれは水が怖いんですよ。水自体が、だから自分は水に大変神経を使っておりますよ。もう川とか、海とか想うだけでこれはもう異様な感覚になるんですよ。」

「そうか、それ以外にはどのような事をしているのだ」

「それ以外私、こいつにはもう恨みが凄いですよ。ですから、これ何時も、もうこれ神経質なように鼻で何時も匂いを嗅いでおりますよ。ですから、もう自分で嫌になるぐらい、もう鼻で匂いを嗅いでおりますよ。だけど、私が一番許せないんは、自分がお嬢さんだったという事で、それを鼻にかけて若い衆を使って私らを殺させたと云う事ですよ。ですから私は、この女がどん底の貧乏な家に、どん底の貧乏な家に生まれるように仕向けたんですよ。」

「なに、生まれる場所までお前たちは仕向ける事が出来るのか?では、お前はこの女が人間界に生まれたのは知っていたのか」

「私は執念で、人間界に生まれる時も私が作用したんですよ。」

「では、この女が人間界に生まれるのを作用したと云うのか」

「普通では出来ないのでしょうが私は執念でこいつの運命を変えたのでございますよ。」

「嘘をつくな、そんな嘘を云うな!では、この女の小さい頃の事を喋ってみよ。お前がどこまで知っているのか」

「小さい頃の事?やはりこの女は気持ち的には孤児なんですよ。気持ち的には、だからたとえ両親が居ったとしても、全くこの女は両親に対して懐けなかったんですよ。何時もだから寂しく子供の時代を過ごしていますよ。普通の子供が何時も羨ましく、自分はどうしてこんなに不幸なのか?と何時もずーっと不幸の中に陥っていたんですよ。」

「それが本当か確認してみよう」



今、喋った事は如何ですか?

<それはなかったです。父はおとなしく無口だったけど、母はあまり子供が好きじゃなかったから、だけど父が可愛がってくれたから、寂しい思いはした事は無いです>

では、孤独感を覚えた事はなかったと云う事ですね

<母が働きに出ていたから、“かあちゃーん”と云って帰ってきても居ないから寂しい思いをしたことはありますねー>

その程度ですか

<はい>では、それ程大した事ではないですねー

<そうですねー>

とおばあちゃんは云う。



「おい、子供の頃、当時としては皆同じようなものではないのか。親が働きに出ていたと云うのは」

「そ、そんな事はないんですよ。今、これは年がいっているからそんな事を云うのでしょうが、子供の頃は、これは大変やっぱし悲しんで寂しく孤独を味わっていたんですよ。」

「それは本当に間違いないのか」

「嘘ではございません。ですから、これは人の居ないところで良く泣いていたんですよー、私良く視ておりますから分かりますが、泣いていたんですよ。それも確認してみてください。小さい頃の事ですから」

「よし、分かった」



如何ですか

<うーん・・・泣いてないような感じですけど?>

あまり思いださないようですねー

<えー、思いださないですねー>



「おい、お前の云っている事は違うのじゃないか」

「違う事はありませんよ。じゃ、私は悔しいのですが、何時もとり憑いてはおれないものですから、隙間、隙間にやっているもんでございますからハッキリ出来ないのでしょうが、だけどあなた様がそこまで言われるのでしたら、私はもう徹底して、ところで私の前に誰かいたんですが突然居なくなって、私どうしていいか分かりませんが、もしあなた様、どなた様か分かりませんが私を許して頂けるのでしたら私、徹底してこれにやりますから、そして水を、水を、水の中に捨てられた時の、あの息苦しさをこの女に聞いてみてください。私が息苦しくこっちに来て死んで、今でも息苦しい、息苦しいんですよ。ですからそれを聞いてみてくださいませ。息苦しくないか、とそれと体中木刀で殴られたから、それも、この女にも、そう云う体中のどっかこっかが何時も痛んでいる筈なんでございます。それも一応確認してみてくださいませ。」

「よし、分かった」



今、喋ったように、死ぬ時に苦しかったから憑かれているあなたも同じように息苦しくはないか、と云っていますが、息苦しいとか体中が痛むと云うような事はありませんか?

<はい、首が悪いからえらい体がきつい時も、手もこのくらいしか曲がらなくて、最近ちょっと息苦しいですねー、先日もちょっとせきっぽい事をしていましたねー、何か、こう声が出にくいというか、何かこう締め付けられるような<

《息苦しくなるち云よったねー、うん、なんか一か月ぐらい前にかかりつけの病院に行って、なんか最近息苦しいち云って血液検査をしたのにねー》

と娘さんは云う

<うん、>

と祖母

では、そうところは合っていますねー

<そうですねー、合っていますねー、この辺(首)が息苦しくて、最近特に声が出にくくって・・・なんでこんなになったんだろうと思って、甲状腺かなぁと思ったが異常がなくて、何か苦しい。声も出にくく仕事もしにくいんですよ>

という。



「おい、今の言葉を聞いていたか」

「聞いておりますよー、私の云った通りでしょうー、私嘘は云いませんから、私、乞食はやっておりましたが、嘘は乞食仲間でも言いませんでしたから、こいつの胸の苦しいのは私がさせているのですよ。」

「そうか、ではお前がいなくなったらそれは治ると言う事か」

「居なくなりませんから、そんな事治りませんよ。私乞食で一生を終わりましたから、私この女にも、年がいって動けなくなったら、やはりこの女も私と同じ道を歩んで、そして最後は川に飛び込むか、海に飛び込むかして自殺でもさせようかなぁと想っておるんでございます。そして水の中の本当の苦しみを知ってこっちにこらせようかなぁと想っておるんでございます。」

「そうか、では最後は自殺をさせようと思っているのか」

「さようでございます。ですから私がこいつにとり憑いた時には、いっつもどっか海に飛び込む、川に飛び込む、死ぬ、自殺、自殺と云うのをこいつに囁いておりますから、こいつは無意識のうちに“怖い、怖い、海が怖い、何が怖い?死ぬのが怖い、死ぬのが怖いと魘(うな)されておりますが、それが自分で一番楽になる方法だと、何れ想うようになるんですよ。そして、それが分かった時には海に飛び込んだり川に飛び込んだり、水の中に飛び込んで自殺をするようになっておるんでございますよ。」

「そうか、そのように仕組んでいると云う事か、では、その事もお伺いしてみよう」



<なんか私、ちょこちょこ事故に合ったりとかしているので、事故かなんかで死ぬんじゃないかと、そのような予感がしていたのです。それに寝苦しいとか、不安になるんです。すっごく不安になって、何れ浮浪者のような生活をするんじゃないかと思ったりして、夕方4時過ぎになるとえらい不安になって、うわーっ、うつになるんじゃないかと・・・>

何れ浮浪者にすると云っていましたねー

<ああっ、そういえば云っていましたねー>と。

特に夕方の4時を過ぎるとおかしくなるという。

早く死んだ方が楽だとも良く言っていましたとも・・・。



「おい、お前の云ったことは殆ど認めたぞ」

「さ、さようでございましょうねー」

「ところで、この濱野よしこが小学生の時に海で溺れかかったと云うが、それもお前がやっていたのか」

「それは、溺れると云うよりも、私が引っ張ったんでございますよ」

「なに、ではお前が足をひっぱったのか」

「さ、さようでございます。私が足を引っ張ったんでございますよ。ところが何ものかが私の邪魔をして、こいつは生き延びたんですよ。まぁ、それはそれでいいんですよ。私また、それから苦しめていますから、要するに何れはこっちに来るようになっていますから」

「おい、ところでお前以外にもまだ誰か他に居るのか」

「私の他にでございますか?私の他にはみあたりませんねー、私ずーっと隠れておりまして、前に居たのがちょっと居なくなったら逝くんですけど、でまた前のものが帰ったら私また隠れるんですけど、私以外にはなんか視えておりませんが」

「そうか、ではお前が足を引っ張っていたと云う事だな」

「さようでございます。あれからもうこの女、海に怖気づいてもう全く近寄らんようになってしまって私もう、まぁいいや“くっそっ!”と想いますけど、まぁ苦しみを与えておりますよ。さっき話してたように、グッと苦しくなったりとか、色々なるのは全部私がしているのですけど、まだまだしたりないんですよ。今度こいつの孫にとり憑いて、孫も同じようにしてやろうと想っておりますから、ですから、これの孫が海に逝ったら私が孫の足を引っ張って引きずり込んでやろうと想っております。そしたらこれがどんだけ悲しむか、その悲しむのが私の楽しみですから」

「そうか、よく分かった」



《怖いねーエヘヘヘ・・・

<えらい海が怖いちゃっ>

しかし、こいつらの執念は凄いですねー、本人だけではなくて孫にまで禍の手を伸ばすとは。

《怖いですねー》

怨霊は、恨みの相手が死んでも離れることはありませんから・・・。



「おい、お前の頭の弱い兄貴と云うのはどうしたのだ?」

「私の兄貴は頭が弱いから人を恨む事が出来ないんですよ。なんで死んだのか未だに分かっておりませんよ」

「では、お前の傍におるのか」

「いえっ、傍に居っても自分がなんで死んだか分かりませんからボヤーッとしておりますよ。」

「そうか、ところでお前は今も息苦しいのか」

「息苦しいなんちゅうもんじゃないんです。まだね、口から水がピュウー―とね噴き出るんですよ。そしてまた息が出来なくなってね、私また死ぬんじゃないかと“ウーッ”となってまた私死ぬのかなと想うんですよ。そして私こいつにとり憑いてと想うけど、今まで私の他に居ったから、そいつが居ないときにとり憑いて“ウーッ”とやって、するとこいつも“うーん”と考え込んでしまっておりますよ。」

「そうか、ではお前が苦しくなった時には、この女も落ち込んでしまうと云う事か」

「さようでございます」

「では今から、お前のその息苦しさを解いてやる」

「く、苦しいのが治るんでございますか?あなた様、お医者様でございますか」

「我は医者ではない、神じゃ」

「かかかか、かかっ、かか、カミサマ?また冗談が、ジョウダンが、ご冗談が上手い方ですね」

「そうじゃ、冗談じゃ、我は医者だからお前の体を治してやろう

「おおっ、本当に治して頂けるので、ああ、ありがたき、もうこの苦しいのが治れば楽になりますが」

「では、今から治してやる」

「ああっ、おねがい、お願いいたします」

「では、そこに跪いておれ」

「ああ、有り難き、有り難き幸せに」

と云って医者のふりをして施術に入る。

・・・・・両手を動かし始めて数分後

「ウワーッ、うわーっ...............」

と大きな声を張り上げていたが、突然・・・・そのまま消えてしまった。

ンッ、何が起きたのか?

今回のような消え方は初めての事である。

頭上にスーッと登って逝ったような感覚はあったのだが。

このような形ではあるが祖母に憑いていた前世の悪縁は全て消え去ったのである。



次は、中学1年生になるご相談者の姉の娘、姪ごさんの前世の因縁を呼び出す。

例によってお名前を読み上げ魂を呼び込む。

「おい、めい子(仮名)入って来い、めい子入って来い!」

と呼ぶと入っては来た。

だが、この入ってきたのはやはり姪ごさんの魂ではないようだ。

私が何を聞いても無視をしている。

そこで、お定まりの念を入れる。

すると

「ウワーッ、ウウウウッ、タタタ、タスケテー」

助けてーと言って出てきた。

「助けて欲しいのか」

「タタ、タスケテください」

「お前が、我の呼び出しに無視をしているからだ。今から我の聞くことに全て応えるか!」

「な、なんなり、なんなりとおっしゃってくださいませ」

「では、お前がめい子にとり憑いているものだな」

「さ、さようでございます。た、ただ、とり憑いているという言い方は大変なんかこうおかしな感じがしますけど」

「ならば、重なっていると云った方がいいのか」

「か、重なっている?さ、さようでございますねー」

「ところで、お前は前世で何をしていたのだ」

「わ、私は侍でございました」

「なに、侍か」

「ささようでございます」

「では、お前がめい子にとり憑いている侍と云う事だな」

「さ、サムライ、とり憑いている侍と云うよりも」

「では、お前は何と言ってほしいのか?」

「な、なんと云ってほしいと云うよりも・・・遺恨があって、うらみをはらしている侍、そのように云って貰えないでしょうか」

「遺恨があって・・・とり憑いているヤツと云うのか」

「と、とり憑いている?・・・」

「お前は屁理屈が多いいなぁ、色々云わなくてもいい、我の云う事に素直に従えばいいのだ。おい、お前が侍と云う事は、このめい子も侍の娘だったと云う事だな」

「さ、さようでございます」

「では、お前と、このめい子の関係から聞こう」

「わ、分かりました。カミサマ、じゃ、ちょっと話が長くなると想いますが、それでも構わないでしょうか?」

「おう、長くなっても構わない。お前がなぜ、このめい子に憑いているのか、その訳を聞きたいのじゃ」

「私、この女とは年が3つ、2,3違っておりました。私と、この女が知り合ったのは、私がまだ小さな頃、私の父上とこのめい子の父上がやはり同僚だったものですからお互いのお屋敷を行き来している時に初めてお会いしたのでございます。その時私は、確か5,6歳だったと想います。その時は、この姫はまだほんの、少し喋れるぐらいですから1歳、か2歳ぐらいでなかったかと想います。」

「そうか」

「そして、そのうちに私とこの女は私たち両親が認める許嫁の関係になったのでございます。」

「なに、許嫁だったのか」

「さようでございます。」

「おい、ところでお前が死んだのは幾つの時だ」

「私が死んだ?」

「そうだ、死んだ時だ」

「私が、こっちに来たのは、うーん27,8だったと想いますけど」

「27、8か、では、その時にはめい子とは結婚はしていたのか」

「結婚でございますか?いえ、結婚はしてはおりませんでした。」

「お前、許嫁ならばもっと早く結婚していたのではないのか?」

「そ、そこのところが、やっぱし私がとり憑くような結果になってしまった原因なのです」

「そうか、では、お前はめい子の性格は良く知っているのだろうなぁ」

「せ、性格でございますか?」

「そうだ、性格は知っているのだろうな」

「性格は良く知っていると云うよりも、何時も小さな頃一緒に遊んだ間柄ですから、良く知っております。」

「では、其の頃の性格を云ってみよ」

「性格は、これはわりとおちゃめな女の子だったんです。もう、きゃっ、きゃっ、きゃっきゃっ云って、もうしょっちゅう何かこう、あっちに逝ったり、こっちに逝ったりもう走り周るような感じで、どこでもここでも逝きたがって、このご両親が“手におえん”と良く云っておりました。もう自分でお屋敷から抜け出てどんどんどんどん勝手に色んなところに逝くもんでございますから、このお屋敷の下男とか、爺とか婆とかいっぱい仕えているものが居るのですが、それらがもう家じゅう、外まで出て探し回るほどもう、あっちに逝ったりこっちに逝ったりするもんでございますから、皆小さい頃、相当手を焼いたと想います。」

「そうか、小さな頃はおてんばだったのだな。である程度年頃になった頃の性格はどうだったのだ」

「せ、性格は、まぁその小さい頃からキャピキャピしているような感じで明るいと云うのか、なんというのか周りを全く気にしない性格で、物事を平気でズバズバ、良くまぁこのような事をいいきるなぁというぐらい、普通、お侍さんの娘さんと云うのはわりとおしとやかな感じで、おしとやかなお姫さまが多いのですが、この姫と云うのは、まぁ平気でもうベ ラベラベラベラ、人を貶(けな)して遊ぶと云うか、平気でぼろくそにいっちゃ“ほんと、つまらない侍ですねあなた、そんな性格ですから、貴方そんな性格ですから上の方に睨まれるんですよ”とか良く平気で言っておりましたから」

「そうか、では少し待て」



今の性格は如何ですか

≪小さい時は良くうろうろして・・・良く追いかけていましたねー(叔母)≫

では、小さな頃は前世の頃の性格に似ていたのですね。

≪今は、まだ人の事は云わないですね≫

<たまに云っている時はあるかな(祖母)>

≪一人でぶつぶつ言っていますね≫



「その他の性格を云ってみよ」

「その他でございますか?」

「そうだ」

「その他と云うより、まぁ一言で言ったら、まぁ大変頭が良かったのです。ですから、あのうお侍さんの姫とか息子が逝く寺小屋のようなものがお城の中にあるのですが、そこにこう逝って皆でこう、勉強をする訳ですが、やっぱし本当に頭はずば抜けて良かったです。要するに物事を理解するのが早かったのです。ですから私なんか、勉強している中でも、私なんかより下の子供の中でも一番頭が良かったのではないかなぁというぐらい頭が切れておりました。ですから教える先生も“ああ、あそこのお姫様は本当に頭のいい子供だなぁ”と将来学問の道に進めば凄いんじゃないかなぁと云う噂もある程でございました。」

「そうか、それほど頭が良かったのだな」

「さようでございます」

「では、少し待て」



前世は、相当頭が良かったと云っていますねー

≪うふふふふ・・・≫

今もいいでしょう。

≪これから伸びるのかもしれませんねー≫



「その他にはどうだ」

「うーん、その他と云うより、まぁそうやって目立つところと云えば、まぁ頭の良さと、まぁ性格と云ったら、まぁ一言で云えば、あのう口は大変悪いのですが、まぁ思いやりがあって大変優しいと云うところがありました。そして良く泣いておりましたねー何か、何か気が強いから泣くのか、悲しいから泣くのか、ちょっと分からないのですが、何かあったら直ぐ泣いておりましたねー、良く泣く子やなぁと云うのが印象に残っております。」

「そうか、ではお前がとり憑くようになった経緯(いきさつ)を話すがいい」

「分かりました。私小さい頃から両親の勧めで、許嫁と云う事で私も、あのう将来はこの娘と一緒になるんだと云う事をちゃんと心に決めておりました。しかし、私が、18、9の頃、もうそろそろ一緒になると云う頃に、この娘と云うか姫と云うか、この女が私を毛嫌いしたのです。私との、両家の許嫁であると小さい頃より一緒に遊んでおりましたが、ある時期からこの女は、私を無視するようになったのでございます。そして、私の両親もそのような雰囲気に気が付き、向こうのご両親ともお会いし、このまま結婚ができるのかどうかと云う事をお話に逝った時に、向こうのお父上が顔を曇らせたのでございます。その訳をお聞きすると、娘がどうしても結婚はしたくない、と云っているとお聞きし私の父上も“今更それはないだろう”と云う事になって揉めたのでございますが、この女が“絶対結婚はしない!もしするなら私は自害する”とそこまで言い張ったものですから、やむなく私もその結婚を一時中断した訳でございます。私は、小さな頃より剣術の道場に通っておりました。その同じ道場の門下生の中に私と年があまり変わらない男がおりまして、その男とこの女が付き合っていると云う事が耳に入ったのでございます。」

「おい、その当時、侍がこそこそ女と付き合う事などできたのか」

「それは、まずハッキリ言って出来ないのです。ところが、この女は小さな時からお買いものに逝くとか言ってはお屋敷を良く抜け出していたのです。そして、私と同じ道場の門下生と逢引をしていたのでございます。それで、私との結婚はもう破断になっておりましたから、今更“お前おかしいのではないか”とは言えなかったのでございます。そうこうするうちに私も結婚をしたのです。やはり父親との関係がある娘、姫ですねー。それと結婚したのです。この女もその男と結婚するように、確かなっていた筈でございますが結局結婚しなかったようなのです。そして、私は結婚して子供も居りましたから」

「子供は何人いたのだ。」

「私は、子供が3人ほど、女の子が一人で男の子が二人居りました。」

「その時、お前は幾つだったのか」

「私が結婚したのが19、19だったと想いますが、何人目の子供の事を云っているのでしょうか?」

「まぁ、それ程詳しく聞かなくてもいい。では、お前は19の時に結婚したのだな」

「さようでございます。で私は、もうこの女の事は一切忘れていたのございます。そして、ある日、まぁお城の帰りに茶店に寄って、まぁそこの茶店と云うのは侍が寄るお店です。そこで酒を呑んで帰る途中に、この女とまた偶然合ったのでございます。」

「その時は幾つだったのか」

「その時は、この女が20なるかならんかだったと想います。私は、もう22,3だったと想いますけど、確かそのぐらいだったと想います。たまたま出会ったのでございます。 私が、酔っ払って歩いていた時に、たまたま、この女から声を掛けられたのでございます。そして“お久しぶりですねー”と雑談をして、その時は別れたのでございます。だけど、私は子供の頃の想い出が強いものですから“ああっ懐かしいなぁ、どうしているのかなぁ”と想って、まぁその後また何か月か過ぎたと想います。そして、また偶然町で会った時、その時に色々聞いたのですが“あの時の侍とはもう別れた“とあの時の侍とは、私と道場が同じだったものでございますが、それとはもう別れたと云う事で結婚しなかったと云うのですねー、当時の私たちの世界と云うのは、一人の男と別れるような事がありますと、もう二度と結婚は出来ないのですねー。一般の侍同士の結婚は出来ない。だから後は、まぁ女房に先立たれたものとか、要するに侍でもある程度年の逝ったものとか、まぁ、そのようなお侍さんとしか、もう結婚出来ないのです。 一度でも、そのような噂が立つと、噂がたつだけで、“もうあそこの姫はだめだ“と云う事になりますから、一切、もうまともな結婚は望めないのです。だから、この娘も可哀そうですけど、そのような噂が流れてしまっているものですから、まぁ私なんかの居るところと云うのは小さな町でございます。お城も大変小さなお城でございますから”誰々がどこのものと付き合っている”とかは直ぐ伝わるのです。その当時、結婚を前提に付き合うのが習わしでございますから、当然結婚をするものと想っておりましたから、だけど結婚しなかったのです。それで“結婚はしませんでした”と、それで“ああっ、可哀そうな事をしたのだなぁ”と、だけど私としても何とも云う立場ではありませんから“ああっ、そうですか、何れ良い方と巡り合えたらいいですねー”と云って別れたのでございますが、だけど、どうも私、可哀そうな気持ちが湧いてきて、それから何かかんか用事を・・・うーん不思議なもんです。あれだけ疎遠になっていたのが、まぁそんなこんなで、なんかこう突然また会う機会が増えてしまい、そうしてこの女とそう云う関係になってしまったのでございます。」

「そうか、では、その時お前は幾つだったのか」

「いや、その時だから23・・・うーん23か4かなぁ、23,4じゃなかったかなぁ」

「では、お前たちは隠れて付き合うようになったのか」

「さようでございます。もうこの姫も、その時点でそんなにご両親からも外出を厳しくされてなかったような感じですので、わりと明るいうちとか、通常、一般のお姫様とか云うのは、出かけるときは必ず籠に乗って出るのが殆どでございます。あとは、爺やとか婆やが一緒にお町にお買いものに逝くとかが習わしでございました。ですから、この女も、そのような形で婆やとかと一緒にお町にお買い物に逝って、そして婆やだけお茶屋で饅頭とか食べるようにお金を渡して、そして私と逢う事は婆やには一切口止めをして、私は別のお茶屋で逢うと云う形にしていたのでございます。それが何年か続いたのですねー、そのような関係の付き合いが、だけどもうこの娘も結婚と云うのは無かった訳ですから、なかったと云うよりも、もう自分でも諦めていたと想いますし、そしてまぁご両親も今更結婚を進めるなどと云う事もありませんから、余程何かのご縁が無い限り、うーんそのような侍と一緒になると云う事はまず難しい、だから先に女房が亡くなった、先立たれた人と一緒になると云うような形になると想いますので」

「そうか、おい、もう少し早く話をしてくれないか」

話し方が大変のんびりしているため急かす。

「は、早く話せと云われても、神様がちゃんと話せと云うから私も話しているのでございますが」

「そうか分かった、ではそのまま続けよ」

「そして、結局私はですねー、この女と付き合っている事が、結局知れてしまったのですよ。結局は、そのー、町やで逢っているところを他の侍に見つかったのでございますよ。それが城中の噂になり、ここの娘の父親の耳にも入り大変な怒りようで、私の父親にも文句を言ってくるし、もう大変な事になって、私それからもうお城に上がれなくなってしまったのでございますよ。」

「それなら、この女が悪いのではないではないか。お前たちの逢引が見つかったのだろう」

「いえいえ、その後がこの女、大変憎たらしい事をしたのですよ。私は、私は、ずーっと“そんな事はありません”と隠し通していたんですよ。幾ら噂になったからと云って“いや、あの時はたまたま逢ってお茶屋でお酒を呑んだだけで別に他意はございません”とずーっと私は認める事はしなかったのですよ。この女は直ぐ、ちょろっと父親に“いやいや、私も寂しかったのでついつい、あの方と昔を想いだしてお話をしているうちにそのような関係になってしまった”とかなんとかかんとか言って認めてしまったのですよ。それを、もう父親が“わしの娘をキズものにしてしまって、お前の妾か、二号にするつもりか!”ちゅうて、もう怒鳴り込んできて私もう“いえ、そんな事はございません。いやいや私はそんな事”“じゃぁ娘を連れてきてハッキリさせる!”“いや、もうそんな事おやめください。もうこれ以上何かあると私お城にも上がれないし、もう腹を切るしかございませんよ”ちゅうたら、この女の父親が“よし、お前がそこまで白を切るのだったら娘を連れてきて白黒ハッキリつけてやる!分かったか!”“いえいえ、それはご勘弁くださいませよ”と私泣いて頼んだのです。そしたら私の女房とかが、もう“あなた、どう云う事でございますか?”ともうガンガンガンガン責めてきて私、私もう逝き場がない、お城に上がるにも、もうお城からは出入り禁止になったのでございます。ああ云う噂が一度でも立つと出入りが禁止になるのです。謹慎ですよ。もう、それでこの娘の父親が、娘を連れてきてもう、“どうした、お前うちの娘をこうやって連れてきたが、どうかお前、認めるか!”“いえいえ、それはどうかご勘弁してくださいませ、そのような事はありません”ちゅうたら、この娘が“あなたも男のくせをして卑怯ねー、私とお付き合いしたことをなんでそこまで隠すのですか?あなた、お城に知れたとか、奥様に知られたとか言って泣いておりますけど、私の立場は一言も考えてくれていないですねー、私は、あなたと遊んでしまったと云う事が、もう世間に知れ渡ってしまっているのですよ。今更隠してもしょうがないじゃないですか、認めてくださいよ”ちそんな、突然私の家に上がってきて、認めろ、認めろと父娘で攻め立てる。この女も冷たい女や“あなたのような人は、私は、本当はあなたのような人と一緒になりたかったのに、ついついあの方に惹かれてしまって、その時は私に調子のいいことばっかし云って、今度見つかって、分かってしまったらもう、あなた卑怯な方ね“と私に云うんですよ。それで私も渋々黙り込んでしまったらうちの女房が、もう”あなた、よそ様のお姫様に手をつけるなんて、あなた恥ずかしくはないんですか?どうして、あなたよそ様のお姫様に手を付けたりするんですかっ“と、もう後ろでしくしく泣くし、子供たちは向こうの部屋でじーっとかしこまって、私の目の前には、この父親がガンガンガンガン云って、この女は私を睨みつけているし、私もうどうしようもなく、じーっとしていたら”あなた、お腹を切ってお詫びするしかないんじゃないの“とこの女が云ったのですよ。このおんな、私の腹を切れ!ちゅんですよ。”私との仲をそんなに隠して、私に恥をかかせた以上、あなたはお腹を切って自分で潔く、自分の身をちゃんとしたら如何ですか?“と私の女房も”お姫様大変申し訳ありません。それなりの事はちゃんとさせますから“と私、どうしたらいいか分かるず、とうとう腹を切らされる羽目になってしまって、そして私、この女が帰った後に、この女と二人っきりになって話をして、ちゃんと謝ろうとして、このお屋敷に使いを出して、もう私の家はてんやわんやの大騒ぎですよ。もう、父や母も私のした事を咎めるしもう、城に上がれ!と云われるし皆に、”このままじゃわしの家は断絶じゃ、お前が責任取るしかないわい“ち云われるし、もう私が城に上がれば、もう私が責任とれば、もう私一人だけが死ねば、後の子供たちは、そのままお城に上がれると云う事で、この女を呼びだしたのでございますが、もう出てきもせん。それで致し方なく、腹を切るのは怖いし、私仕方なく山に逝って、ちゃんと遺書を書いて、そして山の木に縄をかけて首を吊ったのでございます。もう今も首が無く、私首がないんです。も、もう悔しくて悔しくて、もうこんな事で私の一生をなくしたのでございます。」

「そうだったのか。良く分かった。少し待て」



≪お話を聞いていると、お姫様が悪いと云う事じゃないみたいですねー≫

そうですねー、自分が素直に白状しないからこのような顛末を向かえたのです。



「おい、お前は首が無いと云っていたなぁ」

「そ、そう、さようでございます。私首が無くて、そしてこの女の中に入って、この女と一緒に今暮らしているのでございます。」

「お前は、暮らしているのではなく、とり憑いていると云う事だろう」

「とと、とり憑いてあっ、ああ・・・かか、カミサマらしくないお言葉を使いますねー」

「では、神様とは、どのような言葉を使うのだ!云ってみよ」

「かか、神様がどんなこと?私神様なんかとお話しした事がありませんから」

「だったらカミサマらしくないなどと云うな!我が神なのじゃ」

「あっ、さ、さようでございます。さようでございます。か、神様大変申し訳ないことを云いました」

「だから、お前がこの姫にとり憑いていると云う事になるのじゃ、分かったか!!」

「おお、わ、分かりました」

「では、お前はこの姫と一体化していると云う事だな」

「さ、さようでございます。」

「では、お前はどのようにして恨みを晴らしているのだ」

「恨みを晴らしているなど、そんな事を神様に」

「我に全て話せと云っているであろうが、だから聞いているのだ、ハッキリしろ!」

「わわ、分かりました。恨みを晴らしております。」

「では、どのようにしているのだ。お前の復讐の仕方を喋ってみよ。それを云えば許してやる」

「復讐を云えば許してやる?私、神様、復讐を喋って許していただけるとか、また神様、カミナリを落とされるのではないでしょうか?」

「お前が、ちゃんと話せばカミナリは落とさない。お前が少しでも嘘を云えばまた落とすのじゃ」

「うをっ・・・わ、分かりました。ちゃんと話をいたしますから、よ、宜しいでしょうか?」

「おう、お前の復讐を話してみよ」

「分かりました。まず、ハッキリ云って私がこの女になっておりますから、私は、私の性格がこの女と重なっておりますから、まぁ一言で云えば、この女は二重人格者と云う感覚になっている筈でございます。ですからこの女の喋る事と、私が出て喋る時と全然違うのです。で、ですから、この女は他の人が見たら“あの人は何を喋っているのか全く分からない。あの時はこういったのに、今度は全然違う事を云っている。何を云っているのか全然分からない?”と云う感覚になっている筈でございます。ですから本人自体も“あらっ、私はなぜこんな事を云ったのかなぁ、あんな事全然思わないのになぜ云ったのかなぁ”と何時も悩んでおりますよ。」

「そうか、では少し待て」



どうですか?

と姪ごさんにお伺いするが

『・・・・・・・・・・?』

まだ話の内容が汲み取れていないようである。

が小さな声で

『・・・・・ある』

と云う。



「よし、お前のやっている事は本人も認めた。後はどのような事をやっているのだ」

「あ、後はでございますねー、私ねー、人間界に居た頃ねー、あまりねー勉強が好きじゃなかったんですよー、ですから、これが勉強をしようとするとねー、勉強をさせないようにしているんですよ。“そんな事をしてもつまらん、つまらん”と私が囁くんですよ。そうすると、この女ねー、勉強しようと云う気持ちがスーット削がれてねー“私、なんで勉強するのかなぁ、こんな勉強しても意味がないなぁ”とだから自分からねー、勉強をねーしないようにさせているのですよ。だけど、元々頭が良いもんですから、ちょっと聞くだけで、直ぐ記憶に残るんですよ。それで帰っても直ぐまた勉強しようとするから、私が、なるべく勉強をさせないようにしているんですよ。で、ですから今、これはねー、自分が、頭が良いのか悪いのか分からない状態に入っているんですよ。ですから勉強をしていてもねー、聞いて覚えようとすると私が中に入っているもんですからねー、私が聞かないようにさせるのですよ。そうすると、この女も訳が分からなくなって“何か訳が分からない。あぁ、もういいわっ、訳が分からないからもういいわっ”と云う感じで、もうハッキリ云って勉強と云うものに対して関心がなくなっております。」

「なに、ではそれはお前がやっていると云う事か?」

「さようでございます。私の性格とこの女の性格が、常に入り混じっている(混在)と云う事です。」

「お前は頭が悪かったのか」

「頭が悪かったとか、大変失礼な事を云わないでください!ただ、勉強が好きじゃなかったと云うだけの事ですから。」

「そうか、ではお前が勉強を出来なくさせていた と云うのだな」

「さようでございます」

「よし、それも確認してみよう」

「わ、分かりました」



勉強をさせないようにしていたと云う意味は分かりますか?

<当たってるねー、教えよっても“ああっ、分かった、分かった”と云って分かっていないんですよねー、ウフフフ、もう聞く耳持たず。ですねー、確かに暗記力はいいんですよ。何でも直ぐ覚えるんですけど・・・>

という。



「おい、次はどのような事をやっていたのだ」

「次は、でございますかー、要するに、この女がですねー、嫌われるようにしているんですよ。ですから、これが喋る事全てがねー、嫌味に聞こえるようにしているんですよ。ですから、こいつねー、私の前で、自分の父親の前で、ハッキリしなさい!と私云われたもんでございますからねー、それが結局首を吊る原因となったようなものですから、これにもねー、口は禍の元じゃと云う事をねー、こいつに存分に思い知らせてやろうと想っております。ですから、こいつが友達や、他の誰にでも喋る時にはねー、嫌味に聞こえるようにしていますからねー、ですからわりと友達や皆から嫌われるんですよ。それは私が嫌われるようにしていますから。ですからこの子はいっつも悩んでおりますよ。“私どうして友達が出来ないのかしら、ちょっと友達が出来ても直ぐ去っていく、どうしてかしら?私の何が悪いのかしら”と何時も考え込んでおりますよ。だけど私はねー、この女の一言で首を吊る羽目になったのですから、ですからこの女にも、その責任を取って、自分が喋ることがどれだけ人を傷つける事になるのか、それを分からせる為に、人にどんどん嫌われるようにしていますよ。」

「では、お前が友達に嫌われるようにしていると云うのか」

「さようでございます。嫌われるように、嫌われるように、ですから、皆これを快く想っておりませんから、ですから、だんだんと孤独になって家から全く出ないようになりますよ。私は家の中に閉じ込めておくつもりですから、人との会話を一切出来ないようにします。人と会話をすれば頭が痛くなったり腹が痛くなったり、もう色んな障害をださせますから、今でも私その様な事をやっております。ですから、これは何か楽しいことがあって友達とニコニコ笑ったり話したりしていると、突然腹がいたーいとか、頭がガンガンするような事を今でもやっておりますから、何れこの女は孤独になっていくのですよ。これからも、これはまだまだ、大人になるに従って外には出さないようにします。家に閉じ込めて、じーっと悩ませて一切誰とも、親とでも口を聞かないようにしてやりますから」

「よし、分かった。そのことについてもお聞きしてみよう」

「はい、確認してみてください。それは本人が一番良く分かっている筈ですから」



と云うような事は今までにありましたか?

<仲良くした日に限って悪くなるようです。確かにズッバと云うよねー>

では、これが云っていることはお認めになりますか?

<はい>

成長するに従い、何れは、引きこもりにするというのですよ。

<引きこもりになると云う不安は感じていました。だから一人部屋はあげんよーと、ずっと云っていました>



「その他にはどうしていたのだ」

「いえ、その他ですねー、私首が無いものでございますから、私とこいつが一体になっておりますから、私楽しみが無いままこっちに来て、ですから私、この女の体を私の体にして、私がしたかった事をこの女にさせようと想っておるのでございます。」

「お前はどのような事がしたかったのだ」

「私は、ハッキリ云って・・・私もう精一杯、もう女遊びをしたかったのです。もううっぷんがたまって、溜まって、もうイライラしてガンガンガンガン遊びたかったもんでございますから、ですから私の想いをこの女の体を借りてやり遂げてやろうと想っておりました。」

「だけど、それはおかしなことだろう。お前は先ほど引きこもりにさせると云っていたのではないか」

「引きこもり?引きこもる時は一切出しません。その変わり出たらやりっぱなしにさせるつもりでございました」

「そうか、つもりと云う事は、もう離れると云う事なのか?」

「私離れる?離れる訳ない!かか、神様何を云っているのですか、私が離れたら、私首がないんですよ。離れてどこを彷徨うんですか?私とこれは二人で一人の体なんですよ。この体は私の体でもあるんですよ。私が居なくなったら、私どこに逝ったらいいのですか?私彷徨(さまよ)はなくていかんではないですか。そんな事幾ら神様でも、神様のご命令でもそれだけは出来ません。お、お許しくださいませ。」

「よーし、お前の云う事は分かった。それなら、もうお前は離れなくてもいい」

「ああっ、有り難き幸せを・・・」

「おい、お前は首が無くて不便ではないのか?」

「不便と云うか、本来の私の首があったらいいのですが、もう首が無いものでございますから、今この女と一緒になっておりますから、別にそれ程不自由はしておりません。」

「では、あったらいいと思っているのならお前に本来の首を付けてやろう」

「神様、私に首を付けて頂けるのでしょうか?」

「そうじゃ、お前は、顔はおかしかったのか」

「私顔は、まぁ顔は、頭はそんなに良くはないけど、顔だけは自信を持っておりました」

「お前は顔には自信があると云うが、最初はこの女に振られたのだろう」

「振られた?ウハハハ、振られた、そのような云い方をされても困りますが」

「では、お前の元々あった首でよければ、それを付けてやろう」

「ほんとに、神様私に首を付けて、私こんなに、この女に復讐をしているのに、私に首を付けて頂けるのでしょうか?」

「そうじゃ、首を付けてやる。そうすればお前の考え方も少しは変わるであろう」

「考え方が変わるかどうか分かりません。首を本当に付けて頂けるのでしたら、首を付けてくださいますか?」

「そうだ、首を付けてやる」

「ああっ、有り難き幸せに存じます。カミサマ、神様のお言葉を信じて宜しいのでしょうか」

「そうじゃ、信じても構わん。お前に自分の首が付くのじゃ。そして首が付けばまたこの女と共にうろうろするがいい」

「ささ、さようでございますねー、首があったらそらぁもう私、こんな嬉しいことはございません。やはり、この女にとり憑いていて良かったでございます。」

「お前もとり憑いたと云ったなぁ」

「と、とり憑いた?それは神様がとり憑いたと云ったから、ついついそのとり憑いたと使ったのですよ」

「そうか、ならばいい。では今から首を付けてやる。そこに座っておれ」

「わわ、分かりました。ああ、有り難き幸せにぞんじます。かか、神様、はやく、早く私の首を・・・も、もし首が付いたら、わ、私両親のところに、ごご、ご挨拶に逝きたいと想っております。そして私、子供とか女房のところにも一言、一言だけ、いや、女房のところには逝きませんやっぱし、女房のところに今更逝って馬鹿にされるのは嫌でございます。女房のところにだけは絶対、ただ子供たちがどうなっているのか、だけどどっちにしても父上や母上のところにご挨拶にだけは逝きたいと想っております。」

「そうか分かった、ではそこに跪いておれ」

「ああっ、有り難き、有り難き幸せに存じます」

さて、それでは首を付けてやる事にしよう。

無理に離れよ!と云っても良いのだがどうせ記憶が消えるのだ。

少しでも自分の思い道理、納得の出来るようにしてやればいい。

それで本人が束の間の喜びに浸れるのなら。

そして、首を付けるための作業に入る。

その方法としては、現世で両手を動かすだけの単純な事だが。

そうこうして両手を動かしていると

「アウッ、アウッ・・・ううっ、ウッ、ウッ・・・」

と断続的に呻き声をあげ始める。

そうして

「あうっ、おや、首がえらい凝っているなぁ、あらっ、今日はどうしてこんなに首が凝っているのか?・・・あらっ、ここはどこか?どこかなぁ」

「そこは初めてみるところか」

「初めて?えっ誰?誰・・・今誰ですか私に話しかけたのは」

「お前の頭の上を視るがいい」

「あたまのうえ?うわっ、ウワワ、アッ、なな、なんかこりゃ!こりゃへんなふうに眩しい!」

「その光は我じゃ」

「ひかり、ひかり、光!ウワッ光!ひかり、ヒカリ、なな、なんなん、なんだここは?」

「これから我の云う事を聞け」

「われのいう?頭の中がなんか、誰か話しかけているのかなぁ、ヒカリとか何か、ここはどこ?」

「我の云う事を聞けと云っているのだ!」

「うわっ、何か頭の中がガンガンして」

「お前の頭の中で話をしているのだ、分かるか」

「な、なんか分かりませんが、何か分かりました。云う事をやめてください。頭の中がガンガンガンガンしますから、ああっ、何か頭の中でガンガン喋るから」

「そこは、どのようなところか、と聞いているのだ」

「ど、どんなとこ?私もここは初めてで、うわーっ、ここはお花がいっぱい。うわーっ、お花畑。何か私の子供頃、うーん私の子供の頃のお花畑のところには、これだけあるお花畑には逝ったことがない。えらい、こういい匂いがするなぁ、もうほんと綺麗なお花畑や。」

「そうか、そこにはお前だけか」

「一人ち私、今日確か道場の連中と一緒に酒を呑んで帰る時まで、夢が覚めたらこんなところに居って、どうして私こんなところに居るのか分からないんですけど」

「そこには何があるのだ」

「なな、何があるのか、たって・・・おお、お花がいっぱいで、あっ、なんか向こうで、川がありますねー、なんかえらい大きな川がありますねー」

「川があるのか」

「川がありますねー、何か、うわーっしかし綺麗なところですねー・・・それに天気がいいわっ、本当に空が青々として、ほーう、いいところやなぁここは、私どうやってここに来たのかなぁ」

「それは、お前が死んだからじゃ」

「わ、私死んだ!そんな馬鹿な、死ぬ訳ないじゃないですか。酒を呑んでの帰りやったのに、あらっ、なんでこんなに明るい?」

「だから、お前は死んだからそこに居るのだ」

「えっ、私死んだからここに居る?だけど死んだらこんな綺麗なところに逝くんですか。ここはいいところやなぁー、うわーっ、だけど死ぬ訳ないわっ」

「そうか、では信用しなくてもいいぞ。後は何があるのだ、云ってみよ」

「後は、あっこに川があって、うーんお花畑の向こうに、向こうの方に山があって、そして、あっ、あっちの方か、あっちの方に畑があるのかなぁ、うーん小屋があって、あっちには、何かえらい雲がいっぱいあって、うーん後は、ここには蝶々が飛んでる感じでございますねー」

「そうか、その他にはないか、良くみてみろ」

「うーん、その他?だけどどうして私の頭の中でガンガンガンガン、眩しいし頭の中でガンガンガンガン誰か喋りかけるし、もう、あらっ、誰か迎えに来ているのか・・・あんたなんか、えーっ私、私ですか?(と迎えに来たものに返事をする)私に、来い!と云うんですか、分かりました。ちょっと待ってください。頭の中で誰か喋っていますから、今、あっこで来いと云っていますが、私逝ってもいいんですかねー」

「どのような人が来ているのだ」

「どんな人と云うよりも、ああっ、何か老人、おじいさんとおばあさんと、何か4,5人来ているなぁ、ニコニコして何か楽しそうに、私に“はようおいで、おいで”ち云っていますが、逝ってもいいのでしょうか?」

「そうか、ならば逝くがいい」

「そ、それでは、それではと云っても誰も?ああっ、分かりました。今から逝きます。」

と云って迎えに来た先祖の元に逝ったようだ。

今回の少女に憑いていたのは、前世で自分の不甲斐なさを暴露され自害して果てた侍だった。

その不甲斐なさとは、浮気をした相手が自分をかばわなかったと云う単純な理由からだ。

浮気がみつかり、その浮気相手のご両親や自分の妻に責められての自害だったのだ。

潔く、浮気がみつかった時点でご両親や妻に心からの謝罪をしていれば自害までには至らなかったのではないだろうか。

卑怯にも、何時までも白を切り通した為、最悪の結果を生んでしまったのである。

それこそ、不徳の致すところであろう。

故に姪っこさんには何の罪もなかったのだ。

今回は、60歳の祖母、31歳の母親、幼稚園に入園したばかりの息子さん。

それに母親の姪にあたる中学1年生の少女と、皆さん方に纏わる前世の因縁を記した。

前世の因縁が全て無くなると云う事は、生まれ変わったような清々しさを覚えるという。

人はみな生まれながらに業(罪)を背負っていると云われるが、その業が消えたのだ。

所謂、罪がなくなったのである。

修行僧は煩悩をなくす為に過酷な修行に励むと云われているが、その煩悩が芽生える要因こそが、前世の因縁の為せる業ではないのだろうか。

当相談所では、この因縁をいとも簡単に除去するのである。



---------------------・・・・・・怨霊を全て除けた数ヵ月後、なんと全員が地獄の淵に落とされていた事が分かった。

一人でも人を殺し怨霊に憑依されると、たとえ怨霊を除けた後でも魂が助かる事はない、と云う事が今回初めて分かった。

魂を助けるには人間界に降りている魂ばかりが集まる集落か、或いは天国まで上げるしかないのである。

で、前回お見えになって2年経った今日、地獄に落ちていたご主人、息子さん、姪っ子さんの魂を人間界に降りている魂ばかりが集まる素晴らしく明るい集落まで引き上げる事が出来た。

この場所に魂が入ったと云う事は、もう二度と地獄に落ちる事はなくなったという事なのだ。

しかし、前世の因縁が憑いている多くの方々は死後、全員、地獄に落される運命にあると云う衝撃的な実事がこの度ハッキリとした。

・・・・たとえ怨霊を除けた後でも、である。

だからと言って怨霊を除けないことには始まらないのだ。。

その後、魂を人間界に降りている魂ばかりが集まる集落まで引き上げれば良いのである。

天国は別格としてこの集落まで入る事ができれば人生としては最高ではないだろうか。

そして死後も安心してご先祖の待つ霊界に帰れる事になる。



以下はお母さんが地獄の淵に落ちていた時の苦悩と身体の状態を詳細に記した貴重なメールである。

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おはようございます。

昨日、先生からのメールを拝見して涙がでるくらい嬉しくて息がとまりそうになりました。

今後の参考に少しでもお役にたてればと思い、私が分かる範囲で症状をお話しさせていただきますね。

精神面でですが、やはり突然怒り出し怒ったあとはケロッと優しくなったり、眠くて一瞬で寝てしまったり、特に眠気については強いです。

あと母を見てて思うのがいつも悩んでると思います。

悩まなくてもいい小さな事に悩んだり、あとは主人が地獄おちていたときみたいにやる気がなかったり…

今わたしもそうなのですが、やる気になっても持続するのが大変なのです。

あとこれは関係ないかもしれません が、太りやすくもなるようです。

ちなみに我が家は草食系でほとんど肉を食べない生活ですが、なぜかみんな体重が増えていました。

息子に関しては肥満を心配してましたが、先生に上にあげて頂いてからは 体重が増えなくなりほっそりしてきました。

そして、体面の症状ですが、わたしはいま首と足と目と心臓に違和感を感じます。

先週は首が痛くてそれからの吐き気で仕事である??????に向かえない日が多かったです。

一昨日から首がものすごく痛くて、もう誰か首から上をとってと思うくらいでした。

また足は左膝ですが、病院いっても異常なくてでもひざまずくだけで、激痛がはしります。

そして目ですが、一時期症状がよくなったのですが、また左目だけまわりになにか被さってるようなボヤーっとしたかんじが続いています。

最後に心臓ですが、これはいつもではなくて、昼間??????で仕事をしているときに動悸がして胸が苦しくなったり、ドクンと一瞬苦しくなるというか胸苦しくなります。

いまこのような症状です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜&〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上記が地獄の淵に落ちている時の身体の症状と精神状態のようである。

がここには記されていないが、精神的には眠くなる、イライラする、怒りっぽくなると言うのが顕著に現れるようである。

それに、おばあちゃんは小さな事で悩まれている、と。

肉体的に太ると言うのは初めてである。

首が痛いのは、魂が首を吊られた状態であるから。

左腿や目は化物の影響ではないだろうか。

地獄の淵にはおとぎ話にでるような化物がウヨウヨしている。

やはり魂が地獄の淵に落とされると精神的にも肉体的にも過酷な状態に貶められるようだ。



がこのメールが届いた直ぐ後にお母さんの魂を人間界に降りている魂ばかりが集まる集落まで引きあげ助ける事ができた。

これで身体の異変や眠気もある程度治まるのではないだろうか。

また、魂が上にあがった後の感想、身体と精神の状態をお母さんからお知らせ頂けたら幸いである、が。

今回のご相談者であるお母さんが地獄の淵に落ちていた時の身体の異変や精神状態を記しているが、それは各人によって多少感じる箇所に違いは出るようである。





・・・・・・・・・・・・・・・その後、12月(平成25年)に入り今度はおばあちゃんの60になる弟さんが白内障の手術をしなければならなくなった、と連絡が入る。(白内障は両目で左目が全く見えない)

もしや何か霊的なものが関わっているのではないかと言うものだ。

で15日、おばあちゃんとお母さん、それに今まで私の除霊に懐疑的だったお母さんのお姉さんもご一緒にお見えになった。

懐疑的だったお姉さんがなぜ?

と言えば、 お姉さんは私の除霊とはどのようなものか、と偵察がてらのようである。

そして私の除霊を見てお姉さんがどのような反応を示すか、も今回の除霊の楽しみの一つとなった訳である。

では、おばあちゃんの弟さんのお名前を書いていただき霊的エネルギーの有無を確認する。

その前に弟さんのご自宅では不動明王などの仏像が部屋に7体、家の外に15体溢れるように祀っていると云うのだ。

それを毎日神様と崇めていると云う。

これらの仏像には魔物が入っている恐れがあるから全て撤去しなければ、と云うのだが、弟さんは他人の除霊など信じていないから、退け去る事ができないというのだ。

万一、危ぶむように魔物が入っていれば首から上の病に侵される恐れが強いのだが、今の現状ではどうしようもならないらしい。

でそれは後ほどと言う事にして、先ずは手術日が近づいている白内障に関わるモノからとり除いて頂きたいと言われるのである。

先ほど書いていただいたお名前を確認するとやはりお名前から霊的エネルギーが出ている事が分かった。

で早速弟さんのお名前を呼び霊的エネルギーの主を私の中に呼び込む。

そして入って来た主に、とは言っても前世の因縁に決まっているが。

その前世の因縁に、お前は叔父(仮名)か、と聴く、が・・・・・・?

何の反応も示さない。

それでもしつこく、お前はダレダ!!叔父ではないのか?

天罰をかけるぞ!と言っていると、さすがにウルサク感じたのか、やっと反応を示した。

しかし、その反応の示し方が激しい!

「ウルセーやかましい!!!!!ナニモノカ!人の頭の中で!!グジャグジャ喋りやがって!」

そうなのだ、私が喋る声は相手の頭の中でガンガンガンガン聴こえると言うのだ。

「おい、お前は叔父か、と訊いているだけだ。何をそんなに怒っているのだ」

「ウギャグヤウギャwwwwwwwww/////////(相当腹を立てているのか歯ぎしりをするように言葉にならない音を出す)」

そこで天下の宝刀、念を入れる。

すると

「グワーッギャ!!!!ヤヤッヤヤヤ、ヤメロ!ヤメ、ヤメ、ヤメロ!」

「やめろと言うがお前は叔父か、と訊いているだけだろう」

「ウッ!フフウ/////」

「お前は叔父かと訊いているだけだ、どうした」

と何回も同じ事を云うが訳が分からないのか.......反応がイマイチない。

でまた念を入れる。

「ウックチ!!アッワッワワワワ、ワカリマシタワカリマシタ・・・わかりました」

これでやっと素直になれるだろう。

「お前は叔父かと訊いているのだ。まだ返事ができないのか!!」

「・・・・イエッ、オジではございません」

「叔父ではないのだな」

「ソウソウ、さようでございます」

「では、なぜ最初からそう言わないのだ、違うと」

「ウギャヒハ、、、、ママッマチガイ、マチガイあなた様どなた様でしょうか?」

「人の事を聴く前に我の聴く事に応えろ、わかったか」

「わかるわかるわかる・・・・」

「お前は前世では何をしていたのだ」

「わたしは・・・百姓でございます」

「百姓か」

「さようでございます」

「では、この叔父は何をしていたのだ」

「ヒエッ!この叔父は、これは極道もんでございました」

「なに、極道もんか」

「さようでございます」

「極道もんという事はヤクザものと言う事か?」

「ヤクザ?????んん、ヤクザの組織に入っていたのかどうかは分かりませんが、まぁ極道もんでございます」

「では、その極道とお前たち百姓はどんな関係だったのだ」

「関係なんか、私なんかこの男になんでもかんでも、あまり出来ない作物を盗られていたのでございます・・・要するに私たちはこやつに脅されていたのでございます・・・年がら年中私たちの村にやって来ては村人からなんでもかんでも盗んで行くのでございます・・・逆らったりしたらもう踏んだり蹴ったりされてもう大変な目にあっておりました」

「そうだったのか、ではお前はこの叔父の性格は知っているのか?」

「セイカクでございますか?まぁ性格と云うのは、私たちはそんなに親しくありませんから、何しろ凶暴でございますからねー、もう目がいつもギラギラしていて、もう喋る時なんかいつも口をこうひん曲げてですねー”こら!お前たち百姓がなんかー”と言ってですねー性格が荒いと言ったら大変荒い男でございます」

「そうか、では少し待て」



と言っておばあさんに弟さんの現在の様子をお伺いする。

性格が荒いと言っていますが如何ですか?

《あんまり荒くないですねー》(おばあさん言)

<怒らない感じです>(お母さん言)

今生の性格がおとなしいと云う事ですね。

本来は気が荒いのでしょうが、その荒い性格を出させないようにされているのです。

<・・・・・はぁ〜>

という事は弟さんの魂が暴れる事を怖がっている、暴れられないようにされていると言う事ですよ。

《・・・はぁーふうーん》

<何かほそーくて頼りない感じですが・・・周りを顧みずに自分のやりたいことをすると云う事がちよっと極道の人と似ているのかなぁと思います>

《で・・・・業(仕事)をしていて失敗したのですねー》



「では、お前は叔父に殺されたのか?」

「さようでございます」

「なら、なんで殺されたのだ」

「な、なんでと云うより、雪の降る寒い夜でございましたよ、わたしら百姓は作物が取れなくて山に罠をかけに行ってイノシシとか鹿とかクマなんかを獲る訳でございますよ、その日はたまたま鹿とか熊が獲れたんで大猟でございますよ、畑の野菜なんか殆どないものでございますから山に逝って罠を仕掛けたり、山の芋を掘ったり草を取って村の皆が集まって一杯やろうや、ちゅうことで、熊の肉なんかが獲れたものでございますから、もう久しぶりの肉じゃ肉じゃと言う事でまぁ、みんなで寄って鍋を食べて酒を呑んでいたのでございます・・・そうしたらこの極道もんたちが五六人で来て”こら!きさま達何喰っとんのか!!”と言って、いや私たちは熊が獲れたもので、まぁみんなでこうやって鍋にして喰っているんですが、と言うと”ヤカマシイ!!そんなんが捕れたらなぜ直ぐワシのとことに知らせにこんのじゃーお前たちゃー”と」

「おい、ちょっと待て」

「な、なんでしょうか?」

「ところでこの叔父はどのような顔立ちをしていたのだ」

「顔立ちでございますか?」

「そうだ、どんな顔立ちをしていたのだ」

顔立ちを訊くのは、前世と今生の顔の比較をする為に聞く。

「顔だちちゅうのは、まぁこの男はですねーあまり身体は大きくはないのですよ、体はね小さいのですよ、顔なんかにしたってねー、そらぁ表情を視たらねーホント極道の顔そのまんまでございますがねー普段はねーこうわりとおとなしくねー、最初見た人はねーあれが極道か、ちゅう感じに見えるのですよ、ところが一旦怒るともう極道丸出しでございますからねー、そうりゃ大変な顔になりますよ、顔がコロット変わるんですよ、最初のうちはもうホントなんかこう、ああ人の良さそうな顔をしているなーと言う感じでございますよ」

「そうか、では顔が三角とかマルイとか長いとか色々あるがどのような感じなのだ」

「顔立ちはわりとこうほっそりした顔立ちですね」

「ほっそりという事は丸くはないと云うことだな」

「まぁ丸くはないですねーわりとホッソリなんかこう、ホーっとしているような感じでございますねー」

両手を細長い瓜を形どるようにする。

「そうか、良し分かった。少し待って」



叔父さんは今、喋ったようなホッソリした顔をしていますか?

とお母さんにお伺いすると

<・・・うーん、そう言う感じですが、怒ったら取り返しがつかないと云うか、怒らせたら怖いといいます。で今回も連れてきたかったけど、もし怒り出したら取り返しがつかないなと思って怖くて言い出しきらなくて>

《先生にも迷惑をかけるし・・・ね。本人に一番聞かせれば良かったのですがね》

そうですね、ご本人に聴かせるのが一番いいのですが、それは出来ないと言うことですからね。





「では話の続きをするがいい。鍋を食べてどうしたのだ」

「さ、さようでございますよ、みんなでせっかくもう・・・こんなに熊とか鹿やイノシシとかが捕れるのはあんまりないんですよ、やっぱしこいつら動物も餌になるのがあんまりないのですよ、山のズーット奥の方に行かないとないものでございますから、まぁやっぱしこの時は寒い時でございますがクマも冬眠をしていなかったのですね、やっぱし餌がたりないものでございますから、私たち人間の作物が取れないと山もやっぱし草や実も少ないものでございますからクマも冬眠できなくてウロウロしているところを私なんかに捕まったものですから、まぁ久しぶりにみんなで、今日は腹いっぱい喰って腹いっぱい呑んでのうー、とみんなで和気あいあいとしていたらこの男が突然四五人で入ってきて”なんでワシたちに言わんのか!!なし知らさんのか”と私たちはだから、なんでワシたちがあんたなんかに知らせにゃならんのか?と言ったら”ヤカシイー!!お前のとこの、この村の物はノウ全てワシがノウ管理するんじゃ、ワシのところに言ってこんとお前ノウ、お前たち生きていけんぞ!!”と言うんですわ、そげなこたーねぇ、あんたら、あんたらみてーな極道もんとワシたち百姓は生きる世界が違うんじゃ、あんたらは町に逝って暴れればいいじゃねーか、こんな百姓家に来て喰う物もねーのにから何を取りに来るんか?と言ったら”ヤカマシイ!!”と言ってそれからもう言い合いになってもうー・・・・そして気が付いたらもう踏んだり蹴ったりされていたのですよ、あいつらはもう喧嘩なれしているもんやから、まぁそれが強い強いもうガンガンガンガンやられてしもうーて頭から身体中やられて、そして気が付いたらもうみんなぶっ倒れてしもうーて、私なんか息の根・・・その時はそれで終わったのですよ・・・それでもう気が付いたら喰いものは全くあらせん、あれだけ獲っていたイノシシや熊が全くねー、もうさみーし火はもう消えてないしもうー体中はいてーし、でみんな私のところの家で、みな休んでいたんですよ、そしたらまた・・・もう次の日になってから、もう寒くて寒くて、もう雪が降ってもう寒くて寒くて、それでもみんなでやっと起き上がって・・・喰うものはねー、またなんか山に逝って芋でも探さないかんのう・・・・と言ってやっと山に逝って這うようにして芋を掘って、そしてそれを水で洗って、そんまま囓って、そして帰りに、またこやつらが来たんですよ、そして”コラー貴様!!昨日の事覚えているのかー!!”と言うので、分かった、もう何もしない、と言ったら”ヤカマシイーこのうー、もしこんだこげな肉がノウ、熊みたいな肉が獲れたらワシのところに言ってこんやったらたった殺すからノウー!”と言ってそのまま帰ったのです・・・もう私その時点でもう、私はもう・・・寝付いてしまったのです。そしてもう・・・・気が付いたらこっちに来ておりました ・・・・クヤシクテ、悔しくて死んでもシニキレンのでございますよー頭は割れて血が流れてしまって・・・そして山に・・・這って這って芋掘りに行って、そして帰って寒くて寒くて寝ていたら、こいつらが来てまた私らを脅して・・・クヤシイー!!!!私はそのまま寝込んでしまって気が付いたらこっちに来ておりました・・・クヤシクテクヤシクテ、こいつら絶対ユルサーーン!!!!ゼッタイユルサン、こいつだけは絶対許さん!とこいつにとり憑いて恨みを晴らしているのです」

「そうか、百姓でも喰うものがない時期にそれを無理やり盗られ、踏んだり蹴ったりされて挙句の果てに殺されたと言うわけか」

「さようでございます・・・許せないのでございます」

「そうか、では今復讐はしているのだな」

「さようでございます・・・復讐はやっております」

「復讐はどのようにやっているのだ」

「私はこやつに成り代わっております・・・普段はおとなーしくさせております・・・そして一歩間違えばこやつの全身を思うがままに顔にして、みんなを睨んでおります・・・すると皆は”あいつ頭がおかしいのか?気持ちが悪いやっちゃのうーあいつは、あいつは気持ちが悪いのうーなんか目つきも変わるしのうー”と、皆がこいつを見下げさせ、私らが生きていた頃のこいつの顔にするのです・・・そうしたら皆が”あいつは気持ちが悪いのうーあいつに近寄るな、あいつには近寄らんほうがいい、もう色々と、あいつは訳わからんは、ありゃホント普通の人間じゃないぞ”とみんなから毛嫌いされて、そしてこいつはいっつも、寒いのう〜寒いのう〜、ああ身体がいてーああこっちもわりい、頭も何かああ、俺は呪われているのかのうー身体がわりー、ああっ!!、といつもいつも言っておりますよ」

「そうか、では少し待て」 



叔父さんの周りの人はこのように見ているということなんですが、それに対しては如何ですが、とお訊きする。

<・・・うーんどうかねー、そう言えば友達とかも連れてきた事はないし、今も友達がいないし、家族以外と接点が全くないから私たちが知らないだけだと思います>

《まぁ事業を失敗して皆が離れていったと云うか・・・今は母の介護をしています》

<良く何か頭が痛くて寝込んでいたとか聞いたことがあります。今日お姉ちゃんから聞いたのは家に祀っている神さんをホコリが付いているから取ったら腹を切られたように痛くて寝込んでいたと、お姉ちゃんに話したらしくて・・・・>

そうですか、どっかこっか身体が痛む筈なんですよ。

これも復讐の一環なんでしょうね。

《私たちは本人から離れているから全く訊かないから分からないですからねー》

<頭が痛いとは良く言うねー>



「おい、その他にはどのようにしているのだ」

「その他にはですねー、こいつね腹が大変弱いのですよフフフフフ(笑う)私らがね喰いものがなくてねなんでも喰っていたもので腹をいつも下していて、ウーッウーッとなっていたもんですから、この男もねーおんなじように、ウウッウウッと(痛む)、フフフフフフやっておりますよ・・・そしてこやつの、私らがこやつから苦しめられていたから今度は今、こいつがね人から苦しめられるようにしていますよ、この男は今ね、人を見ると怖いんですよ、ですからね自分からは人に近寄らないようにしているのですよ、人に近寄ったら殺されるんじゃねえーかとか、やられるんじゃねーかとか、いつもね恐怖を植え付けておりますからねー怖いんですよ 、もう今は気が小さくなってしまって人を見る目も、こうやって避けてねーエヘヘヘヘさせておりますよ、私らが生きていた頃こいつは横暴をしましたからねーエヘヘヘヘヘ今は人を見るとなんか怖くなって、あまり見るとこいつからやられたらいかんな、やめとこうやめとこう、とウフフフフいつもいつも恐れておりますフヘヘヘヘヘ そして、ああ神様お願いします神様お願いします、とアハハハハハ神様にお願いアハハハハハ何が神様か、とアハハハハハハハ(大笑い)エヘヘヘヘヘヘヘ」

家中に祀っている仏像の事を言っているのだ。

「そうか、良し分かった」



今は人を見ると怖く感じるようにしていると言うのですね。

それに神様を拝んでいるのですか?

《・・毎日拝んでいるし<お茶あげてご飯あげて>》

やっぱし怖いんでしょうねーだから神様に縋るようになったのでしょう。

《私、今訊いていて最近叔父さんが家に来てもなんか表情が違うんですよ、呑めば明るくなるけど、なんかシラフの時は暗い顔をして、前は目を見て話していたのに人の目を、最近は目を見なず下の方を見て時々目をこう合わせる・・・うーんだから今納得しました。後お腹が、胃が弱い・・・・》





「おい、お前は今でも身体は悪いのか」

「悪いなんて言うもんじゃないですよ、肩は痛いし頭はガンガンガンガンするしもう寒いし寒いしもう・・・・」

「そうか、ところでこの男にまだ他にナニカ憑いているものがいないか?」

「他にでございますか?いやいやこいつにはあのうーオンナが憑いています・・・幽霊みたいなやつが憑いています。オンナが憑いています」

「そうか、オンナの幽霊が憑いているのか?うーんそれはしょうがないな。では今からお前の身体を治してやる。頭がガンガンガンガンするのだろう。それに寒いしなぁ」

「ええっ、あなた様、どなた様でしょう」

「我はなぁ宇宙総帥と言う神じゃ」

「カカカ、カミサマでございますか、そ、それであれほどの強いエネルギー、私頭が割れるかと思いました 。もうカミナリがガーン!!とそそれがカミサマだったのでございますか」

「そうだ、だからお前の身体を治してやれるのだ」

「ああ、ありがとうございますありがとうございます」

「今から治してやるからそこに跪いておれ」

「ああ、ありがとうございますありがとうございます」

ありがとうございます、と感謝の声を訊きながら両手を動かし百姓のキズを治す術に入る。

と「グワーーーーーググググッグウグ、アウッ」

グワー!!と大声をあげたかと思ったらいつものようにそのままスット消えて逝った。

前世では相当のワルだった事がとうとう知られてしまった......恥ずかしい。

と云うより可愛い身内に前世の悪が分かってしまった事が・・・・ああ問題だ、どうしよう? などとは考えてもいない。

なぜ、と言ってもご本人は自分に前世の因縁が憑いていた事など知らされていないからだ。

当然、今回の百姓が喋った事など知る由もない。

しかし、これで終わった訳ではない。

次があるのだ。

先程の百姓が言っていたオンナがいると、それも幽霊のようなオンナが。

と言う事で次は女の幽霊を呼び出す事にする。



福岡叔父入って来い福岡叔父入って来い!と数回呼ぶと私の中にナニカが入って来た。

このナニカが先の幽霊(女)であればいいのだが、と思いつつ、お前は福岡叔父か!と尋ねる。

がやはり私の首を横に傾げるだけである。

お前は福岡叔父か!と訊いているのだ。

と今度は少し強く追求する。

それでも返事をしないため、お前はドケ!!どかないと天罰をかけるぞ!!と脅す。

すると

「ウルサイワネーアナタ!!アナタハダレカネー!!」

と私に負けないくらいの大声で怒鳴って出た。

これほどの大声を出してでてきた怨霊は初めてだ。

「あなたは誰かね、だとはお前は女か?」

「オンナ!!!イランセワジャ!!女だろうと男だろうと関係ないだろうが!!ウワーーー!!!ウワッウワッ、ヤメテヤメテ、ヤメテクダサイ、やめてくださいウウウウウウ(泣く)ウウウアアアアアアア、アハハハハ やめてやめて.......」

あまりにも大声で怒鳴るため念を入れたらこの通り、今度は一転して泣きの涙に変わった。

・・・・・・なんだか可哀想、、、、、。

「やめてやめてと云うが福岡叔父か、と訊いているのにお前が返事をしないからだろ。お前は女か男かどっちだ」

「わたしはオンナですアアアア、あなた様はどなたです」

「我は神じゃ」

「カカカ、神、神様でございますか、な、なんでわたし、わたし・・・」

「お前ではなく福岡叔父に用があったから呼んだらお前が出てきたのだろう。お前はなんで憑いているのだ」

「なんで憑いたと言うよりも私この男に殺されたのでございます」

「そうか、お前は幾つの時に殺されたのだ」

「わ、わたし、殺されたのは14、1414歳の時に殺されました」

「なに、14歳の時に殺されたのか」

「さようでございます」

「お前の家は何をしていたのだ」

「わたしの家は、わたしは百姓でございました」

「百姓か」

「そうそう、さようでございます」

「では、この福岡叔父は何をしていたのだ」

「この男は、もう暴れもんで暴れもんでもう、わたしなんかの世界ではもうダニのような男でございました」

「なに、ダニか?では、相当悪いヤツだったと言う事か」

「悪い奴程度ではございません」

「お前はこの男は良く知っているのか」

「わたしは知りませんしりません、こんな悪いのは知りません」

「では、なんでお前は殺されたのだ」

「・・・わ、わたしが殺されたのは、わたしわたし、家で休んでいたら、突然こいつらダニが何人も家に上がり込んできて、わたしの父や母をひっぱたいてわたしを担ぎ出して山に連れて行きアアアアわたしの足を広げてンアアア無理やり無理やり、無理やりムリヤリもう・・・アアアアー痛くて痛くて、イタクテイタクテやられたのでございます・・・クヤシクテクヤシクテ、ワタシ何が起きたのか全く分からない、わたし寝てたんです・・・もうわたし寝てたら突然なんかもう、おっとうやおっ母がウワーッ!ち云うから何かと思ったらおっとうやおっ母がひっぱたかれて、そしてお父が退いたら私を、わたしを捕まえて、わたしを肩車にして、そして山に連れて行かれて、そしてやられたんです・・・足をヒロゲテもう・・・痛くて痛くて、許して許して許して、と何回言っても許して許してくれなくて、みんなから足を広げられて、もうウウウウウやられてイタクテイタクテああ、クヤシクテ悔しくて、アッアアアア(泣きながら咳こみながら喋る)」

「そうか、そんな事をされていたのか」

今回の怨霊は予想以上に酷いことをされ殺されていた。

それで出てきたときは他に類のない大声をあげ荒れ狂っていたのだ。

「さようでございますもうクヤシクテクヤシクテもう身体中痛くて痛くてwwwwwwww」

「そうか、では今も下は血だらけか」

「下は血だらけ、下は血だらけですよ、わたし目も目も、もう・・・・頭をガンガンガンガン殴られたり顔を殴られたりして、もう顔中腫れ上がって目も見えない状態で、真っ暗で真っ暗で真っ暗な闇の中でガンガン叩かれてわたしは、タスケテタスケテタスケテと声をあげたもんですから、ウルセーウルセーウルセーとガンガンガンガン叩かれて.....ああ、目も腫れくり上がってもう、全く前が見えない、めがみえない、今も目が見えない、ククク、クヤシクテクヤシクテ、そして痛くて痛くてもう、血だらけになって、下が血だらけになって着物がもうない、着物が破けてしまってもう無い、ボロな着物ですけどボロな着物が破れてもう無い、何にも無い」

「そうか、良し分かった分かった。少し待っておれ」

「アア・・・・」





やはり叔父さんの白内障の原因はこの女ですね。

この女の目が見えないから、憑かれている人も同じように目が悪くなったのですよ。

とご相談者に

<・・・・ふーん、可哀想すぎて何も言えない>

前世で大変酷いことをしていたのですね。

夜中に百姓の家を襲い寝ている14歳のオンナを掻っ攫い山で暴行の限りをつくすとは、それも何人もで・・・・。

最後は殴り殺していたのですよ。

<怖いよねー・・・・>

ご本人が居なくて良かったかも分かりませんね。

《そんな事を訊けばショックですよねー・・・だけど俺はそんなことをした覚えはないと言うでしょう。だから女気がないのですね》



「お前の悔しい気持ちは充分分かったぞ。ところでお前は復讐はどのようにしているのだ」

「ワワ、ワタシウウウウ、クヤシクテクヤシクテ、アアアアアクヤシクテクヤシクテアアアアアアアア(泣く)」

「ところでお前が殺された季節はいつ頃だったのだ」

「アア、ワアアア、わたしアアアアハッハハハハ(泣く)クヤシクテクヤシクテウウウウアアアアクヤシイ!!」

「殺されたのはいつ頃か教えてくれないか」

「アーアア(泣く)、殺されたのはアーアア、アンアンウッ確か、確か寒くなっていたから冬が近かったのではないでしょうかァァァァクヤシクテクヤシクテ今も今もーサムクテ寒くて、顔中顔中火照って火照って、目は真っ暗でみえない・・・ああさむーい、ああ着物はもうバラバラで裸とおんなじ状態でもう、こんな山の中で捨てられてしまって、もう家に帰る事ができないわたし、わたし、首を吊って死んだんです首を吊って死んだんですアアアア、アンアン首吊って死んだ〜」

「なに、お前は首を吊って死んだのか?やられた後に首吊り自殺をしたのか」

「そうそう、さようでございます・・・やられて首吊り自殺したのです」

「では、お前は首がないのだろう」

「ク、クビ?首は、首はないない」

「首はないのだろう」

「そう、首はないない」

「では、なぜ顔が腫れているとか目がみえないなどと云うのだ」

「そ、それはわたしが生きている時から目がみえなかったから、だから首がない今と同じよ、生きている時顔が腫れて目も見えなかったからそう言ったの、そしてこの山の中で、山の中で裸で裸で首がない身体で・・・・ヤラレテ自殺したから」

顔が腫れているとか目がみえないと云うのは死ぬ前のことだが、首の無い今と同じ(目が見えない)で首があった時の感覚になっていると言うのである。

「そうか、ところでこの男の前に百姓が居ったではないか」

「ああ、あの百姓、あの人はわたしの知り合いでございました。あの人も殺されて、そしてあの人とわたし交代で入っているのでございます・・・だけどあの人が突然いなくなったものですから」

「そうか、交代で入っていたのか。ではお前は復讐はどうやっているのだ」

「わたしわたし、わたしがこいつに入っている時には、こいつの首から上がないのと同じでございます・・・ですからこいつ目が見えないはずでございます・・・目が見えない筈でございます・・・そしてわたしがこいつに入っている時には一切、こいつには女に対する欲望だけはもう人一倍欲望だけは持たせております・・・そして女をみたらあれもいい、これもいいと、しかし女は絶対近づけません、女は絶対近づけません、そしてこいつは死ぬまで死ぬまで女を求めて女に、オンナ女と言いながらこいつ死んでいくのでございます。そしていつも顔中が熱い筈でございます(自分が顔を殴られ熱を持っているから)・・・頭はガンガンガンガンするし顔は熱いし、そして下も悪い筈でございます・・・こいつの男は云う事をきかないのです・・・オトコをいう事(勃起不能)がきかないようにさせております。そして女に近づけば、近づく女は気持ちが悪い男だ、気持ちが悪いと、みんな避けるようにさせているのです、ですからこいつ死ぬまで女に近寄れない、欲望だけは女女女お・ん・な、ああ女女おんな、とだけど、だれも近寄らない、わたしが近寄らせないクヤシクテクヤシクテ・・・わたしが寝ているところを夜中に突然家をドンドンドンドン叩いておっとうやおっ母をひっぱたいてわたしを担ぎ出して山に逝ってみんなでわたしをやりっぱなしヤリ放題にして、そしてわたし裸にされ、裸のまま血だらけで顔中腫れ上がって目も見えない・・・だからクヤシクテ首を吊って死んだ 、ですから最後はこいつも首を吊って殺してやろうと思っております・・・わたし首がないのです・・・ですからこやつに入ってこやつの首を使って周りを見ています。ですから首がなくてもいいんです。こいつの首を使ってこいつの周りを見ております。ですから女が近づくとその女にわたし囁くのです。この男は危ない危ないと、そうして女が避けるようにしているのです・・・そしてこいつを最後は盲にし、そして首を吊って殺そうと思っております」

「そうか、わかったぞ、では少し待っておれ」




如何ですか、今喋っているのをお訊きして、とご相談者にお尋ねする。

《でも、やっぱり本人が居て訊いて欲しかったなぁと思います。下のことも本人しか分からないじゃないですか、それを言われたら、ああ本当だと思って信じてから、先ずこうやっぱし知って欲しかったなぁと思います》

だけどみなさんの前では中々認めないでしょう。

それはやはり恥ずかしいと云う気持ちが先にありますからね。




「おい、ところで今お前は寒いのか」

「さ、サムクテサムクテもう血だらけでアアアア」

「そうか・・・うーん、後は何をしているのだ。復讐だ」

「アア、後復讐と云うよりもわたしが、わたしがこうなって悔しいアアアア(泣く)こいつが女に対して気が狂うぐらい女が欲しい女が欲しいと云う気持ちにさせて、云う事をきかないようにしてアアアアア(笑う)そしてこいつは自分が呪われているのを知っていますよ本人は、わたし時々こいつの前に女の姿で出ますから、こいつの前にでますよわたし、こいつとわたしは目が合っておりますよ」

「なに、お前は人間界に出ているのか」

「さようでございますウハハハハハッハ(笑う)恐怖を与えております」

「おい、お前は人間界に出れるのなら一度我の前に出てこないか?」

「エエエ!神様の前に?そ、そんな恐れ多くもわたしが神様の前になどと」

「いや、一度人間界に出てこないか、どうだ。今我は人間界に居るのだ」

「いえいえ、そんな恥ずかしくて、わたし裸なんです」

「だけどこの男の前にでる時には服を着ているのだろう」

「この男の前にでる時には人間のような格好をして出ております・・・そしてジーットみております・・・この男ともジーット目が合ってビックリしてアハハハハハ震えております」

「そうか、では少し待っておれ」




弟さんは幽霊を見ると言っていましたか。

<はい、女の子が私の傍に座っていると・・・・>

《そういよったいよった》




「おい、お前は女の子の姿ででるのか?」

「さ、さようでございます・・・だからこの男から見ればわたしが本当の子供にみえるのでしょうホホホハハハハときどきでておどすんです・・・かくれてオホホホホコヤツを盲にしてエヘヘヘヘジサツ、首吊りを、そしてこいつ、後は地獄地獄、首のない身でジゴクジゴクアハハハハハ」

「そうか、良くわかったぞ、ところで今お前は下は血だらけなのだろう」

「さ、さようでございます」

「では、我がその血を止めてやろう。そして身体のキズも治してやる」

「ええ!さようでございますか」

「そうだ、そうすればまた復讐ができるだろう」

「ああ、ありがとうございますわたしの身体が治るので、ありがとうございます」

「そうだ、だからそこに座っておれ」

と言いつつ両手を動かしキズを治す術をかける。

「ああ、裸でハダカデ、アウアアウアウアウウアウアウアグデグデグデアアウッア!!!」

最後に裸で裸でといいつつ、叔父さんに憑依していた前世の因縁、14歳の女の子は上にあがっていった。

ふる里に着いた頃には綺麗なベベを着ておっとうやおっ母と昔話に花を咲かせているのではないだろうか。

暴行を受け殺された時の痛みや悔しい記憶の全てをなくし。

しかし、前世の叔父さんは14歳の幼気な女性を皆で暴行していたのだ。

こんな事は絶対人には言えない、、、、たとえ前世の事とはいえ、訊いたのが身内で良かった・・・・ん?

だけど、14歳と言えばこの時代は早い人で既に結婚をして幸せになっている方もいた筈だ。

が残念な事に今回の女性は結婚は愚か、死後の世界で怨霊となって復讐に血道を上げていたのだ。

が良く泣いた、良く笑った。

次の時代に生まれ変わったらホントの笑いに明け暮れられる人生を送って欲しいものだ。

今回の叔父さんは前世で相当な悪を働いていたにも関わらず憑いていた怨霊はこの二人だけだった。

この後、お母さんのお姉さんが私も視て頂きたいとお名前を書いて寄こした。

偵察のはずだったのが、何と言う事か自分も視て欲しいと云うのだ。

という事は少しは私の力を信用したという事だろうか。



と言う事で次は姉に因む前世の因縁を呼び出す。

詩舞の姉(仮名)入って来い!詩舞の姉入って来い!と名前を呼ぶとすぐにナニカが入って来た。

入って来たモノにお前は詩舞の姉か?

と問うが首を横に傾げるだけ。

これまでの前世の因縁がやってきたことを踏襲しているかのような動き。

更に追い打ちをかけるように姉妹の姉か、と尋ねるがやはり・・・・・。

それで仕方なく、天罰をかけるぞ!

と脅す、と

「ウルセーイ!このやろうーダレカーー!!(大声)頭の中でガンガンガンガン喋りやがって!!」

と大柄な言葉でおらぶようにして口を開いた。

そこで一応男女の確認をとる。

「お前は男か女か、どっちだ」

「ワシャオトコじゃーーー!!!!!!」

「詩舞の姉を呼んだのになんでお前が出てくるのだ」

「ウルセー!!てぃ言っているであろうが、どこに居るのかお前はー!!アアッ(念を入れる)ヤヤヤヤヤヤメテ、ウッワーイッテー!!/////」

「お前が我の聴く事に素直に応えないから天罰を掛けたのだ」

「うううっ、応えるも応えないも、あなたはどこに居るんでございますか?」

「お前の頭の上をみるがいい」

「・・・ウワゥワゥワワ、眩しい!!この光が、カミナリが今私の頭に落ちたのでございます」

「我が落としたのだ」

「ええっ!!さようですか・・・あ、あなたはどちら様でございますか」

「我は神じゃ」

「カカカ、アアッカミサマがなぜ、アアアッ神様がなんでわたしにようが・・・」

「なんで用が、とお前にそれをなぜ話さなければならないのだ。何かお前に説明しなけらばならない事があるのか」

「いえ、そんなことは」

「それよりなんでお前は詩舞の姉に憑いているのだ。それを訊きたいのだ」

「さ、さようでございますか、申し訳ございません」

「ところでお前は前世では何をしていたのだ、仕事だ」

「ワタシ?侍でございました」

「なに、侍か」

「さうようでございます」

「では、この姉は何をしていたのだ」

「こ、これは、、、、ご家老様のお姫様でございます・・・娘様でございますからお姫様でございます」

「ではお前はなぜこの姫にとり憑いたのだ。前世でとりつかなければならない訳でもあったのか?」

「とり憑く訳と云うより、私とこの女・・・私の許嫁だった女でございます」

「なに、許嫁だったのか。では、お前はこの姫の性格は良く知っているのだろうな」

「セイカクでございますか?」

「そうだ、知っているのだろう」

「セイカク・・・まぁ良く知っております」

「では、お前が本当にこの姫の許嫁だったのか知りたい。お前がどのくらい姫の事を知っているかだ。それにはお前が間違いなく姫の性格について喋らなければならないぞ、嘘をつくと直ぐ分かるのじゃ、いいな」

「性格でございますねー、この姫の性格は物事に対して物凄く割り切りが早いんですよ、今こう云っていたら次はコロット変わってもう、アラッ、姫あなたさっきこう言っていたらなんかもうコロット変わっているなぁ、なんでそんなに変わり身が早いのか、と云うぐらい、要するにね、もうころっころころっころ変わるんですよーだからもうそうして、全く後のこと、もう全く後のことは考えない、もうコロッコロと自分のわがままばっかしでございます・・・ですから性格としたら、割り切りが早いと云うのか、もう自分の生きる道・・・ただそれだけです・・・自分がこうしょうと思ったらスットそっちに行って、そして後のことは全く考えない・・・もうスッススッスそっちに逝って、だから私、おい、ちょっと待て、と云ったら、あんたもう遅いねーグズだねーもうもっとサッサッサッサしなさいよーと云うから、だからお前待て、お前みたいにそんなに簡単に物事が割り切れるか、もうちょっと考えて行動せんとだめじゃないか!と言ったら、あんたは考えすぎるのよ、私は考えんでも自分の直感でドンドンドンドン行くんだから大丈夫、あなた心配しなくていいのよ!と、もうそーらもう割り切りが早いんですよ、そしてまぁなんちゅんかですねー、まぁ当時ですねー私なんかまぁ、仲間内から、あの姫は頭がいいなぁあれは、よー切れるわ、なんでもかんでもピッピッピッピ切れて、ホント凄いなぁあの人は、と、まぁそう云うふうに割と評判だったんですよ」

「それはお前が幾つぐらいのときだ」

「まぁ私は小さな頃からの許嫁だったのですが、私がこう特に姫と親しくするようになったのは、姫が13だったですかねー私が16,7だったですから、そのぐらいです・・・でもそのぐらいからもうシャキシャキした女でございました」

「そうか、シャキシャキした女だったと云うことだな」

「さようでございます」

「では、少し待っておれ」

「は、はいわかりました」



如何ですか、今喋った事は、とお姉さんにお伺いする。

(・・・・当たってます)(姉言)

当たっていますか?

(・・・はい)



「ところでお前はなぜ姫に憑いているのだ。その訳を知りたい。お前は姫から殺されたのか?」

「いえ、姫から直接は殺されておりませんが、私この姫のお陰で首を吊る羽目に陥ったのです」

「なぜ、首を吊る羽目に陥ったのか」

「いえいえ、この姫は先ほど云ったように物事の割り切り方が早いものでございますから、私は逆に言わせたら周りから、お前ちょっとグズやのうグズやのうー、と云う感じでちょっと違うのですねー、私はわりとのんびりしたタイプで、この女はもうサッササッサ行く方で、姫からしたら私がやっぱーうっとしかったんでしょうねー、姫は要するに、こう剣術の強いものとか、この姫はねー物凄く強いヤツに憧れるんですよ、もう目立つ男とかねー強いヤツ、そして、ああ凄いなーと頭の切れるヤツ、ともうそんなもんばっかしにこいつは憧れるですよ・・・まぁ私は頭はそれほど悪くはないんですけど、まぁグズと言えばグズだったんですよ」

「そうか、ではちょっと待っておれ」

「分かりました」



あなたは頭の良い人とか強い人に憧れると言っていましたが如何ですか?

(そのトロトロしている人が嫌い)

《旦那さんがそう云うタイプやけん・・・・》



「良し、お前のいう事は大体合っているようだな。それでどうなったのだ」

「そ、それでですねー私この姫に惚れていたのですよ、私はねー自分が割とグズなもんでございますからねーもう、逆に言わせたら私からホントこう新鮮な女に見えてですねー、他の女を見てもホント、ああ私とおんなじ、あの女もグズやのうーあれもダラダラした女やのうー、だけど俺の姫はもうホント切れる!格好イイワー やっぱー俺あいつと一緒になるのがもうホント夢じゃ、夢じゃああ楽しみじゃはよー、早よー婚姻をあげる年が来たらもう婚姻をしたいのう〜〜と、毎日毎日思っていたのですよ・・・ところがこいつはある日、私なんかが通う道場の、そこの師範、道場の一人息子ですね、その師範に惚れてしまってアアアア(泣く)師範とできてしまったんですよ、これがもうー、私たちの世界は男と女の関係と言うものは一緒になるまでは、先ず侍の姫と侍が婚姻をあげるまでは関係を持つことはできないのですよ、いやそれは確かに影で関係を持っているのはいっぱいおります・・・だけど表だってはそう云う関係があっちゃいけないんですよ、女は処女であり男は一切そう云うまぁ・・・男の場合は別にどうってことはないのですが、まぁ要するに結婚するまでは、一緒になるまでは身体の関係を持ってはいかん!と、要するに仕来りのような感じがあったのです。いやいや全てとは、みんな影でやっているんですけど、それでもこいつなんかは誰が見ても、出来ていると分かるような感じになっていた。私の顔は潰れてしまって恥ずかしくて恥ずかしくて、姫に私は訊いたんですよ、姫あなたあの師範と一緒になっている、関係を持っていると云うのは本当ですか?と訊いたら、あんたつまらんことを云うねー私がなんでそう云う事をするの?私にはあなたが許嫁としておるのでしょう、あなたは私の夫になる人だったら私を信用しなさい、と云ったから、エエッホントか、信用していいのか?と言ったら、信用していいのよ、あなたは グズだから信用しなさい、私はそう云う事はない、大丈夫よ大丈夫、と云うから私はそうやってズーット言い聞かせられていたのですよ、それも何年間もですよ。だけどやっぱしお城で噂になるのですよ、あそこの姫、あのご家老様の娘さん、お姫様は、あそこの師範と何か関係があるらしぞ、ともう訊くたんびに、姫に言えば”うるさわねーあなたー!!”ともう私が訊くたびに姫にいえば、ウルサイウルサイと、もうとうとう私傍に居ることもできなくなって、ああもうこれ以上傍に居ると本当に姫に嫌われてしまって、もう結婚できん、どうしたらいいのかどうしたらいいのか?とグズグズしていたら、父上が、おいもうそろそろお前も年がきたらか、あの姫と、許嫁と一緒になるように今から手配するからのうー、向こうのご家老様のところに逝ってお話をするから安心しとけよ、と言われたから、ああ父上ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします父上ありがとうございますと言った、そしたら父上が向こうのご家老様のところへお話に逝ったら、そんな話はない!もう終わったんじゃワシの娘はのうーお前の息子と一緒になることは出来ん、なかったことにしてくれ!と、私の父上も家老職だったんです。だけど姫の父上の方が家老職が上だったのです・・・で父上、そんな馬鹿な!そんな!!と言っても向こうが上ですから、すまんのうーなかったことにしてくれ・・・なかったことにしてくれと云われ、父上もやむなく帰ってきて、えっ破談じゃ破談じゃ諦めれ、破談じゃ、それ以上言っちゃいかん、もう一切言っちゃいかん破談じゃ、と云われそんな馬鹿な!小さい時から一緒になるようになっていたのに何でそんなことになるのか、そんなバカなことは出来ん!と、私もう悔しくてクヤシクテ、姫のところに逝ったら、ウルサーイ!!と一言、私一言でシュンと・・・・姫には逆らえない、誰にも逆らえない・・・そうこうするうちに姫とその師範が噂どうり婚約して一緒になる、とああ・・・私は皆から、お前グズだから姫を取られたんじゃわい、なんちゅうざまか、みっともねーのうーと、皆からミソン糞ごとく言われて、ウワーッ!、ともうそのときは死ぬ覚悟で、向こうの師範のところに逝って、あのう師範さんあの姫は私と一緒になるようになっていたのですが、と言ったら、ジャカマシイー!!!!!ドケッ!!クズが、お前みたいなクズはドケー!!と云われ・・・もう終わりです・・・私城にも上がらずジーット悔しくて悔しくて家で耐えておりました・・・もう死んでもいいと思いながら姫のところに逝ったら今度は突然、コッロと態度が変わって優しくなって”ごめんなさいね、わたしあの方と一緒にならないとどうしょうもならないの”と云われ私ガクッと来て、姫やめてくれ、そんな事を言ったら私首を吊って死ぬよ、死んで恨むよと言ったら、あなたが死ぬ根性、死ぬほどの根性があったら一緒になるわ、と改めて言われ私悔しくて悔しくて、山に逝って首を吊ったのでございますウウウウウ(哭く)今も首がないのです」

「そうか、だけどお前はそんな事で首を吊ったのかつまらんヤツじゃのうー」

「そそ、そんな事を神様が言いましたが私心底この女に惚れていたのですよもう、好きで好きでたまらなかったんですよ・・・だからもうお城でももう恥をかいて、皆からクズだクズだと言われて・・・クビをクビを、だから今首がない、首が無くて今この姫の中に入って私はこの姫を操っているのですよ、この女につまらん男を探せつまらん男を探せ、とエヘヘヘヘヘヘ(笑う)今、この女の傍に居る男はつまらん男、私と全く一緒ウフフフフフですから姫が後悔コウカイ、だまぁみやがれ!お前がこの男と一緒に、ワシと一緒じゃワシが一緒になっているのじゃ、だからこの男に私はしょっちゅ入っちゃ、この女の、姫の前でグズグズ、ワザっとグズグズしていると姫はイライライライラして、あんたなんかえ〜!!コラーーー!!とハハハハハハ私がこの世で、こいつの、こいつの首を借りて、こうみてはこっちの男に入り、そしてこっちに(姫)・・・・イライライライラして最後には死にたい死にたい、首を吊って死ぬ死ぬ死ぬ、殺してやる殺してやる、とアハハハハハ大騒動ですよウハハハハハ」

「そうか、良し分かった、少し待て」



《この怨霊は話すのが長いですね、丁寧に物事を話してくれますね》



「ところでお前は復讐はどのようにやっているのだ」

「私、フクシュウ?だから復讐は、私の復讐は結局私を抱くことですよ・・・私を夫に持ってことですよ。、それが復讐でございますよ、その復讐が今のこの姫の男でございますよ、あれが私なんですよ現実に言わせたら、私と全くおんなじ男を付けたんですよウフフフフフだから毎日毎日イライライライラして私楽しくて、楽しくて、そして最後はイライラしながら首を吊って死ぬんやワハハハハそしてこっちに来い、同じ首がなくなって一緒に地獄に行こうやウハハハハハそれが楽しくて楽しくて堪らない」

「そうか、ではこの姫にはお前以外他に誰か憑いているものが居るか?」

「いえいえ、私しかおりません・・・姫は本当にもう今でも好きで好きで堪らないのですよ、ですから苦しめて苦しめるしかないのですよ、姫を苦しめて苦しめて、そしてこの男を、人間界の、この男を私と思って抱けよ 、私と思って抱かれれよ。、グズに抱かれる気持ちはどうか?グズと一緒に生活する気持ちはどうか?毎日、この女にとっては毎日がジゴクでございますよワハハハハジゴクジーゴークアハハハハハジゴクジーゴークアハハハハハ子供を見てもイライラするばっかり、旦那見てもイライラ、何か旦那がすると、ウルサーイ!!で子供がお母さん、ママとかなんか言ったら、ウルサイワネー!!ウルサイウルサイウルサイ、なんもかもウルサイウワーッと」

「よし、分かった」



<・・・ハハハハハハ>

《ハハハハハハ・・・・うふふふふふウルセンヤちいよんな》

<当たってすぎるハハハハハハなんでもウルサイウルサイち>

《ホントウルサイち云うのね・・・あのう昨日幽霊を見たと言ったじゃないですか、百姓とか言ったじゃないですか、私が見た幽霊は百姓とかじゃなくてスラーっとして姿勢良い人だったからその人かなぁーと思ったもですが》

分かりました、あなた(妹さん)の前に出たか確認してみましょう。





「おい、お前聴こえているか?」

ご相談者との会話

「はい、聴こえております」

「おい、お前の前にマールイ枠があるだろう。そこを覗いてみよ、人間界が見えるぞ」

怨霊の林の中にマルイ空間が出来ている。

「えっ、人間界?・・・・ああ、あー見えております見えております」

「お前から視て一番左におるのがお前の姫じゃ」

「エッ!こんな顔?・・・髪の毛が違う?・・・あっ顔は一緒ですけど・・・髪の毛が違うのですねー」

「その隣はどうだ」

妹さん。

「え、となり・・・ア、アこーの姫は、私知っている姫ですよ」

「なに、お前知っているのか?」

「そうそう、さようでございます・・・いやいや私こう言っちゃなんですが、この姫に恨みを持っているんですよ 、この姫と仲が良かったんですよ前世で、それで、いつもこの姫(妹)がこっちの姫(姉)に何か話しかけていたもんでございますから私時々、きのうーきのうやないか??私時々この姫(妹)に恨みを、私姿を出すのです」

やはり幽霊となって妹さんの前にでていたのだ。

「そうか、ところでお前は背は高かったのか」

「背は、と云うより割とホッソリしている・・・で姿を出すと姫はビックリして、そして」

「お前は本当の事を言わないと許さんぞ、ではお前は、こっちの姫の前に時々出ているのか?」

「時々じゃなくて滅多に出ませんけど、なんかあった時にでるんですよ、なんか、なんかちゅうよりも・・・出て脅しておりました」

「そうか、では少し待て」



先ほど妹さんが云われたように人間界に幽霊となって出ていたようですね。

それに前世では知り合いだったようですね。

《姉ちゃんと縁を切られていた時は幽霊をみていないときなんですよ》



「では、お前がこの姉妹を仲悪くさせていたのか」

「いやいや、仲良くさせないとは、これとこれが組むともう強いんですよ、この二人が組むと、みんなそりゃもう勝てないんですよ・・・ですからこちらも避けていたんですよ、これがくっつくとロクなことがないもんですから避けていたんですよ」

「そうか、お前がこちらの姫(妹)を避けていたのか」

「さようでございます・・・もうこの二人が組んで結局、この二人で色んな事を話して私は・・・要するに結局私は捨てられた形になったわけでございますから、ですから姫を恨むよりこっち(妹)を恨んでいるんですよ・・・ああっもう許せないんで」

「そうか、良く分かった。ところでお前は自殺をして首が痛いのだろう」

「痛いんですよ」

では、今から首を治してやる」

「首を治して頂けるのでしょうか」

「そうだ、そうすればまた復讐ができるだろう」

「ああありごとうございます、く、首を治してください」

「分かった、そこに座っておれ」

と言って首を付ける術を始める。

「グググググッグ//////////ウワワワアワワアワ///////アッ!!」

・・・・・アッと言って消えた。

だが今回の侍は良く喋った。

最初はおらぶように大声を発して出てきたが、念を入れると途端にシュンとなり借りてきた猫のように大人しくなった。

が、それでも大変饒舌だった。

また、面白いのは今回のご相談者である妹さんとお姉さんの事だ。

このご姉妹は、前世では仲の良い友達だったという事だ。

それに妹さんが預かっている娘、姪御さん(お姉さんのお子さん)とは前世で親子だったと云う事も分かった。

・・・・今回のご家族のみなさんは前世から繋がりがあったのだ。

いや、今回だけではなく今生でご家族を形成されている方々も前世で家族以外、何らかの繋がりがあった可能性があるのではないだろうか。

そして、最後に登場したお姉さは自ら手を下して怨霊が憑いたのではなく振られた恨みで憑かれていたのだった。

・・・・・うーん、惚れられると言うのも命懸けだ、怖いな〜〜〜。

最後まで読んで頂きありがとうございました。



 




《2、3年前(2010年頃)は今と違って怨霊のキズを治し三途の川までしか送る事ができなかった、が今はそれが懐かしい。

逆に能力があがったのはいいが三途の川に着いた時の、あの驚きの様子を聴く事ができなくなった。

........何か寂しい。

もっと前には怨霊を除けるのにご相談者に130日間の謝罪をしていただいていた。

上記に掲載している一部は2、3年前に怨霊を除けた時の事。

そこには、懐かしい三途の川が出ていた。

”えっ何!私死んだ?なぜ、そんな死んでないですよ!”とミンナ言っていた。》







《人は、日々数百年前の土地の持ち主に、人生は前世の因縁(怨霊)に脅かされている》







下記はご相談者のお母さんがお書きになっているブログ小説である。


”綺麗なママになりたいブログ”







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